中指・薬指の第一関節が腫れて痛い!原因と注意したい4つの疾患!

中指・薬指の第一関節が腫れて痛い!原因と注意したい4つの疾患!

指


体育の授業などで突き指をしたことがある方は少なくないと思います。

ですので、大人になって指が腫れてきても大したことが無いと思ってしまう方が多いです。

本当に大したことがないこともありますが、実は大変な疾患にかかってしまっていることもあります。

そこでこの記事では、指の関節が腫れてくる原因について紹介していきます。

手指の構造

指の関節は一般的に指先から第一関節、第二関節と呼ばれていますが、実際そのような名前ではなく医学界では指先から順に遠位指節間関節(DIP関節)、近位指節間関節(PIP関節)と呼ばれています。

また、指の付け根の関節は中手指節間関節(MP関節)といいます。

それぞれの関節は指が横方向に曲がってしまわないように側副靭帯という靭帯で固定されています。

さらに、各関節の手の甲側には指を伸ばすための筋肉の腱(伸筋腱)が付着しています。

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側副靭帯損傷

指の捻挫は意外と多く見られ、捻挫でも指の腫れは起こしてくるもののアイシングなどによって改善していく場合がほとんどです。


しかし、痛みが長引いたり曲げる時に痛みが生じたりしている場合はただの捻挫ではなく、靭帯損傷が疑われます。

頻度としては、PIP関節(第二関節)が多いですが、DIP関節(第一関節)にも起こりえます。

中指と薬指(環指)に多く受傷します。


側副靭帯損傷の多くはバスケットボールやバレーボールなどの際に、ボールが指に当たることによって起きてきますが、日常生活の中でもテーブルの縁に指を横からぶつけるなどの原因によって受傷します。


指を動かすと痛みが強くなるため曲げ伸ばしが不自由になり、靭帯が完全に切れてしまった場合は、指が親指側か小指側のどちらかに大きくぐらつく(動揺性)ことがあります。

治療としては程度によるものの靭帯再建なども行われます。

また、予防が非常に重要でストレッチを入念に行うことをおすすめします。



関連記事:手の指先が腫れる5つの原因!日常生活で気をつけたい事は?

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ヘバーデン結節

DIP関節(第一関節)が変形して曲がってしまう、原因不明の疾患です。

症状としてはDIP関節(第一関節)の伸筋腱付着部を挟んで2つのコブ(結節)ができ、痛みや関節の動きが悪くなります。


多くの場合は40代以降の中年女性の人差し指(示指)から小指に発生し、水ぶくれのような出っ張りができることもあります(ミューカスシスト)。


手をよく使う人がなりやすい傾向があり、遺伝性は証明されていないものの近縁者がヘバーデン結節になったことがある人は注意が必要です。

レントゲン検査や手術での見立て(所見)からは変形性関節症という疾患の非常に似ています。


指


具体的には関節の隙間が狭くなっていたり(関節裂隙の狭小化)、骨が正常から変化して棘のようになっている(骨棘形成)ような所見が見られます。


治療は基本的に保存治療を行い、局所の安静やテーピング、少量の関節内ステロイド注射が行われます。


保存治療で症状の改善が見られなかったり日常生活に支障があるような場合には手術によって結節を切除したり関節固定術が行われます。


予防としては痛みのある時はしっかりと安静にし、安静にできない事情がある場合はテーピングなどをして過度な負担がかからないようにしましょう。



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ブシャール結節

ブシャール結節はヘバーデン結節と同じような疾患で、PIP関節(第二関節)に発生したものです。

ですが、DIP関節(第一関節)の曲げ伸ばしが不自由なのに比べて、PIP関節(第二関節)の不具合は日常生活に支障をきたしやすいです。


物をつかむ時にはPIP関節(第二関節)の関与が大きいからです。

ですので、中にはタオルを絞ることができない、利き手に罹患して字を書きづらいと訴える人もいます。

ヘバーデン結節に似ているものなので、診断や治療もヘバーデン結節と同様のものを行うことが多いです。


また、PIP関節(第二関節)が冒される疾患として多いのが関節リウマチですが、治療が全く異なるので正確に見分けることが重要です。



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関節リウマチ

指


関節には滑膜と言われる組織があり、そこが冒されることで滑膜が増殖することで骨を破壊してしまう(骨びらん)滑膜炎が主体の疾患です。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、女性の方が患者数が多いです。

滑膜炎が起こってくる背景には、本来細菌やウイルス感染細胞という異物をターゲットにしている免疫細胞が、なんらかの原因で自分の関節を敵とみなしてしまう自己免疫の異常があります。


初期症状は、朝起きてから手をにぎることが困難であることからはじまります。

この症状は1日の中では昼ころまでには治まってきます。


病気が進行してくるとPIP関節(第二関節)やMP関節(指の付け根)を主とした関節痛が起こってきて、足の指や手首、肘、膝なども冒されてきます。


指の特徴的な変形としてはスワンネック変形(DIP関節の屈曲およびPIP関節の伸展)やボタン穴変形(DIP関節の伸展、PIP関節の屈曲)があります。


このようにDIP関節(第一関節)とPIP関節(第二関節)のどちらにも症状が出てきますが、DIP関節(第一関節)のみというケースは上述のヘバーデン結節を念頭に考えます。


治療としてはメトトレキセートやスルファサラジン、ブシラミンといった抗リウマチ薬を中心とした薬物療法が行われます。



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まとめ

いかがだったでしょうか。

はじめの3つはそれほど重篤ではありませんが、日常生活に支障が出ることもありますし、関節リウマチは非常にシビアな病状が出てきますので、いずれにしても早めに整形外科などを受診することをおすすめします。


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