肩を上にあげると痛い原因は五十肩?注意したい病気2つを紹介!
スポーツをやっている人であれば、肩が痛んだり、肩が動かせないなどの肩のケガというのはよくあることですが、特に心あたりがないのに肩や腕が上がらないということがあります。
このときに多くの人が五十肩や四十肩を思い浮かべると思いますが、肩に不調が起こる原因は他にもあります。
そこでこの記事では、肩に痛みを引き起こしたり肩が上がらなくなる原因について紹介していきます。
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肩の構造
肩関節は皆さんご存知のように非常に大きな可動範囲を持っています。これは肩甲骨が背中を滑るように動くことができることも関係していますが、何より上腕骨と肩甲骨との関節が蝶番のようになっているのではなく、浅い皿に玉が乗っかっているような構造をしているためです。
可動域が広くなっている代わりに関節は不安定にならざるをえないため、その周囲はたくさんの筋肉によって補強、支持されています。
肩甲骨から上腕骨の上の方には棘上筋が、上腕骨の前の方には肩甲下筋が、後ろの方には棘下筋がありますし、他にも大胸筋といった胸の筋肉も腕を支えています。
また、肩の関節には上腕骨、肩甲骨、鎖骨といった3つの骨がありますが、肩甲骨は上腕骨との皿と玉の関係だけではなく、肩峰、烏口突起という突起を出しており、これらの突起のすぐ近くを筋肉が走行しているため、骨と骨に筋肉が挟まれてしまうというような事が起こります。
関連記事:肩が動かない!上げると痛い症状の原因と対処法を解説!
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五十肩(凍結肩、肩関節周囲炎)
従来、50歳くらいに好発する肩の痛みをまとめて五十肩と呼んでいました。しかし、研究に伴ってそれぞれの痛みの原因が異なるとして具体的な疾患名がつけられることになり、後で紹介する腱板損傷など他の疾患を除外したものを今日では「狭義の五十肩」とか国際的に用いられている「frozen shoulder(凍結肩)」と呼んでいます。
そのため、五十肩の定義としては「中高年に発症し、基地の疾患には該当せず、明らかな誘引がなく、肩関節の痛みと拘縮を来す疾患」となります。
簡単に言うと「よくわからないけど肩が痛んで動かしづらい病気」ということです。
進行としては炎症期、拘縮期、回復期の3つがあり、およそ1年ほど経過して治っていきます。
炎症期(肩が痛い時期)
炎症期は肩や腕を動かすと痛みが出るため、自分ではあまり動かさなくなります。それとともに何もしていなくても痛みが出るようになったり、夜寝ているときにも痛みが現れたりするようになります。
拘縮期(動かしにくいが、痛みは軽減)
拘縮期には肩の動かしづらさはあるものの、痛みはむしろ軽くなっていることが多いです。その後は拘縮も徐々に取れていき、肩の可動域は以前と同様までに回復していきます。
治療は保存療法で、痛みが強い場合には三角巾を使って上を安静にして痛み止めの内服を行ったり、ヒアルロン酸の注射をしたりします。
痛みが軽減してきたら関節の動きを良くするためにリハビリテーションを中心として関節可動域を広げていきます。
なかなか治らない場合には手術を行うこともあります。
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腱板損傷
腱板というのは棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋それぞれの腱のことを指しています。この中で棘上筋の腱が最も断裂しやすいと言われています。
その原因としては加齢による腱の劣化、肩峰との衝突、外傷など様々な要因が積み重なることで発症すると考えられています。
頻度としては50歳代で約10%、80歳代では約30%と非常に多くの方が発症しています。
しかし、この数字には症状が無い無症候性断裂も含まれているので、実際に痛みのある方はこれよりも少ないということになります。
もちろん若年者にも発症することがありますが、どちらかというとスポーツでボールを投げる動作によって発症することが多いです。
症状としては痛みがもっと多く、特に夜は体温が低下し、仰向けになることで上腕骨が肩の上の方に動いてしまうのでより痛みが出やすいとされています。
頻度が多いのは棘上筋ということでしたが、棘上筋は腕を水平に上げる(外転)という動作を担っているため、腱板が断裂することにより腕が上がりづらくなるという症状が出てきます。
治療としては中高年に対しては、激しいスポーツを行わない(特に肩を使うスポーツ)ことからまずは保存的な治療が行われます。
痛み止めやステロイド薬の内服、ヒアルロン酸の関節内注射を行いつつ、患部を温めたりストレッチ、可動域訓練、筋力トレーニングを行っていきます。
この保存療法によって3ヶ月から半年ほどで約7割の患者は症状が改善していきますが、残りの3割は手術を行う必要があります。
また、若年者の外傷やスポーツによる腱板損傷に対しては積極的に手術を行います。
その内容としては腱板と肩峰がぶつからないようにしたり、損傷した腱板を修復したりするというものになります。
手術を行っても再び断裂を起こす割合は少なくないですが、その痛みは手術を行う前よりはひどくないという場合が多いです。
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まとめ
いかがだったでしょうか。腕や肩は動かすことができないと日常生活に支障をきたしやすい部位です。
サッカー選手でさえも腕は使うものなので、できるだけ早めに整形外科を受診し適切な治療を受けるようにしましょう。
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