咳のしすぎで肋骨が痛い?原因となる2つの病気を解説!
最近、肋骨が痛いといった症状がある場合はどの様なことを考えますか?
普段しない動きをしたり、変な姿勢をしていたときなどは肋骨が痛くなることもあるかもしれません。この様な時はしばらく様子をみても良いかもしれません。
しかし、心配なのは咳やくしゃみをし過ぎて肋骨が痛い場合です。この場合は言い方を変えれば、それだけ咳やくしゃみをしていると言うことなので、そちらの方も心配になります。
この記事では、咳をし過ぎて肋骨が痛くなるような場合について解説をしていきます。
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目次
肋骨の役目を簡単に説明
まず、自分の手を側胸部に押し当ててください。深呼吸をすると、呼吸の動きと一緒に広がったり縮まったり動いているのがわかりますか?
あまり柔らかくはないと思います。
呼吸をして動いているのは大まかに言うと、胸骨、肋骨、胸椎からなる胸郭と肋骨筋、横隔膜からなる呼吸筋です。正常な状態なら胸郭と呼吸筋は無理なく動いています。
しかし、呼吸筋が硬くなってしまうと、深呼吸をしても硬く引きつったような感じになります。
この筋肉が硬くなるという症状は、呼吸器のみではなく、脳神経などの疾患にも見られます。
そのような重症な病気ではなくとも、風邪などで咳が長く続くと、筋肉は無理やり頻回に動かされダメージを受けていきます。
肋骨の一番下の方を触ってみてください。上の骨よりも柔軟性を持っていて、手で押すと“ギュ”と中に入っていきます。
深呼吸をしながら肋骨の下の方に、少し力を入れて手を置くと、胸膜が膨らんだり萎んだりしています。
肋骨は12対です。上から7本目までは、1本1本が硬い胸骨と柔らかい肋軟骨でしっかりつながっています。8本目からは胸骨よりも細い肋骨に連なっている感じで着いています。
ここが最も疲労骨折しやすい部分です。
そして、肋骨と胸骨のつなぎ目にある骨が肋軟骨(前胸部辺り)である理由は、呼吸は肩を上下に動かすのではなく、胸を前の方に膨らませるからなのです。
それから、肋骨は背中にある胸椎から前に来ています。肺や呼吸に関して想像すると、前胸部だけに見えますが、背中の筋肉も呼吸 筋としての役割があります。
関連記事:左の肋骨が痛い原因は?チクチクする痛みは内臓の病気?
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肺について
肺は2枚の胸膜で覆われ、その2枚の膜と膜の間は空間(胸腔)になっていて、そこはリンパ液で満たされています。
この部分は、「胸水」や「血液」「分泌物」が溜まる場所です。そして気胸の治療もここで行われます。
もしも、胸水や出血量が多く、全身状態悪化や呼吸困難症状があった時、針を刺して(胸腔ドレーン)それらを抜く部位でもあります。
肺はまるで、12本の肋骨全部から保護されているかのように見えますが、肺は乳房下くらいまでしかありません。
肋骨5番位までが肺に位置付けしています。肋骨6番目以下は内臓に位置づけしています。鎖骨辺りには大きな動脈も静脈もあります。
外傷で「胸部圧迫骨折」で「血胸」を起こした場合、意識消失、顔面蒼白、呼吸抑制があれば、骨折した骨が刺さっているのは肺だけではないことを覚えておいてください。
そして、右肋骨下には肝臓や胆嚢、左には心臓や腸の疾患による痛みの場合もあります。
関連記事:胸の違和感の原因!圧迫感や息苦しいその症状は危険なサイン?
咳について
ではタイトルにある「咳」はどうして出るのでしょうか?考えられる原因を箇条書きにすると
- 鼻から吸った煙、アレルギー性物質、ホコリ、ウイルス、細菌などを異物であると、咽頭や気管、気管支などの粘膜が脳に伝達しておこる防御反射。
- 緊張しておこる心因性。
- うっ血性心不全など循環器系の異常。
- 声帯を刺激しすぎての機能的異常。
- 胃酸過多。
- 寒い空気を吸った時に出る寒冷性
- 癌などによる新生物。
乾性と湿性の咳
湿性咳嗽
喘息、肺炎、副鼻腔炎、胸膜炎、気管支炎、肺水腫、肺がん、気管支拡張症、結核、慢性閉塞性肺疾患など。乾性咳嗽
気胸、間質性肺炎、薬剤性咳嗽、うっ血性心不全初期、胃酸過多など。咳が続く期間が重要で長ければ重症な疾患の可能性があります。
関連記事:軽い咳が続く原因は?2つの重篤な病気を徹底解説!
咳をしすぎて肋骨が痛くなる疾患は?
肋骨疲労骨折
深呼吸や、くしゃみ咳をした時や体をひねった時に痛む。肋骨の痛み部分を押すと痛むなどの症状に加え、内出血や局所の腫れが見られ、骨折部分を押すと「ギシギシ」と音がすることがあります。原因は咳をした時の圧が高く、柔らかい軟骨にヒビが入ってしまうことが考えられます。
呼吸する時、肋骨と横隔膜に付属している筋肉が、呼吸に合わせて動きます。しかし、筋肉が硬くなっていると、咳の圧で無理に筋肉が引っ張られると柔らかい肋骨に亀裂が入ります。
胸膜炎
症状は胸痛、咳や深呼吸をすると痛みが走ったり、呼吸困難などがあります。熱が出る場合もありますが、痰は比較的少ない事が多いです。胸膜腔に胸水が溜まる。感染症、悪性腫瘍、膠原病、うっ血性心不全などが原因です。
胸部のレントゲン、胸水穿刺などで原因を判別し、それぞれの病気に合わせた治療が行われます。
このほかに咳が出ることで筋肉がダメージを受けていますよ!と神経が過敏に反応して教えてくれる肋間神経痛もあります。
関連記事:鎖骨の辺りが痛い原因は?注意したい7個の病気を解説!
まとめ
「胸の痛み」を「肋骨が痛い」と感じる方もいらっしゃると思います。もし、そうだとすればもっと多くの病気が隠れています。咳が続くときは受診しましょう。
医学用語で「咳」は「咳嗽」と言います。読んで字のごとく「嗽」は「すすぐ」です。咳をして粘膜が異物だと完治したものや粘液などで捉えたバイ菌を外にすすぎ出す。
体の外に「すすぎ出す」力を、まずは持っておかなければなりません。
胸郭が柔軟性を維持するには、筋肉や神経、血流を保つ。背筋も呼吸を介助してくれています。姿勢を正して肺活量をあげましょう。
そのためにはストレッチや散歩、腹式呼吸、時にはカラオケやお笑いを見て、笑い歌うことも大切です。
呼吸器と下肢の運動は全く関係のないもののように思えますが、アメリカなどでは呼吸器の肩のリハビリに下肢の運動を優先しています。
寒い時には、足浴などでも効果があると思います。
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