脇の下のしびれるような違和感の原因は?しこりが無くても危険?
よく、寝っ転がってテレビを見たりなどしていると腕がしびれてくることがありますが、これは二の腕などの圧迫を解除するとすぐに解消されます。
ですが、しびれや痛みがなかなか取れないという場合には不快ですし、何より心配になってしまいます。
そこでこの記事では、脇の下がしびれる症状について解説していきます。
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帯状疱疹
子どもの頃に水ぼうそうになった方は多いと思いますが、帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスによって引き起こされる疾患で、身体の片側に痛みのある発疹が帯のようになって現れるものです。原因となるウイルスは「水痘・帯状疱疹ウイルス」になります。
このウイルスは水ぼうそうを起こした後、神経節というところに潜んでいて、加齢やストレス、疲労によって免疫力が低下したときに活性化して帯状疱疹を起こしてきます。
ウイルスが潜む神経節は身体の至る所にあり、その場所によって発疹が出る場所が決まってくるので、ある人は顔面に、ある人は体幹に発生します。
また、帯のような発疹に加えてポツポツと全身性に発疹が出ることがありこれを汎発性帯状疱疹といいますが、これはウイルスが全身に回ってしまっているような重症な事態が予想されるため、早急に医療機関を受診する必要があります。
帯状疱疹はその特徴的な症状から簡単に診断がつき、抗ウイルス薬や痛み止めが処方されます。
痛みがひどい場合にはペインクリニックが紹介され、鎮痛のための専門的な治療も検討されることがあります。
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帯状疱疹後痛
帯状疱疹自体も痛みを伴いますが、発疹が消えた後も痛みが残る場合がありこれを帯状疱疹後神経痛といいます。帯状疱疹によって神経が受けたダメージが残っていることが主な原因で、帯状疱疹の痛みが強かった場所や高齢者、顔面に起こったもので起こりやすいと言われています。
痛みとしてはチクチク、ビリビリとしたものが見られ、触られている感覚(触覚)が鈍くなったり少し触っただけでも激痛が起こってきます。
徐々に良くなっていく場合が多いですが、長期に渡って痛みが続いてしまうこともあります。
診断としては帯状疱疹が出現していたことが重要です。
帯状疱疹と同様に鎮痛薬が用いられます。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やプレガバリン(神経障害性疼痛治療薬)が代表的で、NSAIDsは痛みの原因物質であるプロスタグランジンという物質の産生をブロックすることにより、プレガバリンは神経の過剰興奮を抑えることにより痛みを緩和します。
また、抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は本来身体に備わっている痛みを抑制する経路(下行性疼痛抑制系)を活性化することで痛みの感じ方を和らげるので、処方されることもあります。
決して患者さんがうつ病であるという診断を下したわけではないので安心してください。
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肋間神経痛
あばら骨の裏側には動脈と静脈、そして神経が通っています。この神経を肋間神経といい、この神経の痛みを総称して肋間神経痛と呼びます。
肋間神経は背骨(椎骨)の中を通っている神経の束(脊髄)から枝分かれした神経で、腫瘍や肋骨の骨折、椎間板ヘルニアなどによって物理的に圧迫されることで痛みを感じたり、胃や心臓の痛みがあたかも肋骨あたりの痛みのように感じる関連痛であることもあります。
もちろん、先ほどの帯状疱疹後神経痛も肋間神経痛に含まれています。
痛みの特徴としては肋骨に沿って生じることで、深呼吸や小さな姿勢の変化でも強くなり、その持続時間は急激に短時間であったり長時間続いたりなど様々です。
肋間神経痛を診断するのには他の疾患を除外することが重要です。
例えば狭心症や心筋梗塞では左胸の痛みを表してくることが多いですし、その他肺炎や胸膜炎なども胸痛をきたすので、心電図検査や胸部レントゲン検査を行うことでこれらの疾患ではないことをしっかりと確認します。
帯状疱疹後神経痛などは簡単に診断がつけられますが、肋骨の骨折や変形、腫瘍の発生はレントゲンやMRI検査を行わないとわかりません。
検査が多く少し面倒ですが、受けるようにしましょう。
特に、高齢の方では咳やくしゃみをしただけで肋骨が折れてしまうことがあるので「いつから」痛むのかという問診も重要になります。
治療は原因となっているものの治療を行います。
骨折や腫瘍では固定術や切除術などが選択されることが多いです。
その他の場合であれば痛み止めの服用をしたり、痛みがひどい場合には神経ブロックという注射を行い痛みの緩和を目指すこともあります。
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まとめ
いかがだったでしょうか。今回ご紹介した疾患はいずれも体幹の神経の障害によって痛みやしびれを引き起こすものです。
脇の下に限って発症するものではありませんが、あくまでも脇の下に発生することがあるというようなイメージで捉えていただきたいものです。
緊急性の高いものはありませんが、もし心筋梗塞などの重大な疾患であった場合命に関わることもあるので正確な診断のためにも病院を受診することをおすすめします。