夕方になると熱が出る(上がる)のは危険?風邪とは違う症状3つ!
通常、風邪をひくと熱は一日中続くということになりますが、発熱の一部はある時間のみに限定して起こってきます。
普段と様子が違うので不安になる方も多いと思います。
そこでこの記事では、そのような「熱が決まった時間帯にでる(例えば夕方になると熱が出る)」という症状について解説していきたいと思います。
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心因性発熱
「心因性」というのは「心に原因がある」という意味の医学用語です。つまり、精神的に安定していない場合、発熱をきたすことがあります。
ヒトの身体には「自律神経」と呼ばれる神経が備わっており、これは「交感神経」と「副交感神経」に分類されます。
交感神経はかつて狩猟をしていた名残と考えると理解しやすいのですが、交感神経が活発(優位)になると、獲物をより見やすくするために瞳孔が開き、追いかけるために酸素を全身に行き渡らせる必要から心拍数が増加します。
それに伴って体温が上昇し汗もかきます。
また、狩りの最中に用を足したくなってしまってはいけないので、消化管の運動や膀胱の収縮などが抑えられて尿意や便意はあまりきたさなくなります。
もちろん、現代では狩りをすることはありませんが、緊張したりストレスがかかったりしている状態では交感神経が活発になります。
人前で発表する時などが良い例だと思います。
一方で副交感神経はリラックスしている時に活発になる神経で、簡単に言うと交感神経と逆の働きをするということになります。
このように、精神的な不安定さと体調というのは密接に関係しているということがわかります。
特に発熱に関しては交感神経が関係しているということです。
つまり、「ストレスや疲れ」が発熱の原因になることがあるということになります。
ただ、この場合はインフルエンザにかかったときのような高熱ではなく、37度台の微熱程度におさまることが多いです。
なにか感染症にかかっているわけではないので、血液検査をしても特に異常な値は見られないでしょうし、薬などを使うにしても抗菌薬などは効果がありません。
そのため、心因性発熱の場合はとにかく日常的にリラックスすることを心がけるのが良いでしょう。
普段立っていることが多い方では、立っているだけでも少し交感神経が優位になるので適度に座ったり、一番は横になったりして休憩を取ることが大事です。
熱が出た時には無理をせずに早く寝るようにしましょう。
関連記事:自律神経を整える方法はこちらの記事で解説しています!!
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病原体の活性が低い
通常の風邪であればウイルスの活性(勢い)が強く四六時中症状が出ることになりますが、身体に備わっている免疫システムによってその活性が抑えられることで常には熱が出ないという症状になることがあります。熱が出るのに夕方以降が多いのは交感神経と副交感神経のバランスが朝と夜で変わっていることが関係していると考えられています。
発熱している本人が大丈夫でも他の家族(特に子ども、高齢者)では免疫力が成人よりも低いので、感染するとより重症になってしまうことがあるため、「いつ」、「どのような」熱が出たかをできるだけ正確に医師に伝える必要があります。
関連記事:高熱が下がらない場合の原因や注意することを今すぐチェック!!
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間欠熱
なかなか聞き慣れない言葉かもしれませんが、「間欠(的)」というのは「ある一定の時間を置いて」というふうな意味で、温泉などの「間欠泉(かんけつせん)」などの言葉にあらわれています。つまり、「間欠熱」は「熱が上がったり下がったりを繰り返す」ような熱ということになります。
定義としては「1日の中で1度以上の高低差を伴う発熱があること」とされており、高熱と平熱が交互に繰り返されます。
マラリアなどでは3日~4日を周期として間欠熱が現れてきますが、海外旅行でもしていない限りはマラリアにかかることはとてもまれで、むしろ国内では敗血症や腎盂(じんう)腎炎、肝膿瘍、胆嚢炎、気管支肺炎、ウイルス感染等によるものが多いでしょう。
敗血症というのは傷口などに感染した細菌が血流に侵入してしまい(この段階では「菌血症」と呼びます)、発熱などの症状をきたしたものです。
腎盂腎炎は女性に多いと言われ(男性でもかかる人はいます)、腎臓で作られた尿が尿管に行く際に一度集められる腎臓内の腎盂に炎症が起こるものです。
肝膿瘍は胆管結石などに続発する細菌性のものと、赤痢アメーバ感染によるアメーバ性のものがあります。
後者は衛生環境の悪い地域での食事によって発症することがあり、便が「イチゴゼリー状」になるのが特徴的です。
胆嚢炎は肝臓の下にある、胆汁を作っている胆嚢という臓器に炎症が起きるものです。
以上のように、間欠熱の原因は非常にたくさんあるので発熱の記録が周期的になっていると感じたら早めに病院を受診しましょう。
関連記事:自律神経が原因で吐き気やめまいが起こる?改善するための方法は?
まとめ
いかがだったでしょうか。心配の必要があまりないものから重症になることがあるものまで、いろいろな疾患があることが分かっていただけたかと思います。
いずれにしても日常生活に支障が出たり、仕事や学業に集中できないということになれば早めに医療機関を受診したほうが良いでしょう。
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