握力がなくなる病気!突然手に力が入らない症状に注意!
手というのは我々が生活していく上で無くてはならないものですが、急に力が入らなくなってきたという症状のある方はいらっしゃらないでしょうか。
使いすぎによるものであれば、痛みが出てこれ以上動かせないというような症状になりますが、力が入らないといった場合には他の原因が考えられます。
手の握力が無くなるとそれが両手でも片手でも非常に不便なことですし、何より何が原因で握力がなくなってきたのかが心配になります。
そこでこの記事では、握力が低下してしまう疾患について気をつけたいものを4つ紹介していきたいと思います。
頚椎症性神経根症
頚椎症とは首の骨に発生した変形性関節症のことで、骨に棘のようなものができたりする疾患です。首の骨から背骨にかけては脊柱と呼ばれ、脊椎という骨がいくつも連なって構成されているのですが、椎骨には穴が開いておりその中を脊髄という脳からの神経の束が通過しています。
脊髄からは腕や足、体幹への神経が枝分かれしていて、首のところの脊髄からは上肢に行く神経が出ています。
頚椎症によって、この神経が根元から圧迫されてしまうことにより、手のしびれや握力の低下が起こってきます。
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頚椎ヘルニア
広い意味ではこれも神経根症に含まれてきますが、ヘルニアというよく知られた疾患名ですのであえて分けて説明していきます。ヘルニアというのは臓器が本来ある位置から脱出してしまった状態のことで、頚椎ヘルニアは腰椎ヘルニアと同様に、椎間板が椎骨の間からはみ出してしまっているものです。
頚椎ヘルニアは、首をずっと前に倒しているような姿勢を続けていたりすると徐々に発症してきます。
ただし、若い人ではめったにヘルニアを起こすということはなく、歳を取るにつれて椎間板が変性を起こし発症すると言われています。
首を後ろや斜め後ろに反らせると痛みやしびれが悪化することが特徴で、診断としてはMRIをつかって脊髄や神経の根元の圧迫を確認することで行います。
治療は首を安静にし、痛み止めや神経ブロックによって痛みの軽減を図ります。
症状が良くならず、筋力低下が続く場合には手術が行われることもあります。
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脳梗塞
脳梗塞というと片側の手足に麻痺が現れて顔の一側が脱力したようになったり、ろれつが回らなくなったりといったイメージが有ると思いますが、実際には手のしびれなどで病院に「歩いて」行く人も少なくありません。最近ではゲームセンターのリズムゲームで以前できていた難易度ができなくなったという訴えで受診し、脳梗塞が見つかったという例があります。
もちろん、テレビコマーシャルでやっているような症状が現れた場合は一刻を争うような事態なのですぐに救急車を呼ぶべきですが、握力低下となると整形外科的な疾患が頭に浮かんで受診が遅れてしまうということがあります。
身体を動かす命令を出している脳の領域を運動野と言いますが、これは脳の全体にあるわけではなく前頭葉の一部を占めているにすぎないので、この領域への細い血管がなんらかの原因で詰まってしまうと手や脚に限局した症状を呈してくることが考えられます。
もっと太いところで詰まってしまえばより広い範囲の血流が遮断されてしまうので片手脚同時といった症状となります。
近年の脳梗塞の原因として最も多いのは、高脂血症や糖尿病といった生活習慣病による血管の障害ですので、習慣的な運動と節度ある食事が重要です。
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ALS(筋萎縮性側索硬化症)
「アイス・バケツ・チャレンジ」で話題となりました。過去にもメジャーリーグのルー・ゲーリッグという選手が罹患したことでアメリカでは有名な疾患です。
この疾患は運動系が広く障害され、全身の筋肉が動かなくなってくるもので、最終的には呼吸をするための筋肉(横隔膜、肋間筋)が働かなくなることによる呼吸不全を起こして亡くなってしまいます。
病状としては一側上肢遠位手内筋の筋力低下、すなわち片方の手の握力の低下から始まり、やがて両手、体幹近く、舌へと麻痺が広がって四肢麻痺状態となります。
逆にALSで呈さない症状としては感覚障害や眼球運動障害、褥瘡(とこずれ)があります。
ただし、ごく一部のALSではこれらの症状も出現することがあるようです。
日本においては三重県と和歌山県の南部(いわゆる紀南地方)に多く発症すると言われていますが、約90%には遺伝性が認められません。
国の指定難病に指定されているため申請すればそれほど高額な医療費とはならず、リルゾールという薬を使って進行を遅らせることができます。
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まとめ
いかがだったでしょうか。握力の低下という運動系の症状ではありますが、根本を突き詰めていくと脳神経が障害されていることが多いです。
ヘルニアに関しても椎間板の脱出という意味では外科的な疾患ですが、脊髄や神経の圧迫という側面から見ると、これも神経が関係しているということが分かっていただけると思います。
今回紹介した中には、生活習慣を改めることで予防ができるものもいくつかあるので、試していただけると幸いです。
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