咳が止まらない、痰が絡む、でも熱はない!そんな症状の原因は?
咳が止まらない時は非常に苦しいです。発作のように出現しますので息もできないほど連発します。特に夜の就寝時に咳き込むことも多いので、中々寝つけないこともあります。
「咳を止めたい!」場合には、咳のメカニズムを理解した上で、その原因となる病気を治療することが適切です。ここでは咳や痰を理解し、その疑わしい病気をご説明します。
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咳はなぜ起きるのか。痰の役割は?
咳自体は、生体の正常な反射です。呼吸において鼻や口から吸い込んだ空気は、喉もとの喉頭を通過し、気管、さらに気管支に入り込み肺へ到達します。
これらの組織を一般に「気道」と言いますが、人間は空気以外の物質を気道に入らないように制御されております。咳はその制御反応のひとつであり、気道内の異物を体外に排出する運動を言います。
気道には神経が取り巻いており、気道内に異物が入ってきたことで神経が刺激され、脳にある咳中枢に異物情報が伝わることで「咳をするように!」と命令が下るのです。
一方、気道から分泌される粘液状の物質です。痰は分泌されることで気道内に入った異物を吸着して、咳などを通じて体外に排出するようにできております。これも人間の生体の正常な反応であり、痰は気道を守るものなのです。
痰は性質上、色や粘り気により病気が異なります。また、痰が絡んだ咳を「湿性咳嗽」といいますが、風邪症候群や気管支炎などの呼吸器感染症の可能性が最も高い症状です。
感染症は発熱症状を伴うことが殆どであり、熱がなく痰が絡む病気としては、こうした感染症の急性期症状が終えた時期の場合もありえます。これを「感染後咳嗽」と言います。
この感染後咳嗽以外にも咳や痰の症状を呈する病気がありますのでいくつか挙げてみます。
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1.アレルギー性気管支炎
ハウスダストや花粉などを吸引し、気道内で付着することで、アレルギー反応を示すことで起きる炎症です。夜間就寝時に咳き込むことがありますが、寝具のダニや埃を呼吸により吸引してしまうことによる咳の発作の可能性が高いと思われます。感染症ではないので発熱の症状は基本的にありませんが、まれに抗体反応による微熱が認められることもあります。
3.気管支喘息
気管支喘息においても咳や痰が出現します。どちらかというと気管支喘息の主症状としては、喘鳴という「ヒューヒュー」や「ゼーゼー」といった音が呼吸時に出現します。これは気管支が狭窄している状態で気道に空気が出入りすることで鳴る仕組みです。喘息も原因としてはアレルギーが関与していることがあり、ダニや埃で誘発されることから寝具の管理がとても重要になってきます。
他に寒い時期に冷たい空気を吸った時などに起きるので、マスクを着用するなりして、外部の環境に対応していく必要があります。
4.咳喘息
気管支の狭窄を伴わない発作性の咳が主体です。痰においては分泌される場合とされない場合があります。喉もとのイガイガ感で誘発されることもあり、発作時は呼吸ができないほど咳を連発します。
治療を行わず放置することで、気管支喘息に進行してしまうこともあり注意が必要です。
5.後鼻漏症候群
多量の鼻汁が気管に流れ込むことによって炎症を起こし、咳や痰の症状が出現します。これは前提として慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などによる鼻汁の過剰分泌が原因とされております。後鼻漏の反対は前鼻漏と言い、「ティッシュで鼻をかむ」という行為は前鼻漏の対処です。寝ている時は鼻をかむことができませんので、体位的にも後鼻漏となってしまうことから、夜や早朝に咳込むことが多い所以でもあります。
6.副鼻腔気管支症候群
慢性的な副鼻腔炎と気管支炎が合併した病気です。原因は明らかになっておりませんが、後鼻漏症候群の原因と同様な機序で咳や痰を誘発することがあります。7.肺癌
呼吸器の病気の中で最大の危険を呈する病気です。症状として咳や痰は当然ですが、その中でも血液の混じった痰が排出されることがあります。他に全身症状として貧血や体重減少があることから、元気がでない、立ち眩みがするなどの症状があれば注意が必要です。
以上が咳や痰の症状からみた代表的な病気です。
まとめ
今回は、止まらない咳について疑わる病気をご紹介しました。咳が3週間以上続く場合には、上記の病気を含む何らかの病気が隠されていることがありますので、病院にて医師の診察を受けることをおススメします。スポンサーリンク