いっぱい寝たのに眠い理由は病気?3つの原因と対処法を解説!

いっぱい寝たのに眠い理由は病気?3つの原因と対処法を解説!

女性


週末にたくさん寝たのにも関わらず仕事中などに眠気が襲ってくることはありませんか。


前の日に夜更かしをした、などということであれば睡眠不足の一言で済ませてしまうこともできますが、十分な睡眠時間を確保していても日中に強い眠気を感じるようであれば何かしらの病気が隠れていることがあります。


それらの中には命を脅かす疾患との関連があるものもあります。

そこでこの記事では、睡眠時間の割に日中眠くなってしまう病気について解説するとともに、効果的な治療法についても紹介していきたいと思います。

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睡眠時無呼吸症候群

気管支より口側の気道が狭くなってしまうことで、睡眠時のみに呼吸が停止する病態です。

この狭窄は下顎の発育があまり良くなかったり、舌が大きかったりすることなどによっても起きてきますが、ここ最近で増加してきているのが肥満によるものです。


顎と喉についた脂肪が気道を圧迫してしまい、いびきや昼間の眠気、朝の頭痛や喉の乾きを起こしてきます。

男性の約1~4%に見られ、これは女性の3~8倍の数になります。


睡眠時無呼吸症候群を放置していると、高血圧や不整脈、心筋梗塞、脳梗塞、心不全といった合併症を起こして生命を脅かすこともあります。


対策としてはまずは身体の脂肪を落とすことが挙げられます。


男性


極度の肥満ではランニングなどをしてしまうと膝を痛めてしまうことが考えられるので、はじめはプールなどで水中ウォーキングをしたり、泳いだりするのが良いでしょう。

運動を開始したばかりのときはいびきや眠気といった症状はまだ改善してこないので、経鼻持続陽圧補助呼吸(N-CPAP)療法やマウスピースを装着することがあります。


経鼻持続陽圧補助呼吸療法は就寝時に鼻にマスクを付け、機械を使って空気を送り込むというものです。

狭い気道に無理やり空気を押し込むので少し苦しいですが、耐えることができれば効果はかなり期待できます。

マウスピースでは下顎を数ミリ前進(しゃくれ)させます。

1ミリ前進させると体重が5キロ落ちたのと同等の効果が得られると言われています。



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ナルコレプシー

ナルコレプシーは耐え難い眠気と、感情に合わせて急に力が抜けてしまう情動性脱力発作という症状が特徴的な疾患です。


具体的には笑ったり起こったりすると全身の力が抜け、その場にへたり込んだりするというものが挙げられます。

脱力は数分から10数分続きますが、意識や見当式(自分がどこにいるか)、記憶は鮮明にのこっています。


この脱力発作のせいで感情を表に出さないようになってしまい、不本意な印象を持たれてしまうことも少なくないようです。


睡眠発作は2~3時間ごとに巡ってきて、10数分の睡眠ですっきりとします。

しかし、2~3時間後には同じような激しい眠気が襲ってきます。

ナルコレプシーの治療としてはモダフィニルなどの中枢神経刺激薬が用いられ、有効性が確認されています。



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甲状腺機能低下症

これは甲状腺という首にある臓器の機能が弱くなってしまう病気の総称です。

甲状腺は脳の視床下部から下垂体を介して甲状腺ホルモンというホルモンを作るように命令されています(HPA系)。

この流れの何処かが障害されると甲状腺機能低下症となってしまいます。


甲状腺ホルモンは代謝を活発にし、活動量を上げたり体温を上げたりなどの役割をしているので、この疾患ではやる気が出なかったり眠気があったり寒がりになったりします。


これらの症候に加えて皮膚が乾燥していたり脈が遅くなっている、髪の毛が抜けてきていたりなどの身体所見も見られることがあります。


また、代謝が悪くなってしまうので摂取したコレステロールが血液中に溜まってしまい、高コレステロール血症となってしまいます。


女性


甲状腺機能低下症をきたす疾患はいくつかありますが、代表的なものは慢性甲状腺炎(橋本病)です。


これは甲状腺に慢性的な(長期にわたる)炎症が起きてしまい、甲状腺ホルモンの産生が低下してしまう疾患です。


成人の約8%、特に女性の約10%にはこの疾患があると言われていますが、その大部分は甲状腺の機能が正常で治療を必要とするものはごく一部です。


慢性甲状腺炎の治療は甲状腺剤の補充につきます。

ただし、少量から始めないと甲状腺ホルモンが必要以上に多くなってしまい逆に命を脅かしてしまうこともあります。

病院で処方された場合には、決められた用量をしっかりと守ることが重要です。



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まとめ

いかがだったでしょうか。

眠気があるということは睡眠を司っている脳に原因があることもありますが、身体の活動を調節している器官が悪くなっていることもあります。


今回紹介した疾患は特徴的な症状のあるものが多いので、当てはまるものがあれば、睡眠時無呼吸症候群・ナルコレプシーは精神科や呼吸器内科へ、甲状腺機能低下症は内分泌内科を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。


特に甲状腺機能低下症は慢性甲状腺炎の他にも原因がありますので、詳しく調べるためにも病院を受診することが重要です。



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