肩甲骨の左側の痛みや痺れの原因は?今すぐチェックしたい病気は?
肩や首がこると、背中や肩甲骨の周りまで痛くなることがあります。
しかし肩甲骨の左側にのみ、痛みや痺れが出るのはなぜなのでしょうか?
両方の肩甲骨に症状が出るのならまだしも、左側だけとなると、その部分には心臓があるため心配になってくるのは当然です。
そこで、この記事では左側の肩甲骨の症状について、その原因や病気について解説していきます。
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肩甲骨の役割について
肩甲骨は背中の上の方にある、手のひら程度の大きさの逆三角形の形をした骨で、左右に1つずつあります。肩甲骨はその周りにある筋肉と連携して、腕を動かす働きをしています。
肩や腕を上げたり下げたり、物を押し出したり引いたり、腕を回す時など肩甲骨が動くことで動きが可能になります。肩甲骨の動きが悪いと、腕を動かすことのできる範囲も制限されてしまいます。
左側の肩甲骨に痛みが出る原因
狭心症・心筋梗塞
心臓の周りには「冠動脈」という、心臓の筋肉に栄養を送るための血管があります。冠動脈は2本に分かれており、左側はさらに大きく2つに分かれています。
特に左側にある冠動脈は、血液を送り出す部屋に酸素や栄養を送る大切な役割を果たしています。
血管は加齢や食生活などにより、傷ついたり硬くなったりします。これを「動脈硬化」と言います。
さらに糖尿病や高血圧、高脂血症、肥満などがあると動脈硬化はさらに進みます。
傷ついた血管の壁には「プラーク」と言われるコレステロールや脂が蓄積し、血管内が狭くなり血流が悪くなってしまいます。これが冠動脈でおこると、「狭心症」や「心筋梗塞」の原因となります。
狭心症は、冠動脈が狭くなることで血流が悪くなり、心臓に十分な酸素や栄養が送られなくなることで発症します。
症状は15分くらいで落ち着く、胸のあたりの圧迫されるような痛みや苦しさがあります。
人によっては、あごやみぞおち、左肩や左の肩甲骨周辺になどに痛みが現れる場合もあります。これを「放散痛」と言います。
さらに動脈硬化が進み、冠動脈が詰まってしまうと心筋梗塞を発症します。
症状は狭心症より強く、左胸の重苦しい痛みと左肩や背中に放散する強い痛みが30分以上続きます。
放置すると、詰まった血管の先の細胞が壊死してしまうため、早く治療を受けなければなりません。
関連記事:左胸が痛い原因は?ズキズキする5つの病気を詳しく解説!
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慢性膵炎
膵臓は胃の裏の背中側にあり、おたまじゃくしのような形をしている臓器です。膵臓は消化液である「膵液」を作り、膵液は十二指腸へ流れていきます。また、血糖値をコントロールする「インスリン」というホルモンも作っています。
慢性膵炎は、膵臓で作られた消化酵素が膵臓自身をゆっくりと溶かしていくことでおこる病気です。
慢性膵炎をおこす原因の多くは、長期間の多量な飲酒によるものです。
慢性膵炎の主な症状は、強い腹痛や背中や肩甲骨まわりの痛みです。痛みはよくなったり悪くなったりを繰り返すことで、徐々に膵臓の組織が壊されていきます。
関連記事:膵臓の痛みは背中に出る?痛む位置(場所)やその他の原因は?
後縦靱帯骨化症
後縦靱帯骨化症とは、背中にある「後縦靱帯」が骨になることで、脊柱管が狭くなり神経が圧迫されることで痛みが生じる病気です。
この病気になる原因ははっきりとわかっておらず、難病に指定されています。
椎骨にこの病気が発症すると、首や肩甲骨周辺に痛みや痺れが現れます。
神経が圧迫されることで、指先に痺れが現れる場合もあります。さらに骨化が進むと、下肢の感覚が鈍くなったり、痛み・痺れが現れるようになります。
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肋間神経痛
肋間神経とは、鎖骨の下からみぞおちにかけての範囲と、肩甲骨まわりにかけての範囲を走る神経です。肋間神経が筋肉により圧迫されると、痛みなどの症状が現れます。
また、骨折や椎間板ヘルニアが原因となり、肋間神経痛を引き起こすこともあります。
肋間神経が圧迫されることで、左の肩甲骨まわりに痛みや痺れが生じる場合があります。
関連記事:背中の右側が痛い!原因として考えられる4つの病気を徹底解説!
まとめ
左の肩甲骨周辺に痛みや痺れが現れる病気を見てきました。肩甲骨とは関係ないと思われる、心臓や膵臓の病気が原因で肩甲骨まわりに症状が出る場合があります。
肩こりや筋肉痛かもしれないと自己判断せず受診することが大切です。
動脈硬化を予防したり多量飲酒を避けることで、病気を予防できる場合もあるため、食生活の見直しをすることをお勧めします。
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