かがむと胸が痛いのは病気?違和感の原因3つを徹底解説!
胸に痛みが出る疾患は色々ありますが、心臓に近いということもあり何かと心配になってしまいます。
特に心筋梗塞や大動脈解離は命に関わってきますが、これらは安静にしていても強い痛みを生じるので、身体をかがめたりなどの運動に伴って出て来る胸痛はこれらの疾患である可能性は低くなります。
では、動きによって出てくる痛みは何なのでしょうか?
この記事では、かがんだ時に生じる胸の痛いたみの原因を3つほどご紹介していきたいと思います。
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胸椎椎間関節症
人間の背骨は椎骨という骨がいくつも連なって構成されていて、背骨のことは脊椎と呼ばれます。首の部分の7~8つの椎骨を頚椎、胸の部分の12個の椎骨を胸椎、腰の部分の5個を腰椎と呼んでいます。
そして椎骨と椎骨の間には、椎間板という組織がありクッションの役割をしています。
椎骨同士は椎間板を介する関節と、そのやや背中側で椎間関節という関節を作っています。
脊椎の中には脊髄という脳から伸びる運動神経や感覚神経、自律神経の束が通っており、脊髄からは椎間関節と椎間板の間を通るようにして神経が左右から出ています。
ですので、椎間関節を固定している靭帯が背中をひねったりしたときなどに挟み込まれたり、椎間関節の軟骨がすり減ってしまうこと、などにより痛みや炎症を起こすと椎間関節症となり、これが神経に刺激を与えると関連痛として、かがんだり背中を伸ばしたりする時に胸の痛みを生じてきます。
靭帯の挟み込みや軟骨のすり減りは、生活習慣に原因があることが多く、猫背などの悪い姿勢や運動不足が要因となってきます。
治療や対策としては姿勢の矯正や適度な運動が挙げられ、特に肥満によって脊椎への負担が大きくなっている場合にはダイエットも重要になってきます。
症状の改善があまり見られないようであれば、整形外科などを受診してみると良いでしょう。
関連記事:肋骨と背中が痛い原因は?左右で異なる病気もある!
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肋間神経痛
先ほどの脊髄から伸びている神経というのは、脊椎から出た後あばらの骨(肋骨)に沿って伸びていきます。その神経に沿って痛みが生じてくるのが肋間神経痛です。
原因としては胸椎椎間関節症もありますし、帯状疱疹(帯状疱疹については下で詳しく解説します)、ストレスなどもありますが、肋間神経痛との診断がつけられる場合の多くは検査によってはっきりとした異常が認められず、ストレスが原因ではないかと言われるようです。
この診断の付け方は本人にとって痛みが続いているのに、その原因がわからずさらにストレスを感じてしまうという悪循環に陥ってしまう可能性があります。
また、神経の痛みは「障害受容性疼痛」、「神経障害性疼痛」、「非器質性疼痛」の3つに分類されます。
障害受容性疼痛はケガなどによる痛み、神経障害性疼痛はその名の通り神経自体の痛み、非器質性疼痛は心理的な要因による痛みで、実は肋間神経痛は侵害受容性疼痛に分類されています。
この説明を読むと、ストレスは原因となっていないではないか??ということになりますが、厄介なことに神経障害性疼痛は原因が除去されても痛みが持続するという特徴があります。
この痛みがストレスのもととなり、原因が特定できない肋間神経痛となってしまうのです。
よって痛みを根本的に取り去ることは難しいので、痛みを和らげるために体を温めることが重要になります。
関連記事:肋骨の痛みはひびじゃない?右側が痛い原因をチェック!
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帯状疱疹
帯状疱疹の特徴は身体に帯状に皮疹が出ることで、この帯は神経の走行に沿っています。はじめは、皮膚にチクチクするような痛みが出て、次第に痛みのある場所に一致して赤いぶつぶつした発疹が出て水疱(水ぶくれ)となってきます。
帯状疱疹の原因は水ぼうそうを起こしてくるウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)になります。
多くの人が子どもの頃にかかる水ぼうそうですが、症状が治まっても水痘帯状疱疹ウイルスは身体からいなくなっているわけではなく、神経節という神経の細胞が集まっているところに隠れています。
この隠れているウイルスはストレスなどによって免疫力が低下した時に帯状疱疹を起こしてきます。
症状の進行としては水疱がかさぶた(痂皮化)になると落ち着いてきます。
痛みが起こってから、かさぶたが無くなるまではおよそ1ヶ月弱かかります。
治る疾患であるとはいえ、服が擦れるわずかな刺激にもピリピリとした痛みを感じることがあるので、早めに皮膚科を受診し、水痘帯状疱疹ウイルスに対する抗ウイルス薬や痛み止めとして消炎鎮痛薬などを処方してもらうと良いでしょう。
また、帯状疱疹が消えた後に神経が慢性的に痛む「帯状疱疹後神経痛」が続発してくることもあるので注意しましょう。
関連記事:帯状疱疹になったら仕事は休む?対処法や治し方も解説!
まとめ
いかがだったでしょうか。帯状疱疹が動きによって、痛みの増強を感じるということはあまりありませんが、それでも非常に激しい痛みを生じるので紹介いたしました。
他にもあばらを強くぶつけたなどであれば、肋骨骨折の可能性もあります。
痛みが続くようであれば、できるだけ早く病院に行き適切な治療を受けるようにしましょう。
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