むち打ちの後、頭痛が治らない!違う病気を疑うべき3つの症状!
車で信号待ちをしていて、急に追突されるとむち打ちになることがあります。
車の事故以外でも、スポーツをしていた時に衝突をしたり、日常生活でも首に何かしらの衝撃を受けた場合はむち打ちになる事は十分考えられます。
むち打ちの症状の1つに頭痛がありますが、これが長期間残ってしまう場合にはもしかしたら別の疾患かもしれません。
そこでこの記事では、むち打ちの後の治らない頭痛について原因となる病気を紹介していきます。
そもそもむち打ちとは
むち打ちは医学的には「外傷性頸部症候群」といいます。つまり、交通事故などの首の外傷によって起こる筋肉や靭帯の損傷をむち打ちと呼んでいます。
受傷機転(むち打ちとなる直接の原因)としては交通事故の中でも特に後ろから追突されるという状況が最も多いです。
これには物理法則である慣性の法則が関係しており、頭はその場にとどまろうとしますが、追突によって身体は前の方に急激に移動しようとします。
そうすると首の後の筋肉や靭帯が無理に引き伸ばされてしまい「むち打ち」となってしまいます。
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頭痛が長引く原因
むち打ち自体は長くても数ヶ月ほどで治ることが多いですが、中にはむち打ちが引き金となって他の病気を引き起こしたり、そもそも頭痛が他の疾患によって引き起こされたりしているという場合があります。次の項からそのような疾患を紹介していきます。
頭部外傷による硬膜外血腫
交通事故にあったということであれば頭の検査は受けているかもしれませんが、超急性期には出血を見逃してしまうこともあるので念のため挙げておきます。血腫というのは血の塊のことで、頭をぶつけたときに脳を覆っている硬膜という部分の血管が破れて頭蓋骨と硬膜との間で血腫を作るというものです。
頭に血の塊というと脳は大丈夫なのかと心配されるかもしれませんが、硬膜外血腫では硬膜を挟んで血腫と脳が存在しているため、脳への傷害はあまりなく、経過は比較的良いとされています。
ただし、脳が圧迫されることにより頭痛が続いているということはある程度の容積を持った血腫だと予想されるので、早めに摘出することが重要です。
手術は頭蓋骨を開ける開頭術が行われますが、硬膜のお陰で脳を傷つける心配はそれほど深刻に考える必要はありません。
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脳脊髄液減少症
脳は水の中にプカプカ浮いている。というのを聞いたことがある方は少なくないと思います。この液体のことを脳脊髄液といい、脳自体から産生され、脳の周囲をぐるりと循環した後吸収されます。
この脊髄液がどこかの隙間から漏れ出てしまうことで頭痛やめまい、耳鳴り、身体のだるさなど色々な症状を呈してくるのが脳脊髄液減少症です。
この疾患を疑いの目で見ている医師も多く、ガイドラインもできていませんし治療法も平成28年に保険適用となったばかりのものです。
元々むち打ちの後遺症として発見された経緯もありますが、必ずしもこの疾患が続発するとは限りません。
脳脊髄液は硬膜の中に存在して脳とそこから伸びる脊髄とを保護しているため、むち打ちを起こすと硬膜かどこかに穴があいてしまい、そこから脳脊髄液が少しずつ漏れてしまうのではないかと考えられます。
頭痛やめまいなどの他にも非常にたくさんの症状を呈してきて、その中には味覚障害や嗅覚障害、月経異常、歩行障害、認知症など多岐にわたる症状が含まれています。
もちろんこれら全てが見られるわけではありません。
治療はブラッドパッチというものを用いて脳脊髄液の漏出をとめにかかります。
これは自分の血液を硬膜の外に注入することで硬膜の穴を塞ぐというもので、漏れが留められれば完治できる可能性も高くなります。
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緊張型頭痛
むち打ちの治療では首に「カラー」という装具をつけて首を大きく動かさないように軽く固定します。そのため、首を動かすための筋肉が凝り固まってしまい、そこを通る血管が血行不良を起こして頭痛を呈してきます。
そしてこの痛みがストレスとなってむち打ちが治った後も頭を支える筋肉が緊張してしまって頭痛が起きて、というように悪循環に陥ってしまいやすい疾患です。
ですので、むち打ちの治療をダラダラと続けるのではなく、ある程度痛みが取れてきたら積極的に動かすようにしましょう。
その際には決して無理をしないでください。緊張型頭痛は今回紹介している疾患の中で唯一自分で対処しうるものです。
血流の低下が原因となっているので、お風呂に入ったり、運動をしたり、マッサージを受けることで血管を拡張させてやると痛みが解消されていきます。
また、ストレスを取り去ることも重要です。ただし、偏頭痛持ちの方は症状を悪化させてしまうので、注意しましょう。
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まとめ
いかがだったでしょうか。むち打ち自体も大変ですが、頭痛は仕事や家事、勉強の効率を下げてしまうので、早めに解消することが大切です。
むち打ちが引き金となって発症する頭痛もありますが、交通事故などの「むち打ち」に関係なく発症してくる頭痛もあり、これらは自分で判断するのは難しいです。
長い間症状が続く場合は医療機関を受診してみると良いでしょう。
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