寒い冬や冷房で眠くなる理由は?光を浴びると解消できる?

寒い冬や冷房で眠くなる理由は?光を浴びると解消できる?

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冬になると睡眠時間が長くなったり、日中に眠気を感じることが多くなったりする方は多いと思います。

仕事や勉強に集中できなかったり、眠りにつくのが早くなります。

この現象を不思議に思う方は少なくないでしょう。

そこでこの記事では、冬場に眠くなる理由について解説していきたいと思います。

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神経の働き

ヒトの身体には「交感神経」というものと「副交感神経」というものが備わっています。

名前くらいは聞いたことのある方が多いのではないでしょうか。

この2つの神経はお互いに正反対の働きをしています。

交感神経は緊張していたり興奮していたりするときに活発になる神経で、心臓の拍動が速くなったり汗をかいたり、眠気をあまり感じなくなったりします。

また、集中するときにも交感神経が働くので、授業中に眠くなるという方はあまり集中できていないということですね。

一方で副交感神経はリラックスしているときにはたらく神経で、心臓の拍動は遅くなり、眠気も現れてきます。

交感神経と副交感神経はどちらかがはたらいている時にはもう一方のはたらきは弱まりバランスを取っています。

そして、眠いと感じる時には交感神経よりも副交感神経のほうが優位にはたらいているということが言えまず。

では、なぜ冬には眠くなりがちになってしまうのか、つまり副交感神経のはたらきが強くなってしまうのかというと、冬場は暖かい室内にいることが多いためです。


外に出ている間は寒いので体温を上げるために交感神経が活発になって心拍を上げるので眠くなることはあまりない(遭難したときなど体温が下がりすぎて眠くなることはあります)のですが、そこから暖かい部屋の中に入ると反動で身体は一気にリラックス状態になってしまいます。

そうなると眠気が襲ってくるということになります。

さらに、冬場は外に出るのも億劫になるので室内にいることが多くなりがちです。

これらの要因から冬場に眠気を感じることは多くなります。


関連記事:自律神経がおかしい(乱れる)原因と整える4つのコツを解説!

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季節性うつ病(冬季うつ)

うつ病というと真面目で正義感の強い会社員が抱え込んでしまって発症してしまうというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、うつ病にも「メランコリー型」というものや「仮面うつ病」というものなど、色々なタイプがあります。

季節性に見られるうつ病もあり、冬場に発症するものでは「冬季うつ」があります。

その名の通り症状が現れるのが冬に限られているうつ病で、20代から30代の女性に多く見られます。

冬季うつを発症する原因は主に「日射量不足」です。

植物じゃないんだから日光を浴びないくらいで、身体に不調が現れるわけがないと思われるかたもいるでしょう。

しかし、人間の体は思っている以上に日光の影響を受けます。

まず、多くの人間の体内時計は時間にして24時間を超えており、これをリセットするためには日光を浴びる必要があります。

また、ビタミンDは日光を浴びることにより体内で作られます。


関連記事:いっぱい寝たのに眠い理由は病気?3つの原因と対処法を解説!

セロトニンとメラトニンについて

そしてうつ病の発症に関しては日光と深い関係にある「セロトニン」という物質と、「メラトニン」という物質が関わっています。

セロトニン不足はうつ病発症の直接の原因であり、これ自体は主に精神的に安定するための物質です。

普通のうつ病の治療もセロトニンに焦点を当てた薬剤が用いられています。

メラトニンは睡眠と覚醒のリズムを作る物質で、睡眠中に分泌が最大となり、日光のある昼間は少なくなるということが分かっています。

日光を浴びると脳の中ではセロトニンの作用が強くなり、メラトニンの産生は抑制されます。

これが日光を浴びると気分が良くなると感じる理由です。

しかし、冬は日照時間が短く、セロトニンの作用が弱いままになってしまうためにメラトニンが通常の昼よりも作られやすい状況になり眠気を感じるようになったり、うつ状態になったりします。

症状は通常のうつ病とは反対で、睡眠時間の増加、食欲増加、体重増加が見られます。

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冬季うつの治療方針

冬季うつの治療方針は「光を浴びること」です。

といっても冬場は日照時間が少ないですから、人工的な光を利用します。

冬季うつの治療を目的とした製品も販売されており、インターネットを通じても購入することができます。

通常は治療開始から1週間程度で効果が見られてきますが、中断してしまうと再発することも多いのでできるかぎり継続するほうが良いでしょう。

詳しい使い方については精神科の先生から説明を受けることになります。


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まとめ

いかがだったでしょうか。

冬と眠気の関係について見てきました。

室温による眠気は暖かい部屋が悪いというわけではなく、生理的な反応なので多少は仕方がないでしょう。

しかし、あまりにも眠くて仕事や勉強に支障が出る場合には、軽い運動を行って交感神経を活発にしたり、思い切って仮眠を取ったりするのも良いでしょう。

また、冬季うつの予防のためにはとにかく日光を浴びることが重要ですので、朝起きたらまずカーテンを開ける癖をつけると良いでしょう。


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