咳き込むとヒューヒューと音がするのはなぜ?4つの原因を解説!

咳き込むとヒューヒューと音がするのはなぜ?4つの原因を解説!

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大きく呼吸をしたり咳をした時などに、ヒューヒューとかゼーゼーといった音が出ることがあります。

風邪などで咳が出ることはよくあるのですが、このヒューヒューやゼーゼーと音がする状態は、深刻な病気のサインであることが多いので一刻も早い治療が必要です。

この記事では、そのような呼吸に関する重大な疾患についてご紹介いたします。

ヒューヒュー音の正体

ヒューヒュー音は医学的には喘鳴(ぜんめい)と呼ばれ、息を吐く時(呼気時)と息を吸う時(吸気時)の2種類があります。

口笛を吹く際に、口をすぼめることによって空気の通り道を狭くして音を出しますが、喘鳴も同じように空気の通り道である気道が狭くなることによって音が出てきます。


気道内を空気が通るのは息を吐くときと吸う時ですので、喘鳴も先ほどの2種類があるということになります。

息を吐く時は、胸が縮むことによって、胸の中の気道が狭くなるのでおよそ声帯より下の気道(下気道)の狭窄によって喘鳴が生じます。

声帯より上の気道(上気道)が狭くなっている場合には、下気道の逆で息を吸う時に喘鳴が生じてきます。


まとめると、喘鳴は空気の通り道が狭まることによって発生し、呼気時と吸気時の両方で発生しうるということです。

この記事では、咳き込みによる喘鳴を扱うので、下気道狭窄の原因を紹介していきます。



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気管支喘息

気管支が運動や冷気、煙草の煙、ハウスダストアレルギーなどの原因によって狭くなってしまう疾患です。

これらの原因にさらされることにより、突然呼吸困難や喘鳴、咳が繰り返し見られるようになります。


医学的には「気管支の過敏性が亢進している」というようにいいますが、平たくいうと普通の人は反応しないような刺激に、反応してしまうという状態になっているということです。


喘息を起こすと気道の粘膜がむくみ、気道の筋肉が収縮して、気道粘液の分泌が盛んになって気道が狭くなってしまいます。

すると再び同じような原因にさらされると、少しの刺激でも発作を起こしやすくなっていきます。

発作を繰り返している内に、気道が炎症によって慢性的に狭まった状態(リモデリング)になってしまいます。


治療としては、発作を抑える薬と刺激にさらされないような環境づくりをすることです。

喘息を根本的に治癒させることは難しいので、はじめに診断された段階から悪化させていかないことが重要です。

子どもの気管支喘息では気道狭窄が軽い状態ですので比較的良くなっていきますが、成人の場合は長期間引きずってしまっていることもあり、リモデリング状態を作らないことを目標に治療を進めていきます。



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慢性気管支炎

気管支に炎症が生じている状態です。

風邪にも似ていますが、風邪は喉に原因があるのに対し、気管支炎はそれより肺に近い気管支に原因があります。

ウイルスや細菌、タバコが原因となることが多いです。


慢性気管支炎は3ヶ月以上続く場合もあり、気管支に痰が溜まって気道が狭くなってきます。


治療としては症状の程度が軽く、日常生活を送れているようであれば咳や痰を除去したり、呼吸困難の改善を目的としてベータ2刺激薬や抗コリン薬という薬剤を使った治療が行われます。

また、感染が原因となっている場合は抗菌薬や抗ウイルス薬も用いられます。

症状がひどい場合は入院が必要となることもあります。



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肺炎

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肺炎は、細菌やウイルスが肺に入って炎症を起こしてくるものです。

かつて程、死亡者数は多くありませんが、それでも癌、心疾患についで第3位にランクインしています。

症状としては高熱や咳、痰、息苦しさ、身体のだるさ、筋肉痛や関節痛といったインフルエンザに似ている症状が見られます。



肺の炎症が肺を包んでいる胸膜にまで及ぶと胸痛も出てきて、さらに肺炎が悪化すると酸素の取り入れが少なくなり、血液中の酸素が不足しているチアノーゼという状態になってしまいます。


肺炎には種類がいくつかありますが、注意が必要なのは高齢者に多く見られる誤嚥性肺炎です。

これは食べ物を食道ではなく気道に落とし込んでしまうもので、食べ物と一緒に侵入した細菌などが原因となって肺炎を起こします。

気管支の構造から右肺に起こりやすくなっています。

治療としては原因となっている病原体を死滅させる薬や咳を抑える薬、解熱薬などの内服が主になります。

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)

主な原因はタバコで、タバコの煙によって肺の末端にある肺胞が壊れてしまい、息を十分に吐き出すことができなくなってしまっている状態です。

健康な人がCOPDの呼吸を体験するには、息を大きく吸って少ししか吐かずにまた大きく吸うということを繰り返すとその息苦しさがわかると思います。


症状としては慢性的に咳や痰が続き、階段の昇り降りなど身体を動かした時に呼吸が苦しくなります。

治療としてはもちろん禁煙をし、ベータ2刺激薬で気管支を広げるような治療となります。



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まとめ

いかがだったでしょうか。

呼吸や咳に伴って聞こえる喘鳴は病状としては非常に深刻なものになります。

呼吸の苦しさは生活の質に直結してくるので、できるだけ早く病院を受診し適切な治療を受けるようにしましょう。

また、身近な人に症状が見られる場合も病院に行くことを勧めてあげましょう。


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