大人で40度以上の高熱が下がらない原因や対処法は?
季節の変わり目などで体調を崩される方は多く、中でも風邪を引いて熱を出すというケースが大きな割合を占めます。
この熱というものは、風邪程度ではそれほど怖いものではないですが、高熱だったり長期間続くとなると風邪ではない、何か別の病気である可能性があります。
さらに、子どもの場合は親が心配してすぐに病院に駆け込むので、早期からの治療を受けられるパターンが多いですが、大人の場合は休めない仕事や大したことないと思って放置してしまうこともあります。
そこでこの記事では、大人が40度以上の高熱を出した時に疑う病気と、高熱への対処法について解説いたします。
インフルエンザ
この記事を読まれている方の中にも、インフルエンザにかかったことがある人は沢山いるかと思いますが、ここでもう一度おさらいをしていきましょう。この病気はインフルエンザウイルスに感染することで発病します。
特徴としては発熱に加え、体がだるい感じがしたり、筋肉痛、関節痛を伴うことが挙げられます。
インフルエンザは気管支炎や肺炎、最悪の場合には脳炎に進展することがあるので注意が必要です。
インフルエンザに対してはワクチンがありますが、「ワクチンを打ったのにインフルエンザにかかった」という人も沢山います。
これは、ウイルスにはいくつも種類があり、毎年どのタイプが流行するか予想してワクチンを作っているので、外れることもありますし、そもそもインフルエンザワクチンは感染を防ぐものではなく、脳炎など重症化を防ぐものなので、ワクチンを接種してもインフルエンザにかかってしまう可能性は低くはなりません。
しかし、症状が軽く済むことが多いので予防接種をする意味はあるということになります。
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細菌性肺炎
発熱に咳と呼吸困難を伴う場合に疑われます。10代から30代のいわゆる若年者では、マイコプラズマという病原体が原因となっていることが多いです。
このマイコプラズマ肺炎自体はそれほど恐ろしいということはなく、むしろこれに続発する別の感染症の方が重症であるケースもあります。
急性扁桃炎
発熱に喉の痛みを伴う場合に疑われます。口蓋垂(のどひこ、のどびこ)の脇にある扁桃という部分が腫れていることが特徴です。
この腫れは自分では確認しにくいので、他人に見てもらいましょう。
扁桃の腫れによる自覚症状としては食べ物が飲み込みにくいという物があります。
また、口の中を覗いてもらった時に水疱が見られた場合は「手足口病」や「プール熱」という病気の可能性もあります。
こちらは基本的に子どもの感染症ですが、大人もかかってしまう場合があります。
関連記事:扁桃腺が腫れる原因は?大人でも発症する可能性があるので注意して!
細菌性髄膜炎
今回紹介する病気の中で最も重症度が高いです。発熱に加え、うなじの中の激しい頭痛がある場合に疑われます。
悪寒を感じる方もいます。中には数時間で死に至ってしまう急性劇症型細菌性髄膜炎というものもあるので、早急な対応が必要です。
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A型急性肝炎
発熱に腹痛を伴う場合に疑われます。輸血で問題になったC型肝炎とは異なり、東南アジアやアフリカなど衛生環境の悪い地域に旅行した際に、ウイルスに汚染された食事を口にすることで感染し、発症します。
感染成立から発症までの時間が(これを潜伏期間といいます)約1ヶ月と長いので、問診の際には旅行という情報が非常に重要になります。
急性腎盂腎炎
この病気は圧倒的に女性に多いですが、男性でも発症しえます。腎という言葉から連想できるように発熱に加えて頻尿や背部痛を伴います。
尿路結石などにより腎臓に細菌感染を起こすことが原因で、大腸菌などが起因菌になります。
関連記事:腎盂腎炎と膀胱炎の違いが知りたい!症状から違いを探る!
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熱への対処法
発熱があるということは、病原体から体を守るという意味では正常な反応で、むやみやたらに熱を下げようとするのはあまり得策ではありません。しかし、あまりに熱が上がってしまうと逆に身体に悪影響を及ぼしてしまいます。
一見矛盾しているように見えますが、それくらい人間の体は絶妙なバランスの上に成り立っているということです。
身体を効率的に冷やすためには、大きい血管が通っている所を積極的に冷やしていくことがおすすめです。
具体的には脇や股、首などです。
また、熱が出ると汗をかいてしまいます。そのため、水分補給も大事になります。
その際にはただのミネラルウォーターを飲んでしまうと体内のナトリウムやカリウムといった電解質の濃度が下がってしまって、脱水症状を助長してしまうので、経口補水液や食塩水など電解質を含んだ飲み物を摂取しなければなりません。
関連記事:熱中症で高熱が出る原因は?対処法や予防法も気になる!
まとめ
大人の発熱の主な原因と、発熱への対処法について解説しました。今回ご紹介した病気はいずれも感染症になりますので、基本的には病院での治療になります。
上記で示したものはあくまでも症状に対する治療(対症療法)で、根本的な治療は抗生物質(現在は抗菌薬、抗ウイルス薬と呼びます)ですので、できるだけ早く医療機関を受診することをおすすめします。
たかが熱と見くびらず、背景には死に至る病気があることもあると心得ておきましょう。
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