手の指が冷たい!一本だけの場合はどんな原因か気になる!

手の指が冷たい!一本だけの場合はどんな原因か気になる!

手


よく冷え性などで手や足の指先が冷たいという方はいますが、指が1本だけ冷たいというのはあまり聞くことがなく不安になります。


全体的に冷たいわけではないので、冷たくなっている指に何か特別な炎症でもあるのかもしれません。

そこでこの記事では、指の冷えの中でも症状が指1本にしか見られないような原因について解説していきたいと思います。

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末梢神経障害

神経系を分類する時に、「中枢神経」と「末梢神経」というように分類することがあります。

中枢神経というのは脳や脊髄であり、末梢神経というのは身体の各部分に分布する神経を指しています。


さらに末梢神経を分類すると運動神経と感覚神経、自律神経という見方もすることができ、筋肉を動かすための運動神経と、温かさや冷たさ、触覚、振動覚を伝える感覚神経、身体の内分泌や各臓器の機能を調節する自律神経に分けられます。

糖尿病について

さて、末梢神経障害は様々な原因によって末梢神経の機能が傷害されてしまうことをいいます。

原因として多いのが糖尿病ですので、これについて少し詳しく説明しましょう。

糖尿病は患者数も多く、記事を読んでいる方の多くがご存知の疾患だと思います。


かつては「成人病」と呼ばれていた「生活習慣病」の一つで、高血糖を主体としています。

本来、人間には食事によって上昇した血糖を下げるために膵臓から「インスリン」というホルモンを分泌するという機能が備わっています。

ちなみに、血糖を下げる生理的なホルモンはインスリンだけです。

このインスリンの分泌が悪くなったり肥満によってインスリンが効きづらくなったり(インスリン抵抗性)することで血糖が高い状態が続くのが糖尿病です。


高血糖が持続するということは、体内にブドウ糖が余分に存在しているということを示していて、細胞の活動が狂ってしまいます。

これが神経細胞で起こると細胞内に、ソルビトール(甘味料としても知られています)という物質が蓄積され、神経が障害されてしまいます。

また、高血糖は指先などの細い血管(細小血管)の血流低下を引き起こし、神経細胞が必要とする酸素や、その他の栄養が行き届かなくなってしまうことによっても神経障害が引き起こされます。


糖尿病の末梢神経障害症状として知られているのは、初期に手足の冷えやしびれ(感覚神経障害)から始まり、次第に便秘や下痢、勃起障害といった自律神経障害、感覚神経障害による痛覚の鈍りなどが現れてきます。


痛覚の鈍りが現れると、先ほどの細小血管の血流低下による壊疽(体の一部が腐ってしまうこと)に気づかなかったり、ケガに気づくのが遅れてしまったりして、その部分から感染が広がってしまうと大変なことになります。


そのため、糖尿病患者の方で末梢神経障害が現れた場合には「血糖コントロールが悪い」と怒られるのが怖いかもしれませんが、早めに主治医の先生に報告することが重要です。


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振動障害(白蝋病)

あまり聞き慣れない病気かもしれません。

振動障害は身体の一部が機械の振動を受け続けることで生じる末梢(腕や脚、特に手足)の循環・神経障害、運動器傷害を含んだ疾患概念です。

手に症状が現れる場合にはチェーンソーやグラインダー、削岩機、エアレンチなどが考えられます。


機械の振動によって上記の障害が起こってきますが、「手の指が冷たい」という症状は末梢循環障害によるものであると考えられます。

初めは寒い時期に指がよく冷えたり、指を冷やしてしまったりした時にしびれを感じるという症状が見られます。

この状態で機械を使い続け振動に曝され続けると「レイノー(Raynaud)現象」という症状が現れてきます。(この症状については後で詳しく解説します)


レイノー現象が現れるのは振動を最も強く受ける指であり、進行するに連れて指先だけだったのがその指全体に、そして他の指にも広がっていくというものです。

このとき、親指に現れるのは珍しく、現れるとしたら他の4指の後になり、親指にレイノー現象が見られる場合にはすべての指に出現しています。

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レイノー現象について

さて、レイノー現象についてですが、これは寒冷刺激(寒い空間にいる、冷水に漬けるなど)にさらされると指が蝋のように白くなり、刺激から遠ざかると赤紫色を経て元の色に戻るという一連の現象です。


機械などを使う方であれば寒い時期の早朝に作業をしていたり、雨が降る中作業をしたりすることで現れることになります。

このレイノー現象は振動障害において比較的特徴的であるため、この症状が現れているかどうかが振動障害の鍵になります。


しかし、レイノー現象はどちらかと言うと膠原病(全身性エリテマトーデスや関節リウマチなど)やバージャー病、閉塞性動脈硬化症、真性多血症といった他の疾患でも見られるものなので、医療機関できちんと診断される必要があります。

また、振動障害は労災の一つなので、この面からも診断がつけられるというのが重要になります。


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まとめ

いかがだったでしょうか。

2つの疾患について見てきました。

振動傷害は職業病とも考えられるもので、作業を続けている限りは回復しません。

また、糖尿病は患者自身の自覚と治療参加が改善への道ですので、地道ではありますが治療には真面目に取り組むようにしましょう。


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