へその周りを押すと痛いのはなぜ?注意したい病気と症状!

へその周りを押すと痛いのはなぜ?注意したい病気と症状!

へそ


腹痛というのは多くの人がある症状ですが、お腹を押すと痛いという症状はあまり経験がないのではないでしょうか。

この症状を呈してくる疾患は意外と知られている疾患であったりします。


そこでこの記事では、お腹を押すと痛みが出る症状でも、特にへその周囲を押した時に痛みが現れる疾患について、気をつけておいていただきたい3つの症状を詳しく解説していきたいと思います。

虫垂炎

一般的に「盲腸」や「アッペ」と呼ばれている疾患です。


厳密に言いますと、盲腸というのは実際には大腸と小腸の境目あたりを指す部位の名称なので、症状を指す場合は「虫垂炎」が正しい使い方となります。

また、アッペは虫垂炎を英訳したappendicitisの略ですので、特に変に思われる必要はありません。


虫垂炎は盲腸にぶら下がっている虫垂というところが炎症を起こしている状態です。

虫垂はリンパ組織が豊富な臓器で、腸に付属してはいるものの消化吸収の働きはありません。

虫垂炎になる原因は?

虫垂炎の原因は実はよく分かっていません。


ですが、いくつかのものが想定されていて、虫垂がねじれることが原因であるとか、虫垂に便や粘液が詰まって血行不良となり、腸内細菌やウイルスが感染することで発症すると考えられています。


他にも日々の暴飲暴食や疲労、便秘、胃腸炎、不規則な生活習慣が引き金となっていることもあるようです。



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虫垂炎には段階がある?

虫垂炎には3つの段階があり、順に「カタル性虫垂炎」、「蜂窩織炎性(ほうかしきえんせい)虫垂炎」、「壊疽性(えそせい)虫垂炎」となっています。


カタル性虫垂炎はごく食の段階で、炎症の程度も軽く抗菌薬(抗生物質)の投与によって回復することが多いです。


蜂窩織炎性虫垂炎は虫垂に膿がたまった状態で、なにも対処をしないと虫垂に穴があいてしまい、病態が悪化してしまいます。


壊疽性虫垂炎は虫垂が壊死してしまい、炎症がお腹の中に広がってしまっている状態です。

細菌感染が重症化すると血液の中に細菌が入り込んでしまい(菌血症)、重症化すると敗血症という状態になってしまいます。


敗血症ではいわゆるショック状態となり(敗血症性ショック)、血液の循環が非常に悪くなってしまって命にかかわる事態となってしまうこともあり大変深刻です。



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虫垂炎の症状について

虫垂炎には「3大症状」なるものがあり、「腹痛」、「嘔吐」、「発熱」が挙げられています。


これらの症状はただの胃腸炎でも起こしてくることがあり、この3つがあるからといってすなわち虫垂炎だと診断することはできません。


腹痛の経過が特徴的で、はじめはへその周りに痛みが出てきますが、病状が進行するとともに右下腹部の辺りを押すと痛む(圧痛がある)というような経過をたどります。


圧痛を感じる点は右の腰骨(上前腸骨棘、袴の帯を締めるあたり)とへそとを結んだ線のへそ側3分の2のところで、これをMcburney(マックバーニー)の圧痛点と呼びます。


治療としては腹腔鏡を用いた手術や開腹術、抗菌薬の投与が行われますが、いずれにしても重症化してからでは手術も難しくなってしまうので、すぐに消化器外科を受診するようにしましょう。

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腸閉塞(イレウス)

イレウスは突然激痛が発生し、吐き気や嘔吐を伴う病気です。


その名の通り、腸が詰まってしまうものですが、原因としては腸管に腫瘍や便などがあったり他の臓器によって腸管が押しつぶされてしまったりしている機械的なものや血中カリウムが足りていないなどの機能的な問題があります。


特徴的な症状としてはその詰まっている部位に一致してお腹が張っている感じ(腹部膨満感)があることが多いです。


他にも腸が詰まってしまうということは便秘になったり、ガスも排出されないということになり、腸の血管や神経を圧迫してしまい腸管が壊死したり痛みが持続したりします。


お腹


診断としてはレントゲン検査で腸管にガスが溜まっていることを確認したり、CT検査によって腸管の血流が保たれているかどうかなどをチェックしたりします。

イレウスの治療は原則として絶食と腸管の安静です。

腸が詰まっているのにご飯を食べてしまうと症状が悪化してしまうためです。

その間は点滴によって栄養を補充します。

この保存的治療が無効な場合、すなわち手術後に腸管が癒着を起こしているケースや大腸がんなどが発生しているケースではそちらの原因に対する手術治療が行われることもあります。


特に大腸がんは患者数も多いため女性で特に注意が必要です。

便が詰まっていることが原因となっていた場合には再発予防として漢方薬(大建中湯)が処方されることがあります。



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まとめ

いかがだったでしょうか。

今回紹介させていただいた2つの疾患はごくありふれた疾患で、誰しもがなる可能性があります。

特に虫垂炎は細菌性腸炎との症状の違いが下痢の有無くらいしかなく、見逃されやすい疾患にも関わらずスルーしてしまうと死に至ることもある疾患なので「お腹がいたいだけだから」と我慢することなく病院を受診しましょう。



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