ほくろが痛い!突起している場合は病気の可能性がある?
ほくろは、ほとんどの人に見られる正常な黒い組織で普段は特に気にすることは無い場合が多いです。
しかし、以前はなかったところにほくろができたり、元々あったほくろでも痛みや痒みが出てくること何かおかしいなと感じるかもしれません。
妙な形になっていたり、ほくろが盛り上がるように突起している場合も気になります。
たかがほくろといえども、心配な症状はあります。そこでこの記事では、ほくろが関係している病気について紹介していきます。
目次
皮膚の構造
皮膚は外側から表皮、真皮、皮下脂肪組織というように層を作っています。さらに表皮はいくつかの層に分かれており、表層から角質層、顆粒層、有棘層、基底層というようになっています。
基底層は細胞(基底細胞)が一列に並んでいる層で、基底細胞は分裂することで有棘層の細胞(有棘細胞)へと変化していきます。
さらに有棘細胞は顆粒層の細胞に、顆粒層の細胞は角質層の細胞へとなっていきます。
このように基底細胞が角質になるまでを皮膚のターンオーバーといい、およそ14日間でリフレッシュされます。
また、基底細胞の間にはメラニン細胞(メラノサイト)という細胞がいて、メラニン色素を作っています。
真皮はコラーゲンなどの組織が主で、微細な血管や神経が存在しています。
毛や汗腺、脂腺などを皮膚の付属器といいますが、これらは表皮から真皮、さらに皮下組織に存在しています。
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悪性黒色腫(メラノーマ)とは
先ほど解説した皮膚の構造の中で、基底層のメラノサイトやほくろの細胞由来の腫瘍です。紫外線や機械的刺激が関係していると言われ、新しくできたシミや元々あるほくろに似たシミが徐々に大きくなっていくというものです。
進行度によって差はありますが、非常に悪性度の高い皮膚のガンになります。
5年生存率はステージ1が約90%前後、ステージ2が約80%、ステージ3が約50%、ステージ4が約10%程度となっています。
5年生存率とは治療が開始された時点から起算して5年生きられる割合のことで、この5年よりも早く亡くなってしまうこともあれば5年より長く生きることもあります。
ただし日本においては年間を通して100例報告されるかどうかの頻度ですので、患者の数自体は他のガンと比べて少なくなっています。
関連記事:ほくろが多い原因3つ!意外と気を付けたい病気も解説!
悪性黒色腫の症状
先ほども少しお話しましたが、悪性黒色腫では黒いシミが徐々に拡大していきます。
通常のほくろと見分けるためには「ABCDEルール」という物を用います。
- AはAsymmetryのAで、形が左右非対称であることを指します。
- BはBorder of irregularitiesのBで、シミの縁がギザギザとしていて不整であることを意味しています。
- CはColor variegationのCで真っ黒のところもあれば色が薄いところもあるという色むらを意味します。
- DはDiameter greater tha 6mmのDでシミの一番長い直径(長径)が6mmを超えているものを指します。
- 最後のEはEnlargement of evolution of color change, shape or symptomsといってシミの大きさが大きくなっていたり、形や色の変化があったりするということを意味しています。
これら5つの特徴が見られる場合には悪性黒色腫である可能性が高くなります。
関連記事:顔色が黒い!発熱がある場合は病気が原因?対処法はあるの?
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悪性黒色腫の分類
悪性黒色腫は4つの病型に分けられ、それぞれで症状の現れ方や部位が異なります。末端黒子型
1つめは「末端黒子型」というもので、日本において最も多い病型です。足の裏や手のひら、爪の辺りにできてきます。
一般的に60歳以降の方に多く発生してきます。
表在拡大型
2つめは「表在拡大型」と呼ばれ、ほくろの細胞から出来ると考えられています。表面が隆起してきて色調が褐色~黒褐色となります。
50歳代に発生することが多いですが、子どもから高齢者まで幅広い年齢層で発生しえます。
結節型
3つめは「結節型」で、はじめから急速に成長することが特徴的な病型です。形は山なりから半球状、くびれのある結節(有茎状)などのものがあります。
結節型も色々な年齢層において発生しますが、頻度が高いのは40~50歳代になります。
悪性黒子型
最後は「悪性黒子型」というもので、高齢者の日光が当たる頬や手の甲に発生することが多いです。経過は緩やかで数年以上かかって悪性黒色腫になってきます。
悪性黒色腫の検査
皮膚科医によって総合的に診断されますが、決め手となるのは腫瘍を切除し、細胞を顕微鏡で調べる病理組織検査になります。他にも病変をダーモスコピーという特殊なルーペを使うと早期診断をすることができます。
さらに、進行していると考えられた場合には転移をしているかどうかを調べるためにCT検査やMRI検査を行うこともあります。
悪性黒色腫のステージについては非常に細かいのでここでは大雑把に説明しましょう。
他の臓器へ転移していればステージ4、リンパ節転移か皮膚、皮下転移があればステージ3、小さければステージ1、やや大きければステージ2になります。
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悪性黒色腫の治療
ステージ3までは原発巣を切除し、症例に合わせて薬物療法や放射線治療を追加していきます。ステージ4では上記の治療を様々組み合わせた集学的治療が行われます。
先ほど紹介したようにステージ4は経過が悪いので、痛みや苦痛を取り除く緩和ケアも行われます。
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まとめ
いかがだったでしょうか。悪性黒色腫は非常に悪い皮膚のガンです。
早めに見つければその分、治すことができる可能性もあるので、ほくろとの見分けがつかなかったり以前なかったところに、ほくろができてきた時には皮膚科を受診するようにしましょう。
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