背中の右側が痛い!原因として考えられる4つの病気を徹底解説!
背中の痛みは長い間、パソコンやデスクワークをしていると、同じ姿勢でいることによって痛みが生じることがあります。
このような場合は、筋肉痛であることが多いいので、ストレッチをしたり、姿勢を直したりしてください。
でも、何にもしていないのに、背中が痛くて吐き気を伴ったり、激痛がしたりすると何か重い病気ではないかと心配になります。
背中と内臓はまさに背中合わせの状態です。
ですから、前にある内臓の炎症や疾患の痛みを背中に感じますし、痛みが響く場合もあります。
この記事では、背中に痛みが出る(特に右側)病気について解説していきます。
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目次
背中が痛む原因は?
背中の痛みに関係する疾患は主に、急性膵炎、すい臓がん、慢性膵炎、腎盂腎炎、尿結石、尿路結石、狭心症、急性大動脈解離、十二指腸潰瘍、椎間板エルニア、骨粗鬆症、筋肉痛などがあります。このうち右側にのみ臓器があるのは、肝臓、胆嚢です。今回は「背中の右側」に起こる主な病気をご紹介いたします。
肝臓の病気
肝臓の作用は、「必要な栄養素を貯蔵、合成すること」と「解毒、分解をする」ことです。必要なものを腸などから貰い、不要なものを腸に返して便から外に排出してもらう。
肝臓は大きなポンプの役割をする静脈を2個持っています。血液は全身を凄まじい速さで循環しています。心臓へ血液を送り込む手助けもしてくれています。
肝炎
肝炎には、ウイルス性(A,B,C、D,E,Gなど)、アルコール性、薬剤性、自己免疫性などがあり、症状や血液検査などを経過観察しながら治療や診断をおこなっていきます。急性肝炎
症状は全身倦怠感、黄疸、食欲不振、感冒症状などがあります。ウイルス感染に感染したことが原因で発症し、ウイルス感染後潜伏期間を経て、数ヶ月でほとんど治ります。黄疸も1週間ほどで軽減します。
約1%の割合ですが黄疸が1週間しても軽減せず増強し、意識がなくなる「肝性脳症」を併発する「劇症肝炎」があります。
この脳症が見られるまでの日数が重要となります。
10日以内にあれば急性型劇症肝炎。10日以上で見られる場合は亜急性型劇症肝炎、となりこの場合は救命率が10%とかなり低いです。
急性型劇症肝炎も、脳浮腫、消化管出血を伴い死亡率は極めて高いので注意が必要です。
治療にはステロイド、肝移植、血漿交換などがありますが効果はほとんどないのが現状です。
慢性肝炎
症状は急性肝炎と同じく黄疸、全身倦怠感、食欲不振などです。原因は急性肝炎が治らず肝臓の肝細胞が壊死してしまったことで、肝硬変や肝癌へと移行することもあります。
治療にはインターフェロン、点滴、抗ウイルス剤投与などがあります。
関連記事:背中の真ん中の痛み!息苦しい鈍痛が続く病気について解説!
肝炎の種類と個別性な特徴
肝炎の種類を簡単にまとめていきます。
A型肝炎
便によって汚染された水や魚介類からの経口感染が多い。2ヶ月程度で完治。慢性化することはほとんどありません。
感染するとA型肝炎ウイルスの抗体を作るので再発はない。安静や点滴治療が行われます。
B型肝炎
成人がかかった場合は、性行為による感染、血液感染が原因の経皮感染が主な原因です。感染後B型抗体がきるが絶対的終生免疫ではありません。
B型ウイルス感染後急性肝炎となり、症状は見られなくなる(顕性)と自覚症状が無いまま治癒する(不顕)こともあります。
急性肝炎感染時「劇症肝炎」になる場合もあります。
不顕性であるがゆえに、不顕性であると慢性肝炎に移行しやすい特徴もあります。
母親がB型肝炎に罹患していており、出産時産道を通過する際に血液感染する母子感染と、乳幼児がB型感染者の血液を介して感染した場合、B型ウイルスに対して攻撃する能力が未熟なため、ウイルス感染しているのに肝炎 症状がない「無症候性キャリア」となります。
肝細胞がウイルスに感染したまま成長していき、そして、思春期ごろウイルスを攻撃する免疫力機能が発達し、肝細胞にあるウイルスを攻撃し肝炎を発症します。
90%は症状が軽く肝疾患への移行は無く、10%は「慢性肝炎」「肝硬変」となります。
母子感染免疫グロブリンや予防接種があります。
C型肝炎
血液感染が原因の経皮感染。医療従事者による取り扱い不十分な針の使い回しや、刺青や覚せい剤の針の使い回し、輸血などが原因となります。
感染後急性肝炎になる場合もありますが、ほとんど自覚症状が無い(不顕性)で治癒することなく、肝炎したまま20年程で「慢性肝炎」「肝硬変」「肝癌」へ移行します。
治療には抗ウイルス剤、インターフェロンが用いられます。
D型肝炎
血液感染が原因で、B型肝炎感染者のみに感染します。E型肝炎
水、イノシシやシカの加熱が不十分な場合の経口感染、通常慢性化はないです。しかし、妊婦が感染した場合は劇症肝炎となる場合があります。
アルコール性肝炎
アルコールの過剰摂取が原因です。飲酒を控えましょう。非アルコール性肝炎脂肪性肝炎
脂肪が蓄積されることが原因です。薬剤肝炎
抗生物質、解熱鎮痛剤など薬物による副作用が原因となります。自己免疫肝炎
免疫機能異常、自分の肝臓を自分の免疫が攻撃してしまうものです。原発性胆汁性胆肝炎
胆汁が肝細胞に貯留してしまうことが原因で、肝硬変になりやすいです。ここまで、肝炎についてまとめてきました。
これらの症状が疑われる場合は、先ずは消化器内科や外科に行きましょう。急性肝炎と慢性肝炎で治療が異なります。
肝炎にはなっていなくても、それに近い症状が出ることは癌治療や膠原病などで発症することが多いことも頭に入れておくとよいです。
関連記事:左腰がずっと痛い原因は?3つの内臓系の病気を解説!
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胆嚢の病気
胆嚢胆石
脂肪分の多い食事を摂った後に、右肋骨下部に鈍い痛みが周期的に出ます。背中、右肩にも痛みを伴うことがあります。主にコレステロールが分解しきれず結晶化し結石を形成しする事が原因です。
結石が胆のう菅に詰まり、細菌感染すると胆のう炎になります。
消化器内科や外科に行きましょう。エコー検査、血液検査、CTなどの検査を受け胆嚢胆石だと分かれば、抗菌剤投与、開放的外科的手術、腹腔鏡手術、結石を溶かす内服治療などが行われます。
総胆管結石
右上腹部に激痛(疝痛)が走ります。他にも吐き気、冷や汗、高熱、黄疸などの症状もあります。
感染すると胆のう炎や急性膵炎になります。
総胆管結石が胆のうを閉塞すると「急性胆管炎」。膵管を閉塞すると「急性膵炎」を起こす可能性があります。
原因は胆のうと肝臓が結合している総胆管に結石ができることで。総胆管を結石が閉塞してしまいます。
まずは、内科的治療を試みますがその後、外科的開放手術や内視鏡的総胆管結石砕石術が行われる可能背もあります。
関連記事:腰から背中にかけて痛い症状が続く!11個の原因を解説!
尿管結石
突然、脇腹が激しく差し込むように痛みだします。血尿、嘔吐、冷や汗、高熱などの症状が出る場合もあります。
約60%は原因不明の特発性結石で、甲状腺機能亢進の影響の場合もあります。
水分補給不足やストレス、脂肪分の取りすぎなどは原因として考えられます。
泌尿器科を受診しましょう。
尿検査、エコー検査、CT検査、が行われ、内服治療。内視鏡手術、体外衝撃波砕石術、開放手術などが行われます。
成人なら水分を多量摂取し、上下に跳ねる運動をして石を自然に出す方法もあります。
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まとめ
肝炎にはたくさんの種類があり、感染源も異なります。それは肝臓の解毒作用が優秀だからです。肝炎は自覚症状が出にくいのも特徴です。
自分は感染しているのに気づかず、アルコールや食事、運動不足で肝臓に負担をかけていると、肝臓は悲鳴をあげて炎症を起こします。その前に定期的健康診断で採血などを行なうことは大切です。
肝炎に感染している肝臓の細胞が、知らないうちに年数をかけて、萎縮、拘縮、壊死しています。
呼吸をした時に「右側が痛む」時は、肝臓疾患や肝臓癌の症状です。
これらは症状が出てからでは、病気がかなり進行していることもあります。
最後に、性行為感染、麻薬や刺青による感染。これらの感染から身を守ることも頭に入れておきましょう。
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