口の中が冷たい感覚がする原因は?ただの冷え性ではない?

口の中が冷たい感覚がする原因は?ただの冷え性ではない?

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私たちの身体は神経による支配を受けています。

その中には感覚を感じ取るものがあり、温かい、冷たい、痛いといったものを感知しています。

これは口の中も例外ではありません。この記事では、口の中の冷感について紹介していきたいと思います。

口の中の神経支配

これを説明するために、まず脳神経12対というものについて見ていきましょう。

普段、私たちが腕や脚を動かしたり、手で物に触れている感覚などを伝えたりする神経は、脳から伸びる脊髄という神経の束から枝分かれしてそれぞれの部分に分布しています。


これに対し視覚や嗅覚、聴覚などの感覚を司る神経の多くは脳から出て顔の各部に分布しているため、脊髄に束ねられることなく目や鼻、内耳などに分布しています。


このような神経は左右それぞれ12本ずつあり脳神経12対と呼ばれ、番号が付けられています1番から順番に上げていくと

  • 嗅神経
  • 視神経
  • 動眼神経
  • 滑車神経
  • 三叉神経
  • 外転神経
  • 顔面神経
  • 聴神経
  • 舌咽神経
  • 迷走神経
  • 副神経
  • 舌下神経
となります。

もしかしたらいくつかは聞いたことのあるものかもしれません。

さて、12本もある脳神経ですが、この中の三叉神経が口の中の神経を支配しています。

三叉神経はその名の通り「みつまた」に分かれている神経で、それぞれ眼神経、上顎神経、下顎神経と呼ばれます。

3つのうち口に関係がありそうなものはどれでしょうか。

字を見ても明らかなように上顎神経と下顎神経です。

それぞれを詳しく見てみましょう。

上顎神経はさらに枝分かれを重ね、上くちびるや上顎、頬の内側の手前側の感覚を司っています。

下顎神経は下くちびるや下の粘膜、頬の内側の感覚を担当しています。


また、それぞれの神経は筋肉を動かす運動神経の線維も含んでいますが、今回は感覚(特に温冷覚)についての話ですので省略しています。

このように、口の中の感覚を伝える神経は複数あるということになります。

次の項からは口の中の冷涼感の原因について紹介していきましょう。


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冷え性

冷え性というよりも末梢の循環障害といった方がいいかもしれません。

末梢というのは心臓から伸びる全身の血管のうち、より身体の先であるということです。

わかりやすい例では指先やつま先などが挙げられます。

これらの部位の血管はいわゆる毛細血管となっていて、血圧が下がったり、血液の量が減ったりするとその影響を受けやすいです。

その症状の1つとして冷え性と呼ばれる、指先やつま先が冷たいという症状が挙げられます。

血液というのは栄養や酸素、老廃物を運ぶ以外にも熱を運ぶという役割を担っているためにこのような症状が出てきます。

水は熱を蓄えやすいですかです。


では、口の中が冷えるというのはどういう状況でしょうか。

最も考えられるのは、周囲の空気が冷たい環境で口呼吸をしていることです。

すなわち、口の中に何か病気があるというわけではなく、例えば鼻が詰まっていたり、息が切れていたりする時に口で呼吸することによって、口の中が冷たくなるということになります。


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キシリトールやメントール

これらは食品に含まれていたり、皮膚クリームに含まれていたりする清涼成分です。

それぞれ清涼感を感じるメカニズムが少し異なるので解説していきましょう。


まず、キシリトールですが、こちらは天然の甘味料でもあり、口の中で唾液に溶ける時に周囲の熱を奪う(溶解熱が吸熱反応であるということです)ために冷たさを感じます。

余談ですがキシリトールには虫歯のリスクを低減するはたらきもあります。

一方でメントールはハッカなどに含まれる成分で、低温を感知する神経に作用して、あたかも温度が下がったように感じさせるというメカニズムで清涼感を感じます。


メントールが神経細胞の中の冷たさを感知するセンサー(冷感受容体)にくっついて刺激されるということですが、メントールが受容体に結合すると冷たさを感じると同時に低温刺激に対する感度も上げてしまいます。

このことを閾値(いきち)の低下といいます。


つまり、通常では冷たいと感じない程度の冷たさでも冷たく感じてしまうということです。

このようなことが起こっているため、ハッカ飴を舐めた後などは水を飲んだ時に普段よりも冷たいと感じます。

また、水を含まなくても口で呼吸をするといつもより空気を冷たく感じ、スースーするような感覚になります。

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神経障害

あまり耳にすることはありませんが、温度を感知する神経がおかしくなってしまうことでそのセンサーも狂ってしまい、それほど冷たいわけではない液体や気体を「非常に冷たい」と感じてしまうということが考えられます。

神経障害をきたす原因となる疾患はとてもたくさんあるため、病的なものであれば医療機関でも検査が必須となります。


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まとめ

いかがだったでしょうか。

口の中が冷たく感じるという症状はあまり遭遇するものでなく、日常的に起こりうるものについて紹介しました。

はじめの2つに心当たりがなければ、まずは医療機関を受診する必要があるでしょう。

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