血を吐く原因は?ストレス以外の気を付けたい5つの病気を徹底解説!

血を吐く原因は?ストレス以外の気を付けたい5つの病気を徹底解説!

女性


普段、食べ物や飲み物を取り入れている口から突然血が出てきたら驚いてしまいますが、何度も繰り返すものではない時には放置されてしまうことも多い症状です。

ところが、その血を吐くという症状は大きな病気のサインであることもあります。

そこで、この記事では血を吐く原因として挙げられる主な病気5つを解説いたします。それぞれの病気の特徴や原因なども解説しますので、生活習慣を見直すなどにお役立て下さい。

マロリーワイス症候群

飲酒後に嘔吐と吐血を繰り返す場合にはマロリーワイス症候群が疑われます。

何度も嘔吐することでお腹の中の圧が上がり、食道と胃がつながっている部分(噴門部))に縦方向の亀裂(裂傷))ができてそこから出血することで吐血となります。


必ずしも飲酒のみが原因となるわけではありません(全体の30~50%)が、10:1の割合で男性に多く、特に中年男性に多く見られます。

治療としては裂傷が深い(潰瘍)の場合には入院して絶食、点滴、胃酸の分泌を抑える薬剤の投与が行われます。

殆どの症例で手術をすることなく、保存的に治療することができるので、気づいたら早めに病院を受診しましょう。

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癌(ガン)

血を吐くようなガンはもちろん口につながっている肺、食道、胃が主なものです。

同じ血を吐くという症状ですが、肺や気管など呼吸器系からの出血によるものを喀血(かっけつ)、消化管からの出血によるものを吐血(とけつ)と言います。

喀血は咳に伴って出てきた鮮やかな赤色をしており、吐血は赤黒い色をしていることが多いです。


ガンによる吐血や喀血は、ガン細胞が正常な細胞を押しのけて増殖し、周囲の血管や腫瘍の塊の中にできた血管が破れることで出血します。

ですので、ある程度進行しないとこれらの症状は現れてきません。


また、肺ガンや胃ガンは男女ともにガンの中でもかかりやすく、そして死亡者数も多いガンですので血を吐く症状が出たらすぐに病院へ行きましょう。

早期発見(ステージ1など)が出来れば胃ガンは92%、肺ガンは種類にもよりますが、良いもので90%の割合で診断から5年間の生存期間があります。


肺ガンでは悪いものだと10~20%で5年生きるかどうかという割合になってしまいますので、タバコを吸う人に限らず(女性がなる肺ガンはタバコと関係ないものが多いです)定期的な健診が必要です。



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食道静脈瘤

食道にある静脈がなんらかの原因でパンパンに膨らんでしまい(怒張)、それが破裂してしまうことにより吐血を起こします。

食道静脈瘤となる原因として最も多いのは肝硬変です。


胃や腸から摂取した食べ物の栄養が運ばれてくる血管が集まっており、それらが一緒になって門脈という血管になって肝臓へと流れ込んでいきますが、肝硬変になってしまうと、空気がすでに入っている自転車のタイヤに空気が入れにくいように、門脈から肝臓に血液が流れにくくなってしまいます。


すると肝臓へ入れない血液は、他の血管に逃げていきます。

この逃げる先の血管を側副血行路といいますが、代表的なものは臍の周りや食道の静脈になります。

食道に血液が流れていった結果食道静脈瘤となります。

臍へいった場合は「メデューサの頭」と呼ばれる、怒張した血管によって盛り上がった皮膚が見られます。

食道静脈瘤自体の治療は内視鏡を使って出血部位を圧迫したり、体内の血液量が減ってしまわないように輸血や点滴が行われます。



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肺結核

口


風邪のような症状が、何週間も続いているようなら肺結核かもしれません。

結核は結核菌が肺に感染することにより発症し、同時に炎症が起こると肺に穴があいてそこから出血することによって喀血を起こします。


進行すると肺の穴が大きくなり、呼吸不全になってしまい死に至る危険な状態となってしまいます。

かつては不治の病として恐れられていましたが、現在は治療が可能な病気で、むしろ感染しやすいことのほうが怖いので、ただの風邪だと思わずに病院へ行くことが重要です。



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胃十二指腸潰瘍

胃酸は非常に強い酸で、粘膜の保護作用が弱くなると容易に粘膜を障害してしまいます。

消化管の粘膜が深く傷ついた状態を潰瘍といいますが、潰瘍ができた部位によって胃潰瘍とか十二指腸潰瘍と呼ばれます。

消化管にできる潰瘍のうち、頻度が高いのは胃とそのすぐ先の十二指腸になります。

原因はピロリ菌やNSAIDs(エヌセイズと読みます。非ステロイド性消炎鎮痛薬)によるものが多いですが、ピロリ菌は除菌方法も確立されているので発見された場合にはすぐに治療を受けることができます。


また、NSAIDsは痛みの原因となっている物質(プロスタグランジン)を抑制することで痛み止めの効果を発揮しますが、プロスタグランジンは胃粘膜保護作用もあるので胃粘膜が胃酸にやられてしまい潰瘍を作ってしまいます。


ですので、整形外科などでロルカムやボルタレン、ロキソニン(いずれもNSAIDsの一種)といった薬が処方される際には胃薬も一緒に出されることが多いです。

吐き出される血の性状は胃酸と混ざるため、コーヒーの残りカスのようなものになります。



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まとめ

いかがでしょうか?想像以上に深刻な病気もあったのではないでしょうか。

血を吐くというのはあまり無いことなので、おかしいと感じたらすぐに救急車を呼ぶか病院へ行きましょう。

また、ガンや肝硬変は定期的な健診と日々の食生活で進行を遅らせたり、発症を予防することができるので、普段からバランスの良い食事などを心がけるようにしましょう。

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