痰が臭いと感じる原因は?鼻水との関係も気になる!

痰が臭いと感じる原因は?鼻水との関係も気になる!

口元


臭い痰というのはそれだけでも不快なものですが、痰が出るということは何かしらの病気が隠れていることが多いです。

痰にも色や臭いなど様々な症状がありますし、似たようなもので鼻水との関係も気になるところです。

そこでこの記事では、痰に焦点を当てて4つの病気を紹介して行くとともに、風邪と鼻水との関係についても解説をしていきます。

痰が出る原因

痰が出るときというと風邪を引いた時などが挙げられると思いますが、痰が排出されるときは基本的に「気道内の異物を外に出す時」ということになります。

これは咳やくしゃみなどと同様で、「主に細菌やウイルスを絡めて体外に出す」という人間の防御反応に基づいています。

気道というのはその名の通り空気の通り道のことで、鼻や口、気管支などが含まれます。


そして、痰として出てくるものは殆どが口から出てきますが、中には鼻水が喉の方に落ちて口から排出されているものもあります。

ですので、「痰が出るから肺が悪い」と考えるのは少しまずく、他の症状や検査と合わせて診断される必要があります。

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副鼻腔炎と後鼻漏の合併

まず、鼻水が痰のように排出されるものについて見ていきましょう。

副鼻腔炎は一般的に「蓄膿症」と呼ばれている病気で、鼻から通じている顔の骨の空洞(副鼻腔)に炎症が起きてそこに膿が溜まってしまうというものです。

蓄膿症という病名にもそのことが現れています。

副鼻腔はいくつかあり、頬のあたりや眉のあたりなどに存在しています。


空洞に膿が溜まるとそれだけで非常に不快な匂いとなるので、これが主訴(患者さんが1番気にしている症状)となることも多いですが、蓄膿症には鼻づまりを合併していることも多く、匂いに気づかずにいることも少なくありません。


そして、鼻水は1日に1L以上排出されていますが、そんなことは殆どの方が自覚することなく過ごしていると思います。

これは、鼻水の殆どが鼻の奥から喉の方に落ちているためです。

これはについては、正常な生理現象なのですが、この現象に不愉快感や違和感が加わるようになると「後鼻漏」と呼ばれるようになります。


つまり、蓄膿症による膿はドロドロとしたもので違和感もあるでしょうし、後鼻漏となります。

このように蓄膿症と後鼻漏を合併すると痰(実際には鼻水)が臭いという症状も現れてきますし、口臭が臭い、朝に喉や鼻に痛みが強いなどの症状も加わることもあります。


関連記事:喉の奥に痰が詰まった感じがして気持ち悪い!原因や対策は?

肺炎

ここからは気管支や肺からの痰について見ていきます。

肺炎はよく知られている病気かと思いますが、原因となる細菌などは非常に多岐にわたります。

中には鼻の中や皮膚に常在している細菌が原因となることもあります。


皮膚に細菌がいるというのは、外界の有害な細菌に対してバリアを作っていたりなど有益な点がある反面、免疫力が低下すると普段は制御できている常在菌の増殖を抑えられなくなり感染を引き起こすというデメリットもあります。

そのため、日頃から栄養バランスのよい食事を心がける必要があります。

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)

喫煙習慣のある中年以降に多く見られる疾患で、軽い運動や物を運ぶなどの動作によって息苦しさを感じる疾患です。

健康な人がCOPDの呼吸困難感を体感するには息を大きく吸い、ほんの少しだけ吐き出してすぐにまた大きく吸うということを繰り返します。


息ができないというより胸が苦しいという感じの症状です。


COPDは2010年時点で世界的な死亡原因の4位に入っており、日本においては男性7位、女性16位の総合9位となっています。

有病者数も530万人と大変多くなっています。COPDは肺ガンと同様喫煙と発症の因果関係がはっきりしているものです。

初期には風邪と間違えられることもあるので注意しましょう。


関連記事:かがむと胸が痛いのは病気?違和感の原因3つを徹底解説!

肺癌

肺癌は大きく4つのタイプに分かれていますが、痰が出てくるものとしては「扁平上皮癌」と「小細胞肺癌」になります。

まず扁平上皮癌についてですが、これは肺癌の約30%程度を占め、喫煙との関連が明らかになっています。

喀痰の他にも喘鳴(喘息に似た呼吸音)指先の膨れ(ばち指)などが見られることがあります。

扁平上皮癌は早期であれば手術、進行期では放射線や化学療法が選択されます。


「小細胞肺癌」は肺癌の約15%を占め、扁平上皮癌同様、喫煙者での発症頻度が高いです。

こちらは呼吸器系の症状もありますが、特徴的なのはホルモンの異常による症状が多いということです。


抗利尿ホルモンが肺癌細胞から異所性に分泌されることで血液中のナトリウム濃度が下がり意識障害や痙攣を起こしたり(SIADH、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)、主に太ももの筋力が低下したり(ランバート・イートン症候群)などの腫瘍随伴症候群が見られます。

小細胞肺がんは放射線療法や化学療法が効果的で、基本的に手術は行われません。



呼吸器系の症状ということで、やはり「喫煙」がキーワードとなることが多いです。


しかし、タバコを吸っていない人でも副鼻腔炎になりますし、今回は蛇足になるので紹介しませんでしたがタバコの関係が薄い肺癌もあります(むしろ肺癌で最頻)。

また、痰を検査することで肺癌の存在がわかることもあるので肺癌の診断、もしくは肺癌の除外のためにも一度検査をしてみましょう。

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風邪と鼻水の関係

ここまでは、痰をメインに解説をしてきました。

ここからは、風邪と鼻水についても見ていきましょう。

風邪をひきかけた時の鼻づまりや透明の鼻水が出てくるというのは、誰しも経験があるのではないでしょうか?

そもそもこれは体の防衛反応なのです。

菌が体の中に入り込まないように鼻がつまったり、鼻水を出して菌を外に追い出そうとしているのです。

ですので、風邪をひきかけた時、ティッシュがないからといって鼻をすすってしまう方が多いとは思いますが、せっかくの体の防衛反応の邪魔をしてしまうことになりますので、必ずティッシュで受け取るようにしましょう!


そして、いよいよウイルスが体の中に侵入してしまって風邪が本格化してしまいますと、体の中でウイルスが白血球と闘い始めます。

この頃から、鼻水も透明でサラサラだったものから、白っぽく濁ったような色や黄色がかった色へ変化します。

ネバネバ度も増し、粘っこい鼻水になります。

これはウイルスと闘った白血球の死骸が鼻水に含まれるからなのです。(この時も必ず鼻水はすすらずにティッシュで受け取りましょう。)


また、この時は体が一生懸命にウイルスと闘っている証拠ですので、免疫力を高めるためにもしっかりと栄養・休息をとるように心掛けてください。


風邪が治りかけてくると鼻水は緑色へ変化するという、話を耳にしたことがある人も多いかと思いますが、緑色の鼻水が出てくるということは、ウイルスと闘って死んだ白血球の死骸が含まれているということですので、風邪は治りかけではなく、まだまだ体はウイルスと闘っていると判断した方が良いかと思います。


この時期に無理をしてしまうと、免疫力が下がってしまって風邪も長引かせてしまいますので、しっかりと栄養・休息をとるようにしてください。

それでもまだまだ鼻水が続く場合は以下の病気が考えられますので、一度病院を受診してみても良いかも知れません。

ぜひ参考にしてください。

副鼻腔炎

痰の部分でも解説をしましたが、今度は風と絡めて解説をしていきます。

風邪に感染したあとに続く細菌感染が原因で、副鼻腔が炎症を起こしてしまうこともあります。

この状態を放置していると中耳炎になってしまう可能性も出てきます。、病院を受診して治療を受けるようにしましょう。


鼻水以外の症状としては頭痛や顔面痛、ほっぺあたりの圧迫感や違和感、鼻の中から悪臭がするなどが上げられます。

稀ではありますが、副鼻腔の炎症が目や脳にまで進んで視力が落ちたり、意識障害まで生じることもありますので注意が必要です。


診察の結果、副鼻腔炎と診断がついた場合は、鼻から副鼻腔にある鼻水を綺麗にする処置が行われたり、抗生剤が入ったネブライザー治療、抗生剤や副鼻腔の粘膜を正常化するための内服薬が処方されるかと思います。

風邪が原因ではなく、歯の炎症から副鼻腔炎が生じることもあり、その場合は歯科での治療も必要となってきますので。

耳鼻科・歯科を合わせて受診する場合は、両科の医師にその旨をきちんと伝えるようにしましょう。


関連記事:喉のイガイガはいつまで我慢する?治らない症状の原因は?

急性鼻炎

鼻の粘膜に生じる急性の炎症で、風邪ウイルスが原因のものが多いです。

最初はウイルス感染であっても、のちに細菌感染が生じることもある病気です。

症状としては鼻水だけでなく、くしゃみや鼻の詰まり、鼻の粘膜の痛み、発熱などが上げられます。


インフルエンザウイルス以外のウイルス感染の場合は、特効薬がありませんので鼻の炎症を抑えるための薬が処方されるかと思います。

細菌感染を起こしている場合は抗生剤が処方されます。


急性鼻炎は2週間以上続くことはほとんどありません。

2週間以上、青緑色の鼻水が続く場合は前述した副鼻腔炎にまでなっている可能性が非常に高いので一度耳鼻科を受診するようにしてください。


日常生活で注意する点としましては、免疫力をUPさせるために十分な栄養・水分を補給し、安静を心掛けるようにしましょう。

室内が乾燥していると、鼻の粘膜にダメージを与えてしまいますので、加湿を行うようにしてください。

加湿器がない場合はマスクを着用したり、室内に濡らしたバスタオルを1枚干すだけでも効果があるのでオススメです。

冬になると気温の寒暖差や空気が乾燥してしまっているのでウイルスも活発化して風邪をひきやすくなってしまいます。

きちんと栄養・休息をとり、免疫力をUPさせ風邪をひかない体づくりをすると良いかも知れません。

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