背中の圧迫感と息苦しい症状が続く!原因や注意したいこと

背中の圧迫感と息苦しい症状が続く!原因や注意したいこと

背中


呼吸が苦しいという症状があると、なにかまずいことが起きていると考えるのはごく自然なことで、実際に多くの人が息苦しさを主な症状として訴えとして、病院を受診されます。

そしてこの息苦しさに加え、背中の痛みがある場合には重大な病気のサインのことがあります。

そこでこの記事では、呼吸困難と背中の痛みを併発している場合に、気をつけたい原因疾患について解説いたします。

狭心症、心筋梗塞

心臓は血液を燃料とするエンジンのような臓器だと例えられます。

そして、エンジン自体も動かさなければいけないので、冠動脈という血管が心臓を取り巻くようにあります。

狭心症と心筋梗塞は別の病気ですが、どちらもこの冠動脈が詰まることによる病気です。脂肪の多い食生活を続けていると、血管にその脂肪(LDLコレステロール)が蓄積し、血管がどんどん狭くなっていきます。

これを動脈硬化といいますが、この狭くなった血管が一時的に詰まり、心臓に血液が行き渡らなくなった状態を狭心症といいます。


数分間で回復するので見逃されやすいですが、動脈硬化がさらに進行すると、血管が完全に詰まってしまい心筋梗塞になってしまいます。

症状は背中の痛み(背部痛)と息苦しさに加え、左胸から左肩にかけて広がる痛みがあります。

「どこが痛むか」と言われた時に1本の指で指し示すことができず、「このあたり」と表現されることが特徴です。


また、典型的な心筋梗塞は早朝に雪かきをしていて、急に胸や背中の痛みを感じるというもので、早急に治療を受けなければ心不全となってしまいます。

重症例では命にかかわることも多いので、狭心症の時点で病気の存在に気づき、食事の見直しや運動の習慣をつけることを心がけていただきたいです。



関連記事:左胸が痛い原因は?ズキズキする5つの病気を詳しく解説!

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大動脈瘤

大動脈とは心臓から全身に血液を送る際に最初に通る太い血管で、心臓から頭の方へ出た後、背骨の近くを下の方へのびています。

この時に大動脈が作るアーチを大動脈弓と呼びます。

この大動脈にコブができる病気を大動脈瘤(りゅう)と呼びます。コブといいますが、実際は血管が外側に膨らんだものが多いです。

これも動脈硬化が関連していると言われ、それに伴う高血圧や喫煙もリスク因子になっています。


発症初期は症状に乏しい事が多く、気づいた時には大きく今にも破裂してしまいそうな状態になっていることもあります。

症状としてはコブによって大動脈の近くにある食道を圧迫して、ものが飲み込みにくくなったり(嚥下困難)、発声に関係している神経を圧迫してかすれ声を生じさせたりします。

この神経は反回神経と呼ばれ、左右ありますが、左反回神経は大動脈弓付近を通るのでこの位置にコブができるとかすれ声になってしまいます。


そして、コブの大きさが5~6cmを超えてくると破裂の危険があります。

破裂を起こすとその症状は激烈で、息苦しさや背中の痛みを生じます。

大動脈は心臓からの血液が大量に流れているので、コブが破裂すると身体の中に大量に出血します。

出血量が多いとショック状態になり命にも関わるのですぐに救急車を呼びましょう。

この病気も悪い生活がリスクになっており、特に喫煙は他の病気の危険性も高めるので心筋梗塞などの発症を抑えるためにも生活習慣を正すことが重要です。



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気胸

肺に穴が空き空気が漏れてしまう病気です。

中でも特に原因がなく発生する自然気胸は若く、痩せている男性に起こりやすいという特徴があります。

病態としては中学校の理科で習った肺胞が何らかの原因で部分的に膨らみブラ、ブレブという風船のようなものを形成します。

ブラやブレブが破裂すると肺と肺を包んでいる膜の中に吸った空気が流れ出て、強い圧力で肺を圧迫します。

そうなると吸い込むことができる空気の量が少なくなるので息苦しさを感じるようになります。


また、背中側のブラ、ブレブの破裂により背部痛を生じることもあります。さらに、気胸が広範囲に及んだ場合、心臓への血液の流れも滞ってしまうので命を脅かす可能性もあります。

自然気胸の他には交通事故などにより折れた肋骨が肺に刺さって生じる外傷性気胸や、医療行為に伴う医原性気胸、そして肺ガンなどの肺疾患に続いて起こる続発性気胸があります。

高齢の喫煙男性では続発性気胸であることが多いです。

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胸膜炎

気胸の項で肺を包んでいる膜があるといいましたが、この膜を胸膜といいます。

胸膜は2枚あり、肺にピッタリくっついている方を臓側胸膜、胸壁側の胸膜を壁側胸膜といい、この2枚の胸膜の間に少量の胸水という水が貯まっていることでスムーズな肺の動きが可能になっています。


そして胸膜炎はこの胸膜に何かしらの原因で炎症が起き、胸水が異常に増えた状態になります。

炎症の原因は様々で、感染によるものや肺ガンによるもの、膠原病によるものがあります。

胸水が溜まると気胸の時と同様肺の動きが制限されてしまうので呼吸困難が生じ、炎症による痛みを感じます。



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まとめ

いかがだったでしょうか。

必ずこれらの病気であるというわけではありませんが、命にかかわる病気もあるので早めの受診を心がけましょう。

また、息苦しさだけの症状があり、検査をしても病気が見つからない場合などもあります。その場合は精神的なことが原因となっている可能性もあります。

心療内科や精神科を受診してみることも必要になってきます。

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