男性の乳がんの初期症状を解説!かゆみがある場合は要注意?
乳がんと言えば女性の病気のイメージが強いです。
男性にも乳がんは発生することがありますが、頻度が低いゆえに症状や治療などがあまり知られていません。
しかし、乳がんは女性の病気だから自分は大丈夫だと思い込んでいると初期症状を見逃してしまい、後から後悔をすることになりかねません。
そこでこの記事では、男性における乳がんの症状などについて解説していきたいと思います。
男性と女性での違いは?
まずは男性乳がんについての基礎知識を紹介しましょう。女性の乳がんは女性に発生するがんの中でも頻度が高いですが、男性においてはあまり有名ではなく乳がん全体として見てみると男性発症は1%未満だと言われていて発症率は低くなっています。
また、発症する年齢層としては10代前半と60代以降の二峰性(にほうせい)にピークがあります。
女性乳がんと同様にしこりができてきますが、その場所は乳頭付近や乳房の外側にできることが多いです。
男性の場合は乳房の脂肪がないぶんしこりができるとその部分だけ盛り上がって見えるので発見自体は容易ですが、先ほど書いたように「男性に乳がんなんて」と思っている方もまだまだ多く、さらに頻度の低さや部位の特性から恥ずかしさを感じて「乳がんかもしれない」と思っても病院の受診を見送ってしまうことも多いようです。
検査や治療法は女性のものと同様ですが、男性乳がんは女性のものよりも転移しやすいということが知られており、転移先としてはまず脇の下のリンパ節、そしてその他の臓器というように広がっていきます。
このように原発巣から最初に転移するリンパ節のことをセンチネルリンパ節と呼びます。
ちなみにセンチネルというのは「見張り」という意味で、リンパ節に転移があるとリンパ節の腫れが起こってくることからこのように名づけられたと言われています。
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男性乳がんの症状
男性乳がんの特徴でも述べたように、小さなしこりが見つかることで乳がんに気づくことが多いです。しこり自体の特徴としては硬くて押しても移動しにくいしこりになります。
布団の綿の中に石が入っているようだと言う人もいます。
また、皮膚にかゆみが出たという人もいますが、この症状に関しては個人差が大きいです。
その理由はがん細胞が増殖するスピードにあります。
通常の細胞よりも増殖スピードが速いがん細胞ですが、それでも乳がんのがん細胞は1センチの大きさになるまで8年程度かかると言われています。
つまり、初期というよりはある程度進行してから腫瘍の圧迫による症状が現れてくるであろうということです。
むしろ、かゆみからは汗疹を疑ったり、乳房Paget病という乳頭部に好発する乳がんの一種を考えたほうが良いかもしれません。
また、男性の場合は脂肪が少ないので脂肪組織によるがん組織の浸潤を抑えるバリア作用が小さいために女性と比べて血行性転移やリンパ行性転移をきたしやすく、転移先の臓器に従ったそれぞれの症状を呈してくることがあります。
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男性乳がんの合併症で注意したいこと
男性乳がんにおいて気をつけておきたい疾患として「女性化乳房」が挙げられます。どういうものかというとその名の通り、男性ながらにして女性のような膨らみのある乳房になってしまう病気です。
乳房の発達には女性ホルモンが必要ですが、男性にも少なからず女性ホルモンが存在していて男性ホルモンとのバランスが崩れてしまうことによって、女性ホルモンが余剰になって乳腺が発達してしまうということがあります。
原因としては、女性ホルモンの分解器官である肝臓が障害されて不要な女性ホルモンが余ってしまうことや脱毛薬によって女性ホルモンが増加してしまうということが挙げられます。
女性化乳房によってなにが困るかというと、乳房があることによってしこりの発見が通常の男性乳がんよりも難しくなります。
また、乳がんにはいくつかのタイプがあり男性の乳がんは女性ホルモンによって増殖が促進されるタイプがほとんどなので、女性化乳房に伴う高女性ホルモンのせいでがんの大きくなるスピードが速くなってしまいます。
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男性乳がんの検査と治療
女性と同じように、マンモグラフィー検査を受けることが推奨されています。女性乳がんを題材とした映画のモデルになった方のパートナーの方は乳がん検診の啓蒙活動の一環としてご自身も男性ながらマンモグラフィー検査を受けられているそうです。
命に関わることもある疾患ですので「男性だから」という些細なプライドを捨てて病院を受診することが重要です。
また、治療も女性と同様ということですが、一般的には手術を行った後にホルモン療法を行います。
ただし、ホルモン療法に関しては女性ホルモン受容体(HER2)が存在していることが必要ですので、受容体の有無をチェックする検査も行われます。
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まとめ
いかがだったでしょうか。乳がんといえば女性というイメージが強いですが、男性にもまれながら発生します。
頻度が低いと言ってもがんの一種ですので放置してしまうと命が奪われてしまうこともあります。
恥ずかしさもあるでしょうが早めに病院を受診するようにしましょう。
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