ものを噛むとこめかみが痛いのはナゼ?気になる原因を解説!

ものを噛むとこめかみが痛いのはナゼ?気になる原因を解説!

男性


最近では昔ほど硬いものを食べなくなり、噛む回数も少なくなっています。

それによって、満腹感がなかなか得られずに、食べすぎてしまうことが問題になったりもしていますが、その他の問題として、ものを噛んだ時に、こめかみの辺りに痛みを生じることがあります。

この症状の原因は顎関節症であることが多いのですが、これは普段の習慣が原因となっていることが多いのです。

そこで、この記事では顎関節症に早めの対処をしていただくべく、この病気について少し詳しく解説いたします。

スポンサーリンク


顎関節症の原因と病態

顎関節症は発症のしやすさ(素因)と発症の引き金(発症因子)、そして症状を長引かせる原因(持続因子)の3つが関係しあって症状が出てきます。

具体的に挙げていくと頭部に悪い癖があったり姿勢が悪い、噛み合わせがあっていない、ストレス、外傷、他の疾患などがあります。

それぞれのチェックについては次の項で説明していきます。


これらの原因によって顎の関節に不具合が生じて口が開けにくくなったり、ものを噛んだ時にこめかみの痛みを感じるといった症状が現れます。

顎の関節は通常頭の骨にある、くぼみに下顎の骨が入り込む構造をしており、頭の骨と下顎の骨の間には関節円板というクッションのようなものが挟まれています。


口を開ける時、関節円板は下顎の骨がくぼみから前の方に出ていくように動きます。

耳たぶの根元あたりに手をあてて、口を開けてみるとよくわかると思います。

口を閉じる時はその逆で下顎の骨をくぼみに戻すように動きます。


このように、関節円板はものを食べる時に頭の骨と下顎の骨がスムーズに動くように働いています。

ですが、悪い癖を続けたりしているとこの関節円板が前方や後方にずれてしまい、口を開閉する時に関節円板が引っかかったり、関節円板が擦れて関節を内張りしている膜(滑膜)に炎症が起きたりします。

この状態を顎関節症と呼んでいます。

スポンサーリンク


顎関節症のセルフチェック

日本顎関節学会が発表している、自分でできる顎関節症のチェック法があります。

項目は、
  • 人差し指から薬指の3本を立てて口に入れられるか
  • 口を大きく開け閉めした時に顎の痛みがあるか
  • 口を大きく開いた時にまっすぐ開くか
  • するめなどの硬いものを食べる時に顎や顔が痛むか
の4項目についてそれぞれ1点から5点で評価(悪いほど高得点)し、8.6点以上であると顎関節症の危険があります。


なぜこのような中途半端な点数が基準になっているかというと、点数と顎関節症との関係を見た時に必ずしも区切りの良い点数が平均とならないためです。

合計点が低かった人でも口の開け閉めに顎の痛みを伴う場合は、顎関節症の可能性が否定できないので専門医を受診することが推奨されています。



関連記事:頬が痛い原因を解説!意外と知らない鼻との関係!

顎関節症の予防

子供


顎関節症にならない、あるいは症状を悪化させないためには顎の悪い癖をただすことが重要です。

具体的には頬杖をついたり顎を頻繁に動かす、無意識に歯を食いしばっていることが挙げられます。

これはものを噛む時に使われる筋肉(咀嚼筋)や顎の関節に疲労がたまり、やがて顎関節症を発症してしまいます。


他にもかみ合わせが悪くなるような癖、例えば片方の顎だけでものを噛んでしまうことや、頭だけを横へ向けてテレビを見ながら、ご飯を食べるなどの癖があります。

また、精神的なストレスが原因となることもあります。

ですので、これらの癖を修正し、精神的に健康な生活をおくることが顎関節症の予防および対策になります。

スポンサーリンク


顎関節症の診断と治療

すでに述べたように、顎関節症は関節円板のズレが原因となっていることが多いです。

一般的な検査でレントゲン撮影がありますが、レントゲンでは関節円板は写らないので下顎の変形などの確認に使われます。

関節円板の様子を観察するためにはMRI撮影を使用します。

レントゲンはX線を利用していますが、MRIでは磁気と電波を利用しているので、様々な角度から見た断面の写真を構成することができ、より有用な診断ができます。


顎関節症の治療は基本的には痛み止めの薬を飲み、さらに噛み締めたときの負担を軽減するスプリントと呼ばれるプラスチック製の板を、歯に被せるといったことが行われます。


これで症状が改善しない場合には麻酔をして外からずれた関節円板の位置を直したり、潤滑剤を注入することがあります。

また、症状がひどい場合には手術が行われます。

家庭でできることとしてはフランスパンやビーフジャーキーなどの硬いものを避けた食事をしたりなど、顎に負担のかからない生活を心がけることが重要です。

首をポキポキと鳴らすといった癖も直すようにしましょう。



関連記事:ほっぺたが腫れて痛い!原因は病気の可能性もある?

まとめ

いかがだったでしょうか。

顎関節症は現代において非常に一般的な病気になりつつあります。


予防のためには日頃から顎に負担をかけないように気をつけることが重要ですが、それがストレスとなってしまっては、元も子もないので悪い癖は気づいた時にそのつど直していく、というようなスタンスで備えていくと良いでしょう。



関連記事:唇が麻痺した感じが続く!原因として考えられることは?

スポンサーリンク



このページの先頭へ