お腹の左上が痛い!食後に起こる症状の原因3つを徹底解説!

お腹の左上が痛い!食後に起こる症状の原因3つを徹底解説!

女性


食後、急に運動をすると脇腹が痛くなってしまうということは多くの方がご存知だと思います。

この症状の詳しい原因はいろいろな説がありますが、病気ではないと考えられています。

しかし、これと似たようなお腹の左上の痛みでも、何かの病気であることがあります。

そこで、この記事では運動をしていないのに、食後にお腹が痛くなってしまう原因3つについて紹介いたします。

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潰瘍性大腸炎

この病気は国が指定する難病の一つで、免疫の異常が原因であると考えられていますが、詳しいことは分かっていない病気です。

潰瘍とは消化管や皮膚において、上皮と呼ばれる一番外側の層(消化管や皮膚は何層かの構造をしています)がなんらかの障害を受けて欠損している状態で、大腸の上皮が失われると便から水分を吸収する働きが低下してしまうのでひどい下痢や、体重減少や発熱といった症状が見られることもあります。


また、大腸は右下腹部から時計回りにお腹をぐるりと回るようにあり、潰瘍性大腸炎は炎症ですから痛みも生じ得るのでお腹の左上が痛くなることもあります。

この病気は原因がまだ解明されていないので、根本的な治療はありません。

ですので、大腸の炎症を抑える薬剤による内科的治療が主になります。


重症な場合や薬剤が効かない(薬剤抵抗性))場合は手術によって治療される場合もあります。

そして、潰瘍性大腸炎は症状が落ち着いてもまた悪化(再燃)することもあり、さらに大腸ガンにまで発展してしまうケースもあります。

ただ、このケースはまれでほとんどの患者さんは、他の健康な人と変わらない年数を生きることができます。



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過敏性腸症候群

腸管は自律神経によって支配され、自律神経の内交感神経は肛門(内肛門括約筋)の収縮を制御して排便をしないようにしており、副交感神経は便を出口に送るように腸を動かす(ぜん動運動)働きをしています。


すなわち、このバランスが崩れると便秘や下痢といった症状が出てきます。

この状態を過敏性腸症候群(IBS)といいます。

この病気は腹痛を伴うことがあり、腹痛によってトイレにこもりがちになってストレスが溜まり、さらに自律神経のバランスを崩してしまうという悪循環に陥りがちです。


対処法としてはストレスを溜め込まないことはもちろん、早めに受診して病名がはっきりするだけでも、気分が晴れやかになって症状が改善することがあります。



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膵炎

大雑把に説明すると、お酒を一気に大量に摂取して急激に腹痛を起こすものは急性膵炎、じわりじわりと膵臓が悪くなっていって、その過程で腹痛を伴うものは慢性膵炎です。

急性膵炎はどちらかと言うと食事中(飲酒中)に起こることが多いので、ここでは慢性膵炎について解説いたします。

慢性膵炎

男性


慢性膵炎は膵液(消化液の一つ)が過剰に作られ、膵臓から消化管(十二指腸)に膵液を出す際に通る膵管の中に膵液が溜まってしまい、食べ物ではなく膵臓自体を消化してしまうことにより、膵臓に小さな炎症を繰り返している病気です。


炎症が繰り返されると膵臓の組織が線維に置き換えられてしまい、膵液の産生能力が低下してしまいます。

膵臓は胃の下やや背中側にあるので、みぞおち~お腹の左上、背中に鈍い痛みが繰り返し起こります。

膵液の分泌が盛んになる、食後や飲酒後に腹痛が出やすいです。

慢性膵炎の原因の多くを占めるのはアルコールの取り過ぎで、飲酒によって膵液の分泌が過剰になるためで、これは男性に多いです。

女性では胆石によることが多いです。

何故かというと、胆のうから出た管(胆管)は途中で膵管と合流しており、胆石が胆管を通って落ちてくると時に膵管を閉塞させてしまうからです。

アルコールの取り過ぎの目安ですが、1日に80gのアルコールを10年以上取り続けていると慢性膵炎になってしまうリスクが高いと言われています。

具体的にはビール大瓶3本、あるいはワインボトル1本位になります。

それではこの量を超えなければいいかというと、アルコールの過剰摂取は肝臓にも負担をかけてしまうので飲み過ぎには注意しましょう。



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慢性膵炎の進行

男性


慢性膵炎の進行を解説いたしましょう。

先ほどの腹痛が起こっている時期を腹痛期といいます。

その次は移行期といって腹痛は軽くなっていきます。

病気が快方に向かっているわけではなく、膵臓の線維化によって膵液の分泌が減少するので、腹痛を起こしにくくなっているためです。

さらに膵臓の機能が低下していくと、膵機能不全期となってしまいます。

この時期になると膵液による食べ物(特に脂肪)の消化が悪くなり、便にそのまま含まれるようになってやわらかい「脂肪便」とよばれる便が出てくるようになります。


また、膵臓は消化液だけではなく血液中の糖の量を調整する、インスリンなどのホルモンを分泌する役割もあるので、この働きが阻害され糖尿病になってしまうこともあります。


腹痛期の治療としては禁酒および、鎮痛薬を服用することで腹痛の軽減を図ります。

食事内容も脂肪の量を減らし、油ものも避けるようにします。

膵機能が低下してくるに従って、消化酵素を補充したりインスリン注射をしたりします。



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まとめ

いかがだったでしょうか。

食後に起こるお腹の不快感でも、油断ならない病気もあります。食べ過ぎた時や飲み過ぎた時にお腹に症状が出ることは、よくありますが、特に心当たりがない時でも症状が現れたり、症状が慢性的に続いている様なら少し、心配です。


今回紹介したもののうちでも、特に慢性膵炎は他の病気とのつながりもあるので、お腹の痛みを繰り返すようなら早めに医療機関を受診するようにしましょう。



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