腕が上がらない!力が入らないのはなぜ?原因となる病気は?

腕が上がらない!力が入らないのはなぜ?原因となる病気は?

肩を上げる


最近の高齢化社会では、長く生きることよりも良く生きることが重要視されるようになりました。

つまり、歳を取っても若い頃と変わらない生活を送ることができるかどうかが問題となってきます。


ですが、加齢に伴い体の動きが制限されてくることがあり、その代表的なものは「腕が上がらない」、「腕に力が入らない」というものです。

そこでこの記事では、腕が上がらなくなったり、力が入らなくなる症状が見られる原因となる疾患について解説してまいります。

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腱板断裂

これは肩周りの筋肉がちぎれてしまうものです。

皆さんがよく知っている肩甲骨と腕の骨(上腕骨)を繋いでいる筋肉の中で、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋が腱板(ローテーターカフ)と呼ばれています。

これらの筋肉が機能を果たすことができなくなるので、腕が上げられないという症状が現れてきます。


特に棘上筋は断裂を起こしやすいとされ、野球や力仕事など肩を酷使する生活をしている場合には特別大きなきっかけがなくても断裂してしまうことがあり、自然に切れた場合は痛みをあまり感じない場合も多いです。

腱板は重力に逆らって腕を上げるものなので、立っている状態では腕が上げられませんが、横になった状態では他の筋肉の補助も受けて楽に腕を上げられるので、このような減少が見られた場合には腱板断裂が疑われます。

症状の酷さによって手術をするか、リハビリ(保存的治療)のみにするかは変わりますが、手術では断裂してしまった筋肉を縫い合わせることになります。

リハビリでは術後に筋力をあげることはもちろん、手術をしない場合は他の筋肉の力を強くして肩関節を安定させることが目標にされます。


腕があげられない状態が続くと筋肉は萎縮してしまって、せっかく腱板断裂自体が良くなっても腕が上げづらい、あまり重いものが持てないなど日常生活に支障が出てしまうので、いずれにしても医師の指導は適切に守りましょう。



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肩関節周囲炎

一般的には「四十肩」、「五十肩」と呼ばれているもので、原因ははっきりとはわかっていません。

肩関節を取り囲むいずれかの筋肉に炎症が起こり、痛みが発生します。

中でもよく「力こぶ」と言われる上腕二頭筋は、肩側で二股に分かれており(これが「二頭筋」と呼ばれる理由です)、長い方の腱は上腕骨が肩甲骨とくっつく(関節を作っている)付近を通っていて、そこは非常に狭いのでこの筋肉が炎症を起こすことが多いです(この場合は上腕二頭筋長頭腱炎といいます)。

ピッチャー

また、「四十肩」という呼び名から想像できるように中高年に多い疾患ですが、ストレッチが充分でないまま急に腕を回すなどの動作をした際に、ほぐされてない凝り固まった筋肉が骨に引っかかって炎症をおこす場合もあり、若い人でも注意が必要です。

身体ができていない子どもの時期に硬球を扱うリトルリーグのピッチャーなどにも多く見られるため、「リトルリーグ肩」とか「野球肩」とも呼ばれます。

治療としては炎症を抑えるものになり、局所注射やNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)の飲み薬が処方されます。



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頚椎症/頚椎ヘルニア

首から背中、腰までを支えている背骨(椎骨)の中には脊髄が通っています。

脊髄からは様々な神経が枝分かれしており、腕や手を動かしたり、腕や手の感覚を伝えている神経は首のあたりから出ています。

首を前に傾ける(へそを見るようにする)と首の付け根の背中側に出っ張るところ(隆椎)があると思いますが、この部分のやや上から腕へ向かう神経が出ています。

ですので、首の椎骨(頚椎)が変形したり、椎骨の間の椎間板がはみだしたりすることによって、脊髄や腕への神経が圧迫されることで腕が上がらなくなったり、力が入らなくなります。


また感覚神経が障害された場合には、しびれが出ることもあります。

腕枕などをして二の腕が圧迫された状態が続くと腕がしびれてきます(サタデーナイト症候群)。

この疾患は腕や指の部分的なしびれや麻痺になりますが、頚椎症や頚椎ヘルニアでは神経が枝分かれする前の太い神経の束が圧迫されてしまうので腕全体、ひいては肩まで麻痺してしまいます。


腕が上がらない他に、お椀が持てなかったり、ペットボトルなどのキャップが開けられないなどの症状が出てきます。

筋肉が原因ではないので、いくら筋トレをしても症状が改善することはありません。

対処法としては、頚椎症と頚椎ヘルニアともに首を後ろに反らせることを避けるようにしましょう。

ヘルニアは自然経過で軽快していくこともありますが、頚椎症では頚椎にできた骨の棘(骨棘)を取り除くという手術が行われることもあります。



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まとめ

腕が上がらない主な疾患3つについてご紹介しました。

筋肉が障害されて運動ができなくなるのは簡単に想像できますが、首の疾患が元で腕が動かせなくなるは意外に思われたかもしれません。


いずれの疾患も、しっかりストレッチをしたり首や肩に大きな負担をかけないようにすることで、予防ができたり症状が緩和できるので、心当たりのある方はぜひ生活習慣を見直してみましょう。



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