太ももの内側できたしこりの正体は?注意したい病気5つ!

太ももの内側できたしこりの正体は?注意したい病気5つ!

太もも


お風呂に入ったときや、ふとした瞬間に太ももに「しこり」があることに気づいた方はいらっしゃらないでしょうか。

あまり他の人には見せない部分ですので、そこまで気に留めない方も多いでしょうが、急に大きくなってきた場合には注意が必要です。


「ちょっとしたデキモノだろう」「しばらく様子見をすれば自然に治るだろう」と考えていると、後々後悔することになるかもしれません。

そこでこの記事では、太ももの内側にできるしこりの原因疾患について紹介していきます。

リンパ節腫脹

リンパの流れという言葉は多くの方が耳にしたことのあるものだと思いますが、リンパは正確にはリンパ液という液体で、リンパ管流れているものです。

そして、所々に関所のようにリンパ節というところがあります。

リンパ節ではリンパ液に乗ってやってきた細菌や異物をせき止める役割をしています。


そのため、一度に大量の異物がやってくると元々リンパ節にいる細胞では処理が追いつかず、身体の各所から細胞が集まってきて異物と戦うということになります。

細胞一つ一つは目に見えないほど小さいですが、何万と集まってくるとリンパ節の腫れとして見られるようになります。


さて、リンパ節は身体のあらゆるところにあるということですが、多く集まっている部位があります。

それは首(頸部リンパ節)、わきの下(腋窩リンパ節)、耳の裏(耳下腺リンパ節)、脚の付け根(鼠径部リンパ節)になります。

鼠径部(そけいぶ)リンパ節は脚の怪我に伴って体内に細菌が侵入したり、性行為感染症を契機に腫れてくることが多いです。

この腫れの特徴ですが感染が落ち着いてくると同時に小さくなっていきます。



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粉瘤

皮膚の角質は通常古くなると新陳代謝に伴って剥がれ落ちていきますが、たまに皮膚の下にある袋にたまってしまうことがあり、これを粉瘤(ふんりゅう)と呼びます。

粉瘤のしこりは、黒っぽい色であったり赤みや白みを帯びていたりします。

皮膚のあるところであればどの部位にでも発生することがあり、次第に大きくなっていきます。

また、袋状ということで必ず開口部があります。

ここから細菌感染を起こすこともあり、化膿することがあるので注意が必要です。

この袋があるといつまでも再発してしまうので、治療としては手術によって取り除く必要があります。



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脂肪腫

太もも


皮膚の下の脂肪組織、筋肉、腱、神経などのことを総称して「軟部組織」と呼びます。

脂肪腫は皮膚の下の脂肪組織が腫瘍化し、時間とともに増大してくる良性の腫瘍です。

脂肪腫は軟部組織に発生する良性腫瘍の中で最も頻度が高いものになります。

背中や肩、上腕や太ももによく見られますが、良性ということで他の部位に転移したりすることはありません。


しこりの特徴としては痛みがなく、ドーム状に膨らんでくる柔らかい腫瘤となります。しかし、神経の近くなど場所によっては痛みが出る場合もあります。



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軟部肉腫

肉腫というのは、がんと同様に悪性腫瘍のことですが、がんが消化管や皮膚などの上皮というところから発生するのに対し、肉腫は上皮でないところ(筋肉や神経、脂肪、骨など)から発生してくるというものです。

ちなみにがんは英語でcarcinoma、肉腫はsarcomaといい明確に区別されています。

胃や大腸などの上皮細胞が悪性化すると胃がんや大腸がんと呼ばれ、脂肪や骨の細胞が悪性化すると脂肪肉腫、骨肉腫と呼ばれるといったような具合です。


つまり、軟部肉腫とは軟部組織に発生した悪性腫瘍ということになります。

軟部組織にも様々な種類がありますし、同じ部位でも正確が異なる腫瘍が発生しうることから、軟部組織といっても何十種類もあります。


全身どこの部位にも発生する可能性がありますが、なぜか太ももに発生することが多いです。

悪性とはいうものの痛みはなく、特に皮膚からみて深いところにできてしまったものは発見が遅れてしまうこともあります。


脂肪腫の時と同様に神経の近くに肉腫が発生した場合は、痛みやしびれがあることもあります。

悪性の特徴として急激に大きくなってくるというものがありますので、ここ数ヶ月の間に急にできたということであれば軟部肉腫を考慮する必要があります。

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悪性リンパ腫

頻度は少ないですが、リンパ節にいる細胞が悪性化することがあります。

リンパ節の細胞としては主にB細胞というものとT細胞というものがありますが、どちらも悪性化する可能性があります。


どちらの細胞がリンパ節のどの部分でどのように悪性増殖するかでやたら細かく分類されていますが、これは病理学や血液内科の医師が知っておくべきことなので割愛しましょう。

悪性リンパ腫は原因がよく分かっていないものも多いですが、一部はウイルスが関係していると言われていて、例としてEBウイルスやHTLV-1があります。

EBウイルスはある女性声優が「慢性活動性EBウイルス感染症」で亡くなったことにより知っている方も多いかもしれません。

HTLV-1は西日本、特に九州や沖縄に感染者が多いと言われていますが、必ずしも全員がHTLV-1を原因とした悪性リンパ腫というわけではありませんし、その他の地域でも感染する可能性はあります。


悪性リンパ腫は種類によってその後の経過(予後)が大きく変わるので病院で詳しく検査する必要があります。



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まとめ

いかがだったでしょうか。

最後に悪性腫瘍を紹介したので不安になった方もいらっしゃるかもしれませんが、多くは脂肪腫や粉瘤といった良性疾患です。

しかし、良性だと思って放置していると、もし悪性疾患だった場合に完治できたものも、できなくなってしまう場合があるのでしっかりと病院で検査を受けるようにしましょう。

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