すねに痛みのあるしこりがある!疑うべき病気や原因は?

すねに痛みのあるしこりがある!疑うべき病気や原因は?

すね


すねというと、特に女性ではスカートを履いた時に目につく場所であり、美容的に気になる部分です。

そのようなところに、しこりができてしまうと気分的にも嫌ですし、痛みがあるとなると不安になります。

そこでこの記事では、すねに痛みのあるしこりができた場合に疑うべき疾患について3つほど紹介していきたいと思います。

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粉瘤

皮膚はいくつかの層からできており、一番外側は「角質層」と呼ばれています。

この層は古くなると新陳代謝によって剥がれ落ち、身体を洗うことでその下の新しい角質層が現れるということになりますが、皮膚に袋状の構造ができてしまうとこの中に溜まっていってしまうことがあります。

このようにしてできたしこりのことを「粉瘤」と呼びます。

このしこりは黒っぽかったり、赤みを帯びていたり、白かったりなど様々な色調を呈します。

皮膚のある部分ではどこにでも発生する可能性があり、角質が溜まっていくことによって次第に大きくなっていきます。

また、袋状ということで皮膚表面の側に開口部をもっているのが特徴です。

この開口部から細菌感染を起こすと膿んでしまい、痛みが出てきます。

特に半ズボンで草むらを分け入っていったり、野外スポーツをしたりなどのすねに細菌が接触する可能性の高い行為には注意が必要です。

粉瘤は中身がなくなっても袋がある限りはいつまでも再発してしまうので、手術によって取り除く必要があります。


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脂肪腫

皮膚は表層から表皮、真皮となっており、その下には脂肪組織が存在しています(俗に言う皮下脂肪)。

脂肪は脂肪細胞という細胞が蓄えているものですが、この脂肪細胞が腫瘍化し、異常増殖するようになったのが脂肪腫となります。

「腫」と聞くと「癌」を思い浮かべる方が少なくないかと思いますが、腫瘍には「良性」と「悪性」があり、癌は悪性腫瘍になります。

脂肪腫は良性腫瘍の一つで、基本的に他の臓器に転移をしたり、皮膚の組織を壊して大きくなっていったりということはありません(ごくまれに悪性化し「脂肪肉腫」となることがあります。

良性腫瘍ということで脂肪腫のしこり自体には痛みはありませんが、神経の近くに脂肪腫が発生した場合には痛みが出てくる場合があります。

しこりはドーム状で柔らかいということが特徴です。

レントゲン検査やCT、MRIにて診断がなされることが多く、経過観察や手術といった治療が行われます。

また、検査の結果悪性の脂肪肉腫が疑われた場合には、腫瘍組織を顕微鏡で観察するために手術によって腫瘍を摘出するという診断的治療が行われることもあります。


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骨肉腫

先ほども「肉腫」という言葉が出てきましたが、これは「非上皮性の悪性腫瘍」ということを示しています。

どういうことかというと、胃癌や肺癌というのは「上皮細胞」という細胞が悪性化してできる悪性腫瘍です。

しかし、脂肪細胞や骨の細胞は上皮細胞ではありません。

このことを区別する用語として「肉腫」という言葉が用いられています。

ですので、骨肉腫は「骨の癌」と言い換えられることが多いですが、これはあくまでわかりやすくするためで厳密には誤りです。

さて、骨肉腫は10代において発症割合の高い疾患です。


部位としては膝関節や肩関節に近いところの骨(大腿骨や脛骨などの「骨幹端」と呼ばれる部分)に多く発生します。

そのため痛みを感じる部位は、脚であれば膝の皿の下辺りとなります。

痛みの起こり方は運動をした時に痛むとか、圧迫すると痛むというわけではなく、安静にしていても痛むという場合が多いです。

病院にてレントゲン検査やMRI検査によって骨肉腫が疑われた場合には皮膚を小さく切開し、その隙間から腫瘍と思われる部分の組織を一部採取して顕微鏡で観察します。

このことを「生検」といい、ほとんどの場合この段階で診断が確定します。


骨肉腫の治療ですが、かつては腕や脚を切り落としてしまうという切断術が行われていました。

しかし、それでも転移が見られ手術後に5年生きられる割合(5年生存率)は10数%程度でした。

しかし、現在では抗癌剤による治療(化学療法)が発達し、現在では3分の2の患者さんが治癒すると言われています。

さらに、手術も切断術ではなく腕や足を残しての切除にシフトしてきています。

ただ、全ての患者に化学療法の効果が現れるというわけではないという点に注意が必要です。


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まとめ

いかがだったでしょうか。

最後の方は少し不安にさせてしまうような文章になってしまいましたが、本邦における骨肉腫の発生頻度は100万人に1人程度です。

およそ年間に200人の新規患者が報告されるという、病気の割合としては非常に少ない(悪性骨腫瘍というジャンルの中では最多です)ものです。

ただ、悪性腫瘍であった場合に、早めに診断がつけられるということが治療の決定、その後の経過に大きく関わってくるため、できるだけ早期に病院を受診するようにしましょう。


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