鼻水が固い!喉に落ちてきて息苦しいのは鼻の病気が原因かも!?
通常、鼻水は鼻に入ってきた異物を絡めて体外に排出するために鼻穴から出てきますが、鼻に何かしらの病気があると鼻水が喉の方へ落ちてきてしまうことがあります。
これを後鼻漏といいますが、鼻の奥が詰まってしまうと非常に息苦しい状態となってしまいます。
そこでこの記事では、後鼻漏をきたす疾患について、3つほど紹介していきたいと思います。
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副鼻腔炎
ヒトの頭は身体の部位の中で最も重い部分で、少しでも重量を軽くするべく頭の骨には空洞が作られています。この空洞を副鼻腔といい、前頭洞、篩骨洞(しこつどう)、上顎洞、蝶形骨洞の4つがあります。
副鼻腔は鼻と交通しているため、副鼻腔に炎症が起こると鼻水の量が増えたり、黄色くてネバネバとした鼻水が分泌されたりします。
この状態を副鼻腔炎といい、一般的に蓄膿症とも呼ばれます。
副鼻腔炎では鼻の中や副鼻腔の粘膜が腫れてしまっているので、後鼻漏を起こしやすい状態になっています。
他にも鼻づまりや痛み、嗅覚障害を起こしてくることもあります。
副鼻腔炎は細菌やウイルスの感染が原因となることが多いので、治療に際しては抗菌薬や抗ウイルス薬を内服したり鼻の中の膿を吸引して取り除いたり、ネブライザー療法という薬を細かい粒子にして鼻から吸うという治療も行われることもあります。
重症な場合には手術を行うこともあります。
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アレルギー性鼻炎
我々の身体は免疫によって外部からの異物を除去しています。特に空気と直接触れることになる喉や鼻などでは、免疫がおかしくなってしまうと様々な症状を起こしてきます。
鼻から有害な物質が侵入するとヒトの身体はくしゃみや鼻水によって外に排出しようとしたり、奥に入っていかないように鼻を詰まらせるといった反応をします。
これが細菌やウイルスなど本当に有害なものに対して起こっている場合には「生体防御反応」という正常な状態なのですが、大して害のない、例えば花粉やハウスダストに対しても強く反応してしまうのがアレルギーというものになります。
アレルギー性鼻炎は、アレルギー反応が鼻で起こることで鼻水などの症状を起こしてくるものです。
細かい話をすると、スギ花粉などのアレルギー物質に対して抗体(IgE抗体)ができ、肥満細胞という細胞に結合することでヒスタミン、ロイコトリエンなどの物質が放出されることでアレルギー反応が起こってきます。
アレルギー性鼻炎を起こすと鼻づまりが起こってくるので、詰まっているところより奥の鼻水は喉の方に落ちていきやすくなってしまいます。
アレルギー性鼻炎の治療としてはまず原因となっている物質を自分から遠ざけることです。
部屋をこまめに掃除したり、外から帰ってきた際に衣服をはたいて花粉を落としたりなどの対策をすると良いでしょう。
症状がひどい場合には、抗ヒスタミン薬やステロイドの点鼻薬を使用することで緩和することができます。
アレルギー性鼻炎は体質的な病気なので、これらの薬はあくまでも対症療法になります。
自然に治る割合は約0%前後と低く、どうしても良くならない場合は鼻の粘膜をレーザーで焼いてしまう手術が行われることもあります。
この手術の効果は5年以上続くことが多いです。
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鼻ポリープ(鼻茸)
鼻ポリープは、いくつかの原因疾患に伴ってできてくる炎症性のポリープで、腫瘍ではありません。原因となる疾患としては今回の記事で取り上げた副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、そして喘息が挙げられます。
鼻ポリープが大きくなってくると鼻が詰まってしまうので、息が苦しくなったり匂いがわからなくなったりします。
他にもくしゃみや鼻水、後鼻漏が見られます。
鼻ポリープはガンではないため放っておいてもよいのですが、上記のような症状は睡眠障害を引き起こしたりストレスの原因となってしまったりするので、多くの場合は積極的に治療を行います。
治療方法は薬を使ったものと手術を行うものに分けられ、前者では抗菌薬や消炎薬を使用することで炎症を抑えます。
喘息を合併している場合には抗アレルギー薬の内服やステロイド薬の点鼻が必要となります。
これらの保存的な治療は、長期に渡って継続していかないとなかなか効果が現れてこないので、きちんと医者の指示に従うようにしましょう。
しっかりと治療に取り組んでいるにも関わらず保存療法で効果が得られない場合には手術を行います。
鼻ポリープはただ取るだけでは再発率が高いので、病巣そのものを除去する内視鏡手術が行われます。
この手術ではポリープの切除に加えて、腫れている粘膜を除去したり鼻と副鼻腔の交通路を広げたりします。
鼻ポリープはガンになることはないので、血の混じった鼻水や痛みが続く場合にはポリープではなくガンが発生している可能性があるので注意しましょう。
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まとめ
いかがだったでしょうか。ただでさえ不快な鼻水ですが、後鼻漏は鼻穴から出てくる通常の鼻水以上に不快なものです。
色々な原因があることを知り、病院を受診することで少しでも早く症状を緩和させることを目指しましょう。
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