腰の引っかかる感じの痛みが気になる!痺れ始めたら危険?

腰の引っかかる感じの痛みが気になる!痺れ始めたら危険?

腰


屈んで落としたものを拾ったり、姿勢の維持をしたりなど、我々の生活の中で腰はあらゆる運動に欠かすことができません。


そのため、引っかかるような感じなどの違和感には気づくことも多いです。

そこでこの記事では、腰の引っかかる感じの原因と、その症状、特にしびれについて詳しく見ていきたいと思います。

腰回りの構造は?

引っかかる感じというのは、その部分が通常とは異なる構造を取っているということを表していて、このズレを理解するためには、元々はどんなつくりをしていたかをわかっていることが大切ですので、はじめに少し詳しく説明していきたいと思います。


まず、普段我々が「背骨」と呼んでいるものは「椎骨」というブロック状の骨がいくつも重なって構成されているもので、医学的には「脊柱」と呼ばれます(動物学的には脊椎でしょうか)。


骨同士がぶつかってしまうのはよくないので、椎骨と椎骨の間には「椎間円板」という繊維組織があり、クッションの働きをしています。


また、椎骨自体の構造としては前方が「椎体」というブロック状の骨、後方が「椎弓」と呼ばれるアーチ、そして椎弓の頂点から背中側に飛び出るようにしてある数センチの「棘突起」が挙げられます。


先ほどの椎間円板は椎体と椎体の間にあります。

椎弓は椎骨の重なりによってトンネル様の構造を作り、これを「脊柱管」といいます。

脊柱管の中には「脊髄」という神経の束が通っています。


また、棘突起も上下に連なっていますが、その間は「棘間靭帯」という靭帯が結んでおり、背骨の過度な屈曲伸展を抑えています。

脊柱全体としてはS字を描くようにして、首と腰のあたりでは前方に、胸のあたりでは後方にそれぞれ湾曲しています。

これらのことを頭においた上で、次の項からの「引っかかりの原因」について見てみましょう。

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腰椎椎間板ヘルニア

この疾患名を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

これは椎間円板の中の「髄核」が椎体の間から飛び出してしまい、脊柱管を狭め、脊髄の圧迫を引き起こしてしまいます。


加齢に伴う椎間板の変性や、重いものの持ち上げ、スポーツなどで発症すると言われています。


また、同じ家計の中に多発したり(家族集積)、仕事上のストレスが関わっていたりといくつかの要因が重なって起こります。

好発年齢は働き盛りのアクティブな男性とされ、腰の中でもやや下の方での発症が多いです。


症状としては腰痛と片脚の痛みが最も多く、これらの症状は運動によって悪化し、安静にすると次第に良くなるという傾向があります。

さらに、脚の痛みは咳やくしゃみで悪化することもあります。

また、長時間同じ姿勢を取っていると腰や脚が重苦しく痛むという場合にも腰椎椎間板ヘルニアが疑われます。


治療としては保存療法か手術療法が選択されますが、多くの場合は痛み止めや神経ブロック、安静などの保存療法によって3ヶ月以内に症状が良くなっていきます。

ただし、症状が急激に進んでいる場合や保存療法が全く無効な場合には手術の絶対適応となります。


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棘間靭帯クリープ

クリープというのは、引き伸ばされて緩んでしまった状態のことをいいます。

すなわち、棘間靭帯クリープは棘間靭帯が緩んでしまい、脊柱の前後運動の範囲が広がってしまった状態を指します。

なぜ、このようなことが起こってしまうかというと、最も考えられるのは「長時間の悪い姿勢」です。


特にデスクワークが主な仕事内容である方には注意していただきたいもので、腰を丸めた姿勢で長時間パソコンなどを操作していると、腰のあたりでの脊柱の前湾が崩れ、後湾、すなわち椎骨が前の方へうつむいたような形になってしまいます。

すると椎骨の後ろ側にある棘間靭帯が引き伸ばされ、緩んでしまいます。


こうなってしまうと、通常ではあまり力のかからない棘間靭帯にも圧力が集中してしまうことになり、棘間靭帯が挟み込まれ、これが腰の引っかかりとなって感じられるということになります。


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痺れ始めたら危険か?

上記で解説した疾患は、いずれも脊髄やこれから伸びる神経を圧迫することで症状が出てきます。

発症しても症状が見られないまま過ごされていることもありますが、痛みやしびれが見られ始めた時には早めに医療機関を受診したほうが良いでしょう。


また、急速に症状が悪化していった場合は特に要注意です。

ヘルニアは悪化してしまうと脚の痛みやしびれだけでなく、排尿障害(残尿感、力みによる尿もれなど)が見られることもあり、ときに不可逆(元に戻らなくなること)となってしまうので早めの治療が必要となります。


関連記事:腰がしびれるのはなぜ?痛くない場合は普通の腰痛と何が違う?

まとめ

いかがだったでしょうか。

腰は「要」という文字が含まれているように、非常に重要な部分です。

腰には脚への神経だけではなく、排尿に関わる神経なども存在しているため、違和感があると思ったら、お忙しいとは思いますが早めに医療機関を受診したほうが良いでしょう。


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