青あざができやすいのは体質?意外な病気の可能性も!
どこかに身体をぶつけて、青あざを作ってしまうことは日常的によくあることです。
しかし、あまりにもあざの個数が多かったり、特にぶつけた覚えがないのにしょっちゅう青あざが出来ている場合は、何かの病気である可能性があります。
そこでこの記事では、「青あざ」ができやすくなってしまう病気についていくつかご紹介いたします。
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あざができやすいのは血液の病気
通常、血液は主に骨の中の骨髄というところで作られています。骨髄の中で血液成分が作られることを骨髄造血と言います。
造血において、全ての血液成分の大元は造血幹細胞と呼ばれるもので、これは赤血球に成長(分化と言います)したり白血球に分化したり、巨核球(血小板を作る細胞)に分化したりとあらゆる系列に分かれて成長していきます。
ですので、造血幹細胞がおかしくなってしまうと、それ以降の血液成分にも影響が出てきてしまいます。
その中でも、血液凝固に関係している血小板が少なってしまうと血管が破れても修復できずに出血しやすくなってしまいます。
この出血が皮膚の中で起こると体表からは青あざとして確認されます。
以上をまとめると、血小板を作る系列に異常が起こると青あざができやすくなってしまうということです。
関連記事:ぶつけてないのに脚にあざができる原因は?消す方法も徹底解説!
白血病
この病名は多くの方が知っていることでしょう。いわゆる血液にできた癌で、骨髄に白血病細胞が現れます。
白血病にも急性骨髄性白血病や慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病など様々な種類がありますが、青あざができやすい病態なのは急性骨髄性白血病です。
急性骨髄性白血病は造血細胞が腫瘍化し、成熟する能力を失う病気です。
つまり、いつまで経っても正常な赤血球や巨核球ができないために貧血のような症状が出てきたり、あざができやすい状態になってしまいます。
他にも鼻血が止まらなかったり、感染症にかかりやすくなったりします。
治療は抗癌剤を用いた強力な化学療法が主体となります。
治療の段階は大きく2つに分けられ、全身の白血病細胞を減少させ、顕微鏡で検査した時に白血病細胞が見られない状態にする寛解導入療法と、完全に白血病細胞を消滅させる寛解後療法があります。
病気が治った状態を寛解(かんかい)といいますが、完全寛解の期間が5年以上継続できれば再発の可能性が低いので治癒とみなされています。
他には骨髄移植が行われることがあります。
また、急性と慢性という言葉を知っていらっしゃる方は急性骨髄性白血病が長引くと慢性骨髄性白血病に移行すると考えられるかもしれませんが、この2つの疾患は基本的に病気の根本が違うので別の病気になります。
ただ、慢性骨髄性白血病が急激に悪化してしまう(急性転化)してしまうことはあります。
早期の慢性骨髄性白血病は治療によって良くなりますが、急性転化すると経過は非常に悪くなってしまいます。
白血球に関してはこちらの記事でも紹介しています。風邪に似た症状が出る場合もありますので是非ご参照ください↓↓↓
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紫斑病
この紫斑病もアレルギー性や特発性血小板減少性、老人性など多くの種類がありますので順番に解説していきましょう。アレルギー性紫斑病はアレルギー反応によって、全身の血管がもろくなることにより発生します。
男児に多いとされ、合併症として腎炎が見られることが多いです。
詳しい原因は不明ですが、細菌やウイルスへの感染を契機として抗体の一つであるIgA(免疫グロブリンA、他にもB、E、G、Mがある)が発症に関与しているとされています。
特発性血小板減少性紫斑病は特発性(特に原因が見当たらない)に血小板が減少してしまう病気で、なんらかの原因で、免疫機能に異常が生じ自分の血小板に対して抗体ができてしまうものです。
このように自分をターゲットとする抗体を自己抗体といい、抗体がくっついた血小板は白血球に食べられてなくなってしまいます。
血小板が減少することにより、鼻血が出やすくなったり歯茎からの出血も起こりやすくなります。
また、女性では月経過多などの症状も見られます。
老人性紫斑病は老化に伴って血管がもろくなり、出血しやすい状態です。
特に病気というわけではありませんので治療の必要はありませんが、手袋や腕貫などで皮膚の保護をしているとあざの発生を抑えることができます。
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血友病
血液が固まる時には凝固因子というものが必須です。凝固因子は10前後の数がありますが、どれも欠かすことのできないものです。
血液の凝固には2経路あり、このうち内因経路(もう1つは外因経路)に必要な第XIII因子と第IX因子が無かったり活性が低下していると白血病となります。
基本的に遺伝病で父親が患者で母親が正常の場合、男児は全くの正常、女児は保因者(発症はしないがその子の子どもに遺伝する可能性がある)になります。
逆に父親が正常で母親が患者の場合は男児は必ず血友病に、女児は必ず保因者となります。
この遺伝は正にメンデルの法則に則っているので、この他のパターンもエンドウ豆のしわの有無と同様に考えることができます。
血友病というと一時期差別と偏見の対象となっていた悲しい歴史がありますが、現在は凝固因子製剤の補充により健常人となんら変わらない生活をおくることが出来るようになっています。
関連記事:内出血しやすい原因は?体質だけではない可能性も!
まとめ
いかがだったでしょうか。青あざができやすい場合には、時に重篤な病気になってしまっていることもあり、放置していると死に至ってしまう可能性もあるので、なかなか青あざが消えない時にはすぐに病院を受診するようにしましょう。
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