股関節の内側が痛い原因は?歩くとツラい時の対策は?
膝の痛みや腰の痛みはよくメディアで取り上げられていますが、股関節の痛みはあまり注目されません。
ですが股関節の痛みに悩まされている方は多いのは事実ですし、膝や腰の痛み同様に日常生活に支障をきたしてきます。
そこでこの記事では、股関節の特に内側の痛みについてスポットを当てて解説していきます。
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内転筋筋膜症候群
内転筋とは、脚を閉じるときに使われる筋肉の総称です。そして筋膜は筋肉を覆っている薄い膜になります。
内転筋を酷使してしまったり、繰り返し動作によって筋肉に負荷がかかってしまうことが原因とされています。
普段から内転筋を使っていない場合でも、急に激しい運動をしたり負荷をかけるような動きをしたときに引き起こされることも考えられます。
この症候群によって発生する痛みは強烈で、歩くことも難しくなります。
歩行によって痛みが出ますし、体重が股関節にかかっている状態で腰をひねるといった動作ができなくなります。
あぐらもかくことが困難になり椅子に座って脚を組むことも辛くなってきます。
痛みの根本となっている部分には小さなしこりのようなもの(硬結、トリガーポイント)があるのでこれを小さく、またはなくしていくことが主な対処法となります。
整形外科やペインクリニックにおいて、このトリガーポイントにダイレクトに局所麻酔薬を注射するのが、一般的な治療となっています。
その他にもカイロプラクティックにて指圧してもらうのも効果できです。
自分で行う際にはあまり長くやってしまうと今度は自分の指などを痛めてしまうので、テニスボールなどを使ってトリガーポイントを圧迫すると良いでしょう。
関連記事:股関節がつるような痛みの原因は?改善しないのはなぜ?
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変形性股関節症
関節の表面にある関節軟骨は軟骨細胞とコラーゲン、プロテオグリカンが主成分になり、血行や神経の分布はありません。関節症では機械的な刺激によって関節軟骨がすり減ってしまい、かつ関節の周囲を取り囲んでいる滑膜という膜が炎症をおこすことで変性が加速します。
また、骨と骨同士がぶつかることにより大腿骨や骨盤の骨が変形し骨の棘のようなもの(骨棘)か形成されてきたり、軟骨直下にある骨が硬化してくるのがみられます。
患者の多くは女性で、発育するのに伴って股関節が十分に形成されてこない「発育性股関節形成不全」の後遺症だったり、子どものときの発育障害の後遺症が原因の約80%を占めています。
また、最近では高齢化社会が問題になっていますが、明らかな原因となる疾患にかかったことがなくても加齢とともに股関節症を発症してくるケースが増加してきています。
症状としては、立ち上がるときや歩き始めるときに脚の付け根(鼠径部)に痛みを感じます。
症状が進行してくると痛みが強くなってきて、常に痛むようになったり夜の痛みが現れてきます。
また、足の爪切りが辛くなってきたり、長い時間立ったり歩いたりすることが難しくなってきます。
主婦の場合には台所仕事などが厳しくなってきます。
診断はレントゲン検査によって行います。
骨盤と大腿骨の頭との間が軟骨のすり減りによって狭く見えたり、骨棘の形成などが見られます。
治療は、まずどのような動きをすると痛みが強くなるのかを確認することが重要です。
痛み止めを使うこともありますが、身体を動かすことによって痛みが出てくる場合には痛みを落ち着かせることで無理に動かしてしまい関節へのダメージを与えてしまうこともあるので、どうしても股関節に負担をかけなければいけないときに限って使うほうが良いとされています。
また、痛みがあって歩くのが辛くなってくると動く機会が減ってしまって筋肉が衰えてしまいます。
ですので、関節に負担をかけないように水中歩行をしたり、水泳を行うと良いでしょうただし、平泳ぎは股関節を大きく動かす泳ぎ方なので避けたほうが良いです。
このような治療を運動療法と言いますが、運動療法は少なからず関節を動かすので痛みを誘発してしまうことがあるので初めは「なんだこれくらい全然平気だ」というレベルの運動強度から始め、徐々に強度を高めていくことがポイントになります。
以上に挙げた保存的治療で症状が改善してこない場合は、骨切り術や人工関節置換術を行います。
関連記事:股関節が痛い時にウォーキングはNG?対処法や予防法を解説!
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大腿骨頸部骨折
大腿骨は普通なかなか折れません。骨折してしまう場合には、骨盤との関節部分と太物の部分の間にあるくびれたところ(大腿骨頸部)から折れることが多く、背景には骨粗鬆症がある場合が多いです。
つまり、高齢者が転んだときに大腿骨を骨折してしまうケースが大半になります。
もちろん交通事故などの高エネルギー外傷でもありえますが、救急搬送されると出血量の観点から大腿骨や骨盤の骨折は必ずチェックされるので、ここでは骨粗鬆症によるものを考えます。
特に女性は閉経が起こるとエストロゲンの量が減少し、エストロゲンが担っていた骨新生(骨を新しく作ること)が弱くなってしまうので骨がスカスカの状態になってしまいます(骨粗鬆症)。
大腿骨骨折では、手術によって折れた部分を固定することが必要になります。
関連記事:骨盤の右側の痛みが続く原因は?チェックしたい5つの病気!
まとめ
いかがだったでしょうか。多くの場合は内転筋筋膜症候群や変形性股関節症が原因となります。
いずれも早めに病院の受診をすることで症状が良くなるので、整形外科などの受診をおすすめします。