息切れの症状は心臓病だけではない!気になる病気を解説!
「呼吸が苦しい」「胸が痛い」「息が上がる」という症状があるときは、生命の危機と直結した症状であると思い込んでしまいとても不安になるものです。
もちろん、緊迫した状態のときは病院へ行くのが一番ですが、どういう病気があるのかを、ある程度知っておくといざという時に焦らずに対処できるかもしれません。
「呼吸が苦しい」「胸が痛い」といった症状があるとき、疑われる病気の種類は、大きく5つに分かれます。
- 呼吸器の病気(風邪、肺炎、喘息など)
- 循環器の病気(心不全、狭心症、心筋梗塞など)
- 消化器の病気(逆流性食道炎など)
- 自律神経の病気(自律神経失調症、過換気症候群など)
- 神経、筋肉、骨の病気(肋間神経痛、肋骨骨折など)
この記事では、それぞれの病気の症状を見ていきます。
目次
呼吸器の病気
まず、呼吸器の病気の場合です。風邪だと、咳や頭痛や熱などの症状で3~4日で治ります。
息苦しさや咳や痰などが長く続いている場合は、肺炎やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、喘息を起こしている場合があります。
子供や高齢者は、免疫力が低下しているときなどの急変の恐れもあるため、注意が必要です。
また、気胸や胸膜炎、急性肺血栓塞栓症といった深刻な病気の場合もあります。
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循環器の病気
次に循環器の病気の場合、息苦しさ(息が上がる)以外にも胸の痛み、背中が痛いなどの症状が出ます。狭心症の場合、胸部中央から左側にかけて絞めつけられる感じや圧迫感があります。
また、背部痛があることもあります。数分から15分程で痛みは消失します。
急性心筋梗塞の場合は、狭心症より激しい胸痛が30分以上続き、呼吸困難、意識障害に至ることもあります。
また、急性心不全の場合も、激しい呼吸困難、咳、時に泡のようなピンク色の痰で発症します。
ほかにも、ウイルスや細菌感染によることが多い心筋炎があります。心筋炎の症状は、咳や発熱、鼻水や、軽いものは動悸や胸部の不快感などの症状が現れます。心膜炎を合併すれば、胸の痛みもあります。
関連記事:胸の圧迫感と息苦しい感じが続く!原因を解説!
消化器の病気
消化器の病気の場合、逆流性食道炎が疑われます。
逆流性食道炎とは、胃液や胃の中で消化されている途中の食べ物が逆流し、胃液などの刺激によって食道が炎症を起こしてしまっている状態のことです。
胸の痛みや、喉の痛み、声枯れ、胃の痛みなどがあります。
げっぷが増えて嘔吐しやすくなったり、背中が痛むこともあります。強い酸が食道から喉の付近まで上がってしまい空気の通り道に炎症を起こし、息苦しくなります。
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自律神経の病気
自律神経失調症の症状で、左胸のあたりがチクチク痛むことがあります。心臓の病気かと勘違いしそうですが、痛み方には多少の違いがあるとされています。
狭心症の場合は、心臓をぐっと押しつぶされたような感覚で比較的広い範囲に痛みがあるのが特徴です。
過換気症候群とは、急に息が苦しくなって動悸、頻脈、めまいや手足のしびれなどが起きます。
ときにはけいれんや意識消失を引き起こします。これらは、ストレスや不安が原因です。
大半は、30分ほどで自然に軽快します。あくびやため息がいつもより多いときは過呼吸の前触れの時がありますので、過換気発作を繰り返す人は、注意が必要です。
関連記事:急に息苦しくなるのは心の不安が原因?動機や手の震えにも超注意!
神経、筋肉、骨の病気
神経、筋肉、骨の病気の場合も、胸の痛みや背中の痛みを感じます。代表的なものが肋間神経痛です。
ストレスが原因とされていて、背骨からあばら骨まで出ている神経が、神経系のストレスにより筋肉を圧迫され刺激されて痛みがおきます。
肋骨骨折の症状は、骨折している部位の痛みと圧痛(押したときの痛み)があります。
胸部の外傷として多くみられますが、大きな外傷で肋骨骨折が生じた場合は肺や心臓、太い血管を傷つけてしまう可能性があり、そういった場合は、命に関わります。ひどい場合には手術が必要になります。
それぞれの症状の予防と対策は?
呼吸器の病気への対策
呼吸器の病気の場合、風邪から肺炎や喘息を引き起こすことが多いので、普段から免疫力を高め、風邪をひきにくい身体にすることが一番の対策となります。40歳以上の男性やたばこをよく吸う人、階段を上がると息が苦しくなる(息が上がる)人は、COPDへの注意が必要です。
予防のためには、腹式呼吸の練習をしたり、適度の運動で呼吸機能を高めることが大切です。
すでに症状がある人は、病院受診し、医師の指導のもとで運動しましょう。
循環器の病気への対策
循環器の病気の場合は、生活環境を見直すことから始めましょう。- 食生活の改善(塩分、糖分、脂肪分を摂りすぎない、バランスのよい食事の摂取をする)
- 適度な運動(肥満予防をする)をする
- ストレスを避け、規則正しい生活をする
- 血縁者に心疾患にかかった人がいたら、特に生活習慣に注意する
- 禁煙
上に箇条書きしたことにプラスして、普段から高血圧の人はカリウムを十分に摂りましょう。
体内のミネラルの一種であるカリウムは、摂取が多いと血圧を下げる働きがあります。野菜、豆、果物に多く含まれています。
消化器の病気への対策
逆流性食道炎の予防には、酸の分泌が増えるコーヒーや、食道粘膜に刺激を与えるアルコールを控えることや、食後すぐに横にならないことが挙げられます。自律神経の病気への対策
自律神経の病気に関しては、精神的なストレスに強くなることです。運動や音楽を聴いてリラックスすること等、ストレス解消法をみつけましょう。また、カルシウムには神経の働きの緊張を鎮め、イライラを抑える効果があります。牛乳やヨーグルトなどの乳製品、小魚などを積極的に食べるようにしましょう。
神経、筋肉、骨の病気への対策
神経痛や骨に関しては、やはり食事に気をつけることです。骨にはカルシウム摂取。神経痛には、血行促進に効果のある食べ物を食べること良いです。ビタミンAやCの豊富な緑黄色野菜、EPAやDHAが多く含まれている青魚、ビタミンEが豊富なゴマやナッツ類をなるべく多く食べるようにしましょう。
普段からよい姿勢を保つことも大切です。身体に負担がかからないように努めましょう。
関連記事:左胸が痛い原因は?ズキズキする5つの病気を詳しく解説!
まとめ
生活環境や食生活を見直してみることが、様々な深刻な症状や病気の予防につながります。息苦しさを感じたり、すぐに息が上がる症状を感じた場合は、心臓の疾患など命にかかわる重篤な病気の可能性もあります。
おかしいと思ったときは、すぐに病院での診察を受け、的確な診断をしてもらうことが大切です。
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