右腹を押すと痛い!違和感がある時に注意したい病気は?
お腹の違和感はあらゆる症状の中でも非常に多い症状の1つです。
下痢や吐き気や胸焼けもお腹の症状ですし、キリキリ痛い、チクチク痛いなどもすぐに思い当たります。
お腹には臓器がたくさんあるために一言に痛みと言っても様々な原因があります。
そこでこの記事ではお腹の痛みでも、特に右腹部を押すと痛い(圧痛)場合にスポットを当てて注意したい病気を解説していきます。
急性虫垂炎
いわゆる「盲腸」と言われているものです。ただ、盲腸は腸の一部分を指す言葉であって正確には盲腸付近にある虫垂という部分に細菌感染を起こしている状態ですので虫垂炎と呼びます。
虫垂炎の特徴としては「痛みが移動する」ということが挙げられます。
虫垂炎、盲腸と聞くと右の下っ腹が痛むというイメージを持っていらっしゃる方が多いかもしれませんが、はじめはみぞおちの辺りに痛みがあることも多く、そこから右下腹部に痛みが移動してくるケースが多いです。
痛みに伴って発熱があることも特徴です。
右下腹部の痛みは何もしていなくても痛む場合と、ある点を押し、離した瞬間に痛みが生じる場合とがあります。
後者のような痛みを反跳痛といい、急性虫垂炎においては特に「ブルンベルグ徴候」と呼ばれます。
ちなみにこの時の痛みが生じる点は右の上前腸骨棘(脚の付け根の骨の出っ張り)とおへそとを結んだ線のへそからおよそ3分の1のところで、「マックバーニー点」といいます。
後で紹介する憩室炎と症状が似ていることもありますが、急性虫垂炎は手術が必要になることもあるので早めに病院を受診した方がいいでしょう。
関連記事:虫垂炎の初期症状はコレ!最初の痛みは意外なアソコ!
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過敏性腸症候群
特に病気というものではないですが、よく見られるものなので紹介しておきます。腸は内容物を肛門の方へと動かす際に蠕動(ぜんどう)運動という動きをしており、これは自律神経(交感神経と副交感神経)によって調節されています。
過敏性腸症候群は腸内のセロトニンという物質が腸自身や脳に作用して蠕動運動が過剰になるものです。
さらにストレスや不安等によって自律神経のバランスが崩れてしまうとさらに蠕動運動がうまくいかなくなってしまい下痢や腹痛、ガス溜まりを起こします。
若い男性に多く見られる疾患で、緊張などによって症状が強くなることが特徴です。
精神的な面が大きく関わっている疾患なので、治療の際は焦らないようにストレスと上手く付き合いながら過ごすことが重要です。
関連記事:自律神経がおかしい(乱れる)原因と整える4つのコツを解説!
大腸憩室炎
通常消化管はつるりとした1本の管ですが、腸内の圧力が高くなると一部分だけ外に膨らんでしまうことがあります。これを憩室(けいしつ)といい、自覚症状がなく過ごしている方も多いですが、何らかの原因によって炎症を起こすと発熱や痛みを引き起こします。
お腹の右側が痛むということであれば大腸の中でも右側にある「上行結腸」という部分に発症していると考えられます。
憩室自体は経過観察で十分ですが、憩室炎となった場合には医療機関の受診が必要です。
関連記事:右脇腹が痛い原因は?チクチクして不快な症状を確認!
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卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)
女性であれば気をつけたい疾患です。卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)は卵巣が腫れてくる腫瘍性の疾患で、交感神経が活発になりすぎると起こりやすいと言われています。
つまり、極度の緊張状態に長くさらされると良くないということです。
元々卵巣はそれほど大きくありませんが、卵巣嚢腫を発症すると10数センチにもなることがあります。
およそ5センチを超えると卵巣の根元がねじれる「茎捻転(けいねんてん)」を起こすことがあります。
茎捻転は非常に激烈な痛みを呈してきて、治療が遅れると卵巣を摘出する必要があります。
また、大きさによっては大腸を圧迫して便秘がちになることもあります。
婦人科系の不調を感じたりしている場合には婦人科を受診してみることも良いでしょう。
関連記事:下腹部に違和感がある女性が注意したいこと!原因を解説!
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胆石症
お腹の右側上の方には肝臓がありますが、肝臓のすぐ下に胆嚢(たんのう)という臓器があり、ここでは肝臓で作られた胆汁をためておき、必要に応じて腸管内に排出するという役割をしています。胆嚢から出た胆汁が通る管を胆管といいますが、この胆管が主に「石」によって狭くなってしまうものを胆石症といいます。
石のでき方は様々ですが、広く言えるのは食生活や運動習慣が思わしくないと発症しやすいです。
胆石症を放置すると肝臓にも影響を与えるので早めに治療をすることが重要です。
目安としては歳を取るのに伴って露出の頻度が減り、油断している太り気味の中年女性に多く見られます。
心当たりのある方は水中ウォーキングなど膝に負担をかけないような運動から始め、徐々に運動強度を上げていくようにすると、高コレステロール血症や糖尿病といった他の生活習慣病の予防にもつながるので効果的です。
関連記事:へその右横が痛い原因は?気になる病気と対処法を徹底解説!
まとめ
いかがだったでしょうか。お腹、特に下腹部には多くの臓器があり、「押すと痛い」という症状だけでは原因を特定することは困難です。
病院を受診する際には必ず「いつから」、「どこが」、「どんなふうに」、「どのような時」痛むのかというのをセットで伝えるようにしましょう。
また、腹痛の他に見られる症状も重要な所見ですので忘れずに申し出ましょう。
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