食中毒になったら回復までにかかる期間は?種類別の症状をチェック!
食中毒は夏場に増加する傾向にありますが、冬にも少なからず発生します。
食中毒になってしまうと、下痢や嘔吐・発熱などとても辛い症状になりますし、高齢者や子供など体力があまり無い場合は命の危険すらあります。
また、食中毒と一言にいっても種類がありますのでその点も注意が必要です。
そこでこの記事では、食中毒の種類や気をつけたい症状について紹介していきたいと思います。
目次
食中毒とは
その名の通り「食べ物の毒に中たる」ということなので、食べ物を摂取した後数時間~数日、数週間経ってから下痢や嘔吐、腹痛を呈してくる疾患の総称です。そして、一言に食中毒と言っても原因となるものは非常に多いです。
そのため、「食中毒ならどれくらいで症状が出る、良くなる」というのは一概に言えるものではないのが難しいところです。
あえて食中毒をおおまかに分類するとすれば、細菌などが感染すること自体が原因となる「感染型」と、細菌が排出する毒素によって食中毒を発症する「毒素型」に分けることができます。
次の項からは原因となる病原体ごとに紹介していきます。
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カンピロバクター(キャンピロバクター)
カンピロバクターは多くが鶏肉の摂取によって感染します。もちろん十分に火を通していればその確率は低くなります。
カンピロバクターの症状としては腹痛や下痢、嘔吐に加えて発熱、お腹の張りなどが感染後1週間以内程度で現れてきます。
死亡に至ることは稀で1週間以内に完治することがほとんどです。
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ウェルシュ菌
この菌はカレーやシチュー、スープなどからの感染が特徴的です。食中毒の中でも比較的軽症で済むことが多いですが、ごく一部で視覚障害などの重篤な障害が残ることがあります。
摂食語1日以内に症状がでてきますが、治ってくるのも数日と比較的早いです。
対策としてはこれらの料理は作った後すぐに食べきってしまうか、十分な温度で十分な時間加熱することが挙げられます。
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腸炎ビブリオ
魚介類を生で食べることによって感染することのあるものです。ビブリオの特徴としては潜伏期間が1日程度とされているものの、発症が早ければ早いほど重症化することが多いということです。
症状としては腹痛や嘔吐が激しく、これに加えて便が水っぽかったり血が混じっていたりということがあります。
経過としては数日で快方に向かうことが多いです。
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セレウス菌
あまり聞き慣れない菌ですが、穀類や香辛料から感染することがあります。
「嘔吐型」と「下痢型」の2種類があり、嘔吐型の潜伏期間は半日程度、下痢型の潜伏期間は数時間と非常に速く発症してきます。
しかし、症状はどちらも軽症で、数日で回復することが多いです。
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ノロウイルス
一時期話題になりました。これは飲水などから感染し、潜伏期間が数日ほどだと言われています。下痢や吐き気、腹痛を訴え、38度以下の発熱が見られることもあります。通常は数日以内で回復することが多いです。
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赤痢菌
発見者が日本人の志賀潔で、病原細菌としては唯一日本人の名前が学名についている細菌です。この菌は毒素(志賀毒素)を排出することによって粘膜の細胞を壊し、食中毒症状を呈してきます。
主に食べ物や飲み物から感染し、血の混じった便が出てくることもあります。
また、「しぶり腹」と言って便意があるのに便が出ないという症状も特徴的です。
また、小児では後で紹介する腸管出血性大腸菌でも見られる「溶血性尿毒症症候群(HUS)」を起こすこともあるので、注意が必要です。
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赤痢アメーバ
これは「原虫」という寄生虫の一種で、赤痢と同じような症状を呈するためこう呼ばれています。特徴的なのはイチゴゼリーのような便が出てくることで、これはアメーバが腸管の粘膜を食い散らかすことで起こってきます。
この時の粘膜を顕微鏡で観察すると壺のように見えるので、腸管粘膜を一部採取することができれば診断は容易です。
基本的に赤痢アメーバは日本にはいないと思われますが、東南アジアなど衛生環境の悪い地域での食事によって感染するということが報告されているため、注意が必要です。
また、食中毒症状以外にも肝臓に血行性に感染し肝膿瘍を作ることもあります。
治療には10日程度を要します。
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コレラ
飲水などから感染し、米のとぎ汁のような水っぽい便が出るのが特徴的です。かつては非常に猛威を振るい多数の死亡者がでました。
コレラによる下痢によって身体の中の水分が失われてしまうことが直接の死亡原因になったと言われており、治療としては腸を休ませるという意味も含めて点滴による栄養と水分の補給を行います。
これに加えて抗菌薬を用いて原因となるビブリオ・コレラという菌の数を減らします。
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ボツリヌス菌
缶詰や真空パックなど、空気との接触が少ない食品やはちみつなどから感染します。症状としては食中毒症状よりもボツリヌス毒素による筋肉への信号伝達阻害によって声が出しにくくなったり物が飲み込めない、立っていられない、呼吸困難があるといった症状が出てくるのが特徴的です。
ボツリヌス菌自体は「芽胞」と言う細菌に備わった過酷な環境に耐えるための機構のためになかなか死滅させることは難しいですが、毒素は100℃で数分加熱することによって失活するため、食品の加熱が重要です。
腸管出血性大腸菌(代表O-157)
食肉の加工品や水で育てた野菜から感染することがあるものです。有名なところではユッケから感染したというニュースが有りました。
名前の通り出血を伴うので血の混じった便が出てきます。
また、重症化するとHUSにつながることもあるので、できるだけ早めに病院を受診したほうが良いでしょう。
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まとめ
いかがだったでしょうか。食中毒は「何をどこでいつ食べたか」というのがポイントとなるので、医者にできるだけ正確に伝えるようにしましょう。
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