朝起きると手首に痛みが!腱鞘炎以外の原因5つを徹底解説!
手首は日常生活に欠かすことができない関節です。
手首に炎症などが起こり、痛みや痺れが出ると、女性であれば炊事や洗濯などの家事に支障が出ますし、男性であれば仕事に影響が出ます。
学生であれば勉強に集中できずに成績が落ちてしまうこともあるかもしれません。
この様に、普段の動作が難しくなってフラストレーションが溜まってしまいます。
手首の痛みと聞くと腱鞘炎を思い浮かべる人も多いかと思いますが、腱鞘炎についてはすでに知識があり、それ以外に考えられる原因も気になるところです。
そこでこの記事では、手首が痛くなる原因について腱鞘炎を除いたものを紹介していきます。
キーンベック病
手首を作っている関節は、前腕の骨である橈骨と手根骨と言われるいくつかの骨になります。手根骨は全部で8つあり、手首の小指側から反時計回りに豆状骨、三角骨、月状骨、舟状骨、大菱形骨、小菱形骨、有鉤骨、有頭骨になります。
キーンベック病はこの中の月状骨が潰れて扁平化してしまう病気です。
原因は不明ですが、手をよく使う職業に就いている青壮年の男性に多く見られます。
月状骨は周囲を軟骨に覆われているため血流に乏しく、壊死しやすいので、レントゲン検査において通常白く見える骨が月状骨の部分だけ暗くなってしまいます。
診断としては手首の痛みや腫れ、握力の低下に加えて手の甲の中央に押すと痛い点(圧痛点)が見られます。
レントゲン上では初期は潰れた月状骨、末期では輝度変化が見られれば診断がつきます。
MRI検査によってさらに詳しい状況を調べることができます。
初期であれば安静やギプス、装具などで固定しますが、治らない場合は様々な手術が行われます。
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舟状骨骨折
舟状骨は親指の骨の列にあるため、他の手根骨とは45度ほど傾いて見えます。ですので、疑ってレントゲンを撮らないと見逃してしまうことがあります。
さらに、舟状骨は骨折を放置すると骨が分離したままの偽関節となってしまいやすいのが特徴です。
骨折した直後の急性期では手首の親指側が腫れ、痛みを生じます。
急性期をすぎると一旦症状は良くなりますが、偽関節を作ってしまうと手首の関節が変形してしまい手首の痛みが出てきます。
スポーツや交通事故などで、手首を手の甲側に曲げ(背屈)た状態で手をついたときに起こりやすいです。
舟状骨も血行が悪いため治りにくいですが、早期に発見された場合はギプスや特殊なネジによって固定をします。
偽関節を作ってしまったものは手術によって治療します。
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撓骨遠位端骨折
橈骨(とうこつ)とは2本ある前腕のうち親指側にある骨で、遠位(えんい)というのは体幹から見て遠い方、すなわち手首の近くで折れているのが遠位端骨折となります。手のひらをついて転んだときには前腕と手の位置関係がずれ、食器のフォークを伏せておいたような形になります。
橈骨は手根骨と関節を作っているため、橈骨遠位端が折れてしまうと手首を支えることができなくなります。
折れた骨や腫れが周囲の神経を圧迫し、痛みや指のしびれがでることもあります。
このとき、手首側が前腕に対して手の甲側にずれたものはコレス骨折、手のひら側にずれたものをスミス骨折と呼びます。
診断としてはレントゲン検査で橈骨に骨折が見られ、さらに一箇所だけで折れているのか、それともやや複雑に折れているのかをチェックします。
治療はまず、麻酔下で痛みを取ってからずれた手首を徒手的に元に戻し(整復)、そのままギプスなどで固定をします。
このときにずれがもとに戻ってしまうものは手術が必要になります。
子どもの場合は整復が不十分でも、骨の成長によって治ることも多いので通常は手術を行うことはありません。
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ガングリオン
ガングリオンはゼリー状の物質が詰まった腫瘤で、手関節の手の甲側(背側)や、手首の親指側などにできやすく、若い女性に多く見られます。
症状としては米粒からピンポン玉くらいの大きさの腫瘤ができます。
無症状のことが多いですが、神経の側にできると神経が圧迫されることによりしびれや痛み、運動麻痺が見られます。
診断は腫瘤を注射針で刺し、ゼリー状の内容物が吸引されればガングリオンと診断します。
体表から触れることができないガングリオンに対してはMRI検査や超音波検査を用いて診断します。
治療は痛みのない限りは放置でも良いですが、痛みのある場合は内容物の吸引を続けたり、何度も再発する時には手術を行うこともあります。
関連記事:手の甲がしびれるのはナゼ?ピリピリする違和感の原因4つ!
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三角線維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)
手首の関節のうち小指側の尺骨まわりに存在する関節円板や靭帯、半月板類似体をまとめてTFCCといいます。主に外傷によって靭帯が損傷されることが原因となりますが、手関節の酷使や加齢による変性も原因となりえます。
症状は腱鞘炎に似て手首の小指側に痛みが発生し、ドアノブを回すような手首をひねる運動が難しくなってきます。
診断は触診で靱帯損傷を確認できますが、MRI検査にてより正確に調べることができます。
また、確定的な診断に関節鏡が用いられることがありますが、これは穴を開けてカメラを挿入するという侵襲性が高いものになるので、手術と同時に行われることが多いです。
治療としては消炎鎮痛剤によって痛みを軽減するとともに、ギプスなどによって固定を行います。
この保存的治療は原則3ヶ月継続しますが、症状が改善されない場合は手術が行われます。
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まとめ
いかがだったでしょうか。本文では事故や転落が原因となると書きましたが、閉経後の女性であればエストロゲンの減少に伴い骨粗鬆症になってしまう方が多いので、夜間にベッドから落ちたなどの衝撃でも骨折することがあるので注意しましょう。
手首の違和感や痛みでもこの様に注意が必要な場合もあります。
おそらく腱鞘炎だろうと、自己判断せずに一度病院に行って検査を受けるようにしましょう。