手首の骨の出っ張りは病気?痛みや変形の原因を解説!

手首の骨の出っ張りは病気?痛みや変形の原因を解説!

手首


手首は日常生活に欠かせないもので日頃からよく使う部位ですが、ふと気が付くと骨が出っ張っている感じがするとそれ以降は気になってしまい、それまでと同じ動作ができなくなってきます。


また、痛みを伴う場合には日常生活にも支障が出てしまいます。

そこでこの記事では、骨が出っ張っているようにみえる疾患について紹介していきたいと思います

ガングリオン

ガングリオンというのは、内部にゼリー状の物質が詰まっている腫瘤(できもの)です。

典型的には手首の手の甲側にできることが多く、他にも手首の親指側などにも見られます。

大きさは米粒くらいのものから、ピンポン玉くらいのものまであり、硬さも柔らかいものから硬いものまで様々です。

通常は無症状です。


しかし、神経の近くに発生するとその神経を圧迫してしまってしびれや痛み、運動麻痺などが起こってきます。

ガングリオンは、元々関節を包んでいる靭帯(関節包と言います)や筋肉の腱を包んでいる腱鞘が袋のように部分的に膨らむことで発生します。


これらの部分には、関節や腱の動きを良くするために滑液という潤滑油のようなものが入っていて、これがガングリオンの袋に入り濃縮することでゼリー状となります。

治療としては腫瘤があるだけで痛みや神経麻痺が見られない場合は放置をしても構いませんが、症状がある場合には注射器を用いてガングリオンの中身を吸い出すことになります。

これを何回か繰り返すうちに治っていくこともありますが、効果があまり無い場合は手術を行うこともあります。


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腱鞘炎

腱というのは筋肉と骨をつなげている線維からなる組織で、これを包んでいる、または浮き上がらないように押さえつけているのが腱鞘です。

この腱鞘が何らかの理由で炎症をおこすものを腱鞘炎と呼んでいます。


特に、手首は腕から多くの筋肉(指の曲げ伸ばし、手首の曲げ伸ばしなどを行っています)が通っているため、腱鞘炎が起こりやすい部位です。

腱鞘炎は力のかかりすぎや関節の使いすぎで起こるため、事務作業に従事している方など手を酷使する傾向のある人が発症しやすいと考えられます。

腱鞘炎が疑われた場合、発症早期には冷やし、発症数日後に痛みが引いてきたら温めるという炎症の基本対処を行います。


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豆状骨骨折

前腕の骨と指の骨は直接関節を作っているのではなく、手根骨という8つの骨が手首の関節と指との関節を作っています。

「父さん月収大小ありあり」なんていう覚え方もありますが、手首の内側手首側から反時計回りに豆状骨、三角骨、月状骨、舟状骨、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨となっています。

手を強くつくなどの衝撃が加わると豆状骨が折れてしまうことがあります。

豆状骨には小指を他の指から離す(パーの形)筋肉や、手首を小指側に曲げる筋肉が付着しているため、骨折の向きによってはこれらの動きによって痛みが誘発されます。

よく捻挫と間違われて過ごされてしまうことがあるので注意しましょう。


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TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷

TFCCというのは小指側にある軟部組織で、三角繊維軟骨という軟骨とその周囲にある靭帯から構成されているもので、TFCCが損傷されるのがTFCC損傷ということになります。

TFCC損傷はテニスやバドミントンなど、ラケットを使うスポーツをやっている人に多く見られます。

これはフォアハンドでトップスピンをかけるときに、TFCC部分に圧縮力がかかり、損傷が起こると考えられるためです。


また、豆状骨骨折と同じように手を強くついたときに発症したりします。

症状としては手に力が入りにくかったり、手首を外側に返した(小指側に曲げる)ときに痛んだりなどがあります。

整形外科を受診することが多いと思いますが、TFCCはレントゲンに写らないので「異常なしと言われてしまうこともあります。

その点、MRI検査では損傷部位を見ることができるので診断には有用となります。


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骨軟骨腫

これは長管骨(腕や脚などの骨)の成長軟骨周囲にできる良性の腫瘍です。

骨の外側に向かって盛り上がるように大きくなることから「外骨腫」と呼ばれることもあります。

骨軟骨腫は比較的発生頻度が高く、良性骨腫瘍の中でも約33%と最も多いです。


10代での発症が多く、やや男性の頻度が高いです。

原因としては完全に解明されているわけではありませんが、単発性のものには遺伝子の突然変異が原因の一つであるということが明らかになってきています。

症状としては、関節近くの硬い隆起が主で、関節を動かしたときに痛みが出ることもあります。

多発した場合には関節変形をきたすことも多く、手首の内側にできた場合には手首の関節の変形の原因にもなります。

治療は原則として手術による腫瘍の切除で、適応は痛みによる日常生活の障害があること、整容上の理由、関節変形を起こしかねない場合などが挙げられます。


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まとめ

いかがだったでしょうか。

いずれも整形外科疾患を紹介しましたが、中でも骨軟骨腫は急速に大きくなったり、痛みが悪化したりする場合には悪性化も考えられるので、早く医療機関を受診したほうが良いでしょう


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