クレアチニンの正常値は?注意したい腎臓病と合わせて徹底解説!

女性


血液検査の中で「クレアチニン」というものを聞いたことがある方はそれほど多くないかもしれませんが、腎臓の機能を見るには重要な指標の1つです。

このクレアチニンの数値が正常範囲を超えてしまうと、腎臓に何かしらの疾患があるかもしれません。

そこでこの記事では、クレアチニンの正常範囲と気をつけておきたい腎臓病について紹介していきます。

クレアチニンとは

クレアチニンは筋肉を動かすエネルギーの元となる「クレアチン」という物質が運動によって代謝されることでできてくる老廃物のことです。

つまりは、身体にとって必要のない物質なので、体外に排出する必要があります。

この役割を担っているのが腎臓なのですが、腎臓病などによって腎機能が低下しているとクレアチニンを尿の中に濾しだすことができず、血液中に溜まってきてしまい、血液検査上クレアチニンが増加してしまいます。


そのため、腎臓のろ過機能がどれほど保たれているかをチェックするのに有用で、血液検査では男性で0.6~1.1、女性では0.4~0.8(単位はいずれもmg/dl)が正常範囲とされており、それぞれ1.6、1.2を超えてくると要注意とされています。


ただし、基準範囲というのは健常な人の95%がその範囲に収まるものとして設定されているものですので、基準から外れているからといって病気があるとも限りませんし、逆に基準範囲内でも疾患を有している可能性もあります。

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注意したい腎臓病

血中クレアチニンが高くなるということは腎臓の中のろ過装置がうまく機能できていないということを示しているので、ろ過装置の代表である糸球体に異常が起きているということになります。


糸球体に起こる病気として多いものは炎症で、急性糸球体腎炎慢性糸球体腎炎に大きく分けられます。

まずは急性糸球体腎炎について見てみましょう。

急性糸球体腎炎

急性糸球体腎炎は原因の約90%がA群β溶血性レンサ球菌の感染であり、溶連菌感染後急性糸球体腎炎とも呼ばれることがあります。


A群β溶血性レンサ球菌は主に喉に感染することで風邪のような症状を呈したり、高熱をきたしたりする細菌なのですが、この細菌に対して抗体ができて細菌と抗体が結合した状態(抗原抗体複合体)で腎臓の糸球体に付着することで腎炎を引き起こします。

喉などへの感染を上気道感染といい、上気道感染の数週間後に急性糸球体腎炎を発症します。


腎炎症状の前には身体のだるさや吐き気、嘔吐、下痢、便秘を生じ、その後むくみや血尿などが現れてきます。

診断としては腎機能検査や尿検査に加えて、A群β溶血性レンサ球菌が検出されることが重要です。

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慢性糸球体腎炎

慢性糸球体腎炎はいくつかの疾患の総称で、時間とともにじわじわと進行してくる腎炎のことを指します。

代表的なものはIgA腎症、巣状糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎、膜性腎症、などがあります。

IgA腎症

慢性糸球体腎炎の中でも頻度が高い疾患です。

IgAというのは抗体の種類で、主に分泌液中に含まれて外からの細菌の侵入を最前線で防ぐ役割を持っています。

しかしIgAのバリア機能が弱いと喉や気管支の粘膜に感染した病原体の一部とIgAが結合して免疫複合体を形成し、血流に乗って糸球体のフィルターに引っかかります。


ここまでは正常な反応ですが、この免疫複合体は数カ月かけて糸球体に炎症を起こして組織を壊していきます。

これによって腎炎を引き起こします。

原因は不明ですが20代前半に発症のピークがあります

無症状であることも多く治療も食事療法によって腎不全への進行と血圧の増加を抑制します。

巣状糸球体硬化症

男性


「巣状」というのは正常なものの中に異常なものが混じっているという意味です。

糸球体の一部が硬くなってしまいその部分での血液のろ過がうまくできなくなるため、短い経過で腎不全に進行してしまいます。

原因もよく分かっておらず、確立された治療もないというのが現状です。

膜性増殖性糸球体腎炎

糸球体は毛細血管からできていますが、この血管の壁に免疫系統の物質(補体)が沈着することで毛細血管壁が厚くなり、ろ過機能がうまく働かなくなる疾患で、国定の難病に指定されています。


症状としては、体のだるさやむくみなどが主で、患者の約10~20%に肉眼で見ても分かるほどの血尿が現れます。

進行が遅い割には経過が悪く、無治療で10年以上経過してしまうと半数以上が末期の腎不全となってしまいます。

治療法も未だ確立されていないまさに難病です。

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膜性腎症

膜性腎症も糸球体の一部に免疫複合体が沈着することで腎炎を引き起こす疾患です。

この病気での沈着場所は、糸球体の基底膜と呼ばれる部分になります。

症状としては足のむくみや体重増加、尿の泡立ち、疲労感などがあり、肉眼的血尿はあまり見られません。

無症状であることも多く、よくなったり悪くなったりを自然と繰り返しているケースもあります。

ただし、膜性腎症の影にはがんが隠れていることもあるので注意が必要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

腎臓は左右2つずつあるため腎移植なども行われていますが、片方でも無くなってしまうとろ過の効率が悪くなって、残った腎臓に負担がかかっています。


腎臓病も同じで悪くなった腎臓の分を正常な部分で補うため、少なからず腎不全に進行する可能性があるので早めに治療を開始しましょう。

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