上腕の痛みが治らない!ストレッチでも効果がないのはなぜ?

上腕の痛みが治らない!ストレッチでも効果がないのはなぜ?

腕の痛みというのは骨折などの局所的な傷害が原因となることもありますが、むしろ痛む部分とは別のところに原因があるものも多いです。

そこでここでは、疼痛部位と原因部位が離れている上腕の痛みについて紹介していきたいと思います。

頸椎椎間板ヘルニア

「ヘルニア」という言葉は多くの方が聞いたことのある言葉だと思いますが、本来は「ヘルニエーション(herniation)」という英単語です。

インターネットで調べると「ヘルニア形成」という意味が出てきて結局分からずじまいになりそうですが、医学的な用語としては「臓器の本来の位置からの脱出」ということでそれぞれの臓器が本来あるべき位置からずれたり抜け出してしまったりすることを指します。


子どもで言えば鼠径(そけい)ヘルニアも有名ですし、脳ヘルニアなどという状態もあります。

椎間板ヘルニアは背骨を構成している椎骨の間にある椎間板という組織の中身がヘルニアを起こしている状態です。

椎間板は本来クッションのような働きをしていますが、加齢とともに変性してしまいヘルニアを起こしやすくなると言われています。

背骨の中には脊髄という脳から伸びている神経の束があり、ヘルニアを起こした椎間板によって脊髄が圧迫されるとその圧迫された脊髄の高さ(首、胸、腰など)によってどのような症状が出るかが変わってきます。

この中で腕に症状をきたしてくるのは頸椎と呼ばれる、首の高さでの椎間板ヘルニアです。

腕への神経は脊髄からこの高さで枝分かれしているためで、頸椎は首の前後運動など常に圧力のかかる状態にあるため、症状としては他の部位と比べて早い時期に現れると言われています。

初めのうちは腕の症状だけですが、高度に進行すると頭部や脚にまで症状が現れることになります。

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変形性頸椎症

変形性の関節症は膝や股関節のもの(変形性膝関節症など)が有名ですが、使用頻度の高さから頸椎にも多く見られます。

先ほど椎間板は加齢によって変性するということをお話しましたが、それにともなって椎間板を挟んでいる椎骨の縁に「骨棘(こつきょく)」という骨の突出が形成されたり、骨同士がぶつかるような形ですり減っていくという一連の変化が現れます。

このことを変形性◯◯症とか変形性◯◯関節症といいます。

ここでは頸椎に起こるものを扱うので変形性頸椎症となります。

頸椎の変形によってヘルニアのときと同じように脊髄や脊髄からの枝分かれが圧迫されてしまうことで症状が現れてきます。

肩関節周囲炎

一般的に「四十肩」とか「五十肩」と呼ばれているものです。

もちろん若い人(筆者を含む)にも起こり得るものですが、多く見られる年代が40~50代のため、こう呼ばれています。腕は色々な方向にまわすことができますが、これは肩の骨(肩甲骨)と腕の骨(上腕骨)は皿とボールのような関係で、膝のように組み合わさった関節ではないためです。

それ故に多くの筋肉で2つの骨を繋ぐ必要があり、これらの筋肉や腱に炎症が起こってしまうと肩関節周囲炎の発症となります。

若い人の場合はストレッチ不足での激しい運動が原因となることが多いですが、中年の場合は腱などの老化が原因となっていることが多いです。

この疾患で気をつけたいのは発症直後は患部を冷やし、1週間程度経過後は患部を温めつつ積極的に腕を動かすようにするという点です。

冷却と温熱は炎症の過程からのことなので今回は省略させていただきますが、「積極的に動かす」というのは非常に重要なので解説しましょう。

痛みがあると腕を動かさないようになってしまいますが、これでは肩や腕に付着している筋肉が硬くなってしまい、返って動きが悪くなってしまうのです。

そのため、痛みの強い急性期は安静が必要ですが、ある程度痛みが取れてきたらストレッチも兼ねて意識的に腕を動かすようにしましょう。

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帯状疱疹

この記事を読んでいらっしゃる方の中にも「水ぼうそう」に罹ったことのある人は多いと思います。

症状は出ていなくても原因ウイルスに感染したことのある人もいるでしょう。

水ぼうそうの原因は「水痘・帯状疱疹ウイルス」というウイルスです。

名前からも分かる通り、このウイルスは帯状疱疹という疾患の原因ともなります。

水痘・帯状疱疹ウイルスは水ぼうそうを起こした後、神経に潜んでいます。

その状態で免疫力が低下すると今度は帯状疱疹を引き起こします。

帯状疱疹は帯状にできる湿疹が特徴的で、痛みを伴います。

この湿疹は水ぶくれからかさぶたを作って治っていきますが、これにはおよそ1ヶ月弱かかると言われています。

心筋梗塞

15分以上の左肩、左上腕の痛みがある場合には考えなければいけません。

心筋梗塞というと胸が急に痛くなるというイメージが強いかと思いますが、心筋梗塞の共通の特徴として「ここ」と指をさすことができず、「このあたり」と領域を指すことが多く、さらに顎や肩への痛みの放散が見られるというものがあります。

この疾患は発症から治療までの間が短ければ短いほどよい治療結果を得られるので、気になるのであれば医療機関を受診するようにしましょう。

まとめ

今回の記事では神経が元となって起こる疾患を主に紹介しました。

いずれも中年~高齢者に多く見られる疾患ですので、注意しておくと良いでしょう。

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