尿の細かい泡が中々消えない!原因と気を付けたい病気!

尿の細かい泡が中々消えない!原因と気を付けたい病気!

男性


男性用の小便器ではあまり考えることはありませんが、大便器(家庭のトイレ)に小の用を足すときに尿の泡立ちが中々消えないということはありませんか。

もしかしたらそれは重大な病気のサインかもしれません。


尿に関する病気と聞くと一体どんなものがあるのかと気になってきます。

そこでこの記事では、尿の泡立ちが目立つ原因となる病気を紹介していきたいと思います。

脱水

尿には正常でもウロビリノーゲンという物質が含まれていて、この物質の界面活性作用により泡立つようになっています。


高い気温の中にいたり運動によってたくさん汗をかいた後や、乾燥する冬などに水分をあまり取らずに過ごしていたときなどは尿が濃くなってしまい、泡立ちが目立つようになります。

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糸球体腎炎

糸球体腎炎は具体的な病名ではなく、様々な糸球体の炎症の総称になります。

そもそも糸球体というのは腎臓に数え切れないほどある、毛細血管がぐるぐると毛糸のようにまるまっている組織です。


糸球体の構造としては電球とフィラメントを想像していただくとわかりやすいかと思います。


この糸球体では血液をろ過することで尿のもとである原尿を作っています。

糸球体に炎症が起こると糸球体腎炎と呼ばれ、タンパク尿や血尿が見られます。


1年以上続くと慢性糸球体腎炎と呼ばれるようになり、その中でもIgA腎症という糸球体腎炎が多くを占めます。

IgA腎症

ここからはIgA腎症に絞って説明していきましょう。

IgAとは免疫グロブリンAというもので、抗体の一種です。

喉や気管支などに多く存在し、やたらめったらな感染を防いでいます。


やってきた細菌などにくっついて免疫複合体というものを形成し、血液中に流れていくと最終的に腎臓に流れ着きます。


腎臓にやってきた免疫複合体は糸球体にどんどん溜まっていき、腎炎となってしまいます。

IgA腎症の好発年齢は20代前半と若いですが、中年以降でも発症することがあります。


症状としては無症状であることが多く、健康診断の尿検査で発見されるものが大部分です。


慢性糸球体腎炎ですので尿中にはタンパク質が漏れ出てきていたり、肉眼的には見えなくても血尿になってしまっています。


尿中タンパク質が多いと泡立ちが出てくるということになります。

IgA腎症は病気の原因がはっきりと分かっておらず、根本的な治療はありませんが食事療法や薬物治療を行います。



関連記事:尿が白く濁る4つの原因!今すぐにできる対処法も徹底解説!

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糖尿病

言わずと知れた生活習慣病です。糖尿病では摂取した糖が血液の中に溢れてしまっています。

食後には腸から吸収した糖が血液中に移行するので血糖値は高くなりますが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって血糖値を下げています。


血糖を下げるホルモンはインスリン以外ありません。

というのも血糖値が高いことによってすぐに命が危ないということはなく、むしろ低血糖の状態では意識が消失したりなどの重篤な病態になってしまうためです。


糖尿病ではインスリンの出が悪くなったり、インスリンが効きにくくなってしまうことによって血糖値が高くなってしまいます。


すると尿中にも糖が出てきて、尿糖が検出されます。

昔の人は尿を味見してみたのか、糖のように甘いということで糖尿病と名付けたようです。


尿糖が出ているということはその分尿の濃度が高いということなので尿の泡立ちは強くなります。

糖尿病はそれ自体よりも合併する心筋梗塞や末梢神経障害、網膜症などがクリティカルな疾患なので、日頃の食生活や運動習慣に注意しましょう。



関連記事:尿が泡立つ原因は?これは病気の症状なの?何科に行けば良いの?

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多発性骨髄腫

血液中には酸素を運搬する役割を持っている赤血球や止血作用のある血小板、免疫を司っている白血球やリンパ球といった細胞が流れています。


そしてこれらは骨の中にある骨髄というところで造血幹細胞という、例えるなら血液細胞になれるiPS細胞のような細胞からそれぞれの機能を持った血液細胞へと成熟(分化)していきます。


多発性骨髄腫はこれらの血液細胞のうち、形質細胞という細胞が悪性化した腫瘍になります。


形質細胞は元々抗体を作っている細胞で、悪性化してもその機能を忘れることなく抗体を作り続けます。


しかし、骨髄腫細胞は異物に対して何の役にも立たない抗体(Mタンパク)を作ってしまいます。

このM蛋白の一部は尿に排出され、このタンパクをベンスジョーンズ(Bence-Jones)タンパクといいます。

尿中にタンパクが出ているので尿の泡立ちが見られることがあります。


多発性骨髄腫はその原因がはっきりと分かっておらず、日本では10万人あたり約5人に発症すると言われています。

40歳未満での発症は非常に珍しく、年を経るごとに発症数が増加してきます。


尿の泡立ちの他に息切れや動悸といった貧血症状や出血が中々止まらないという症状、やたら骨折が多いといったもの、身体のむくみが見られる場合にはこの疾患を疑うことになります。

治療は薬物治療が基本になります。



関連記事:血尿が出る原因で男性が気をつけたい3つの病気!

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回の記事では、尿の泡立ちにスポットを当てて解説しましたが、泡立ち以外にも色や排尿時の痛みなども気になる症状です。


尿はかつて尿専門の医者がいたほど多くの情報をもたらしてくれます。

どんな些細なことでも医師にとっては重要なキーワードとなることもあるので、尿だからと軽く考えず病院を受診するようにしましょう。



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