インフルエンザでもリンパの腫れはある?治らないのはなぜ?

インフルエンザでもリンパの腫れはある?治らないのはなぜ?

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冬場になるとインフルエンザが流行し、非常に辛い症状が現れます。

中には寝込んでいる間に首のあたりにしこりを発見した人もいるでしょう。


部位から見るとリンパ節のようですが、インフルエンザでリンパ節の腫れは出てくるのでしょうか。

この記事では、インフルエンザとリンパ節の関係について解説していきます。

リンパ節について

リンパ節というのは免疫を司っている器官の一つで、リンパ管を通って全身を循環しているリンパ液が静脈に戻されるまでのいわば関所のような場所です。


つまり、組織に侵入した異物が血管の中に入る前に、リンパ節でチェックしているということになります。

そのため、細菌やウイルスに感染するとリンパ節の中でそれらを処理するため、反応性にリンパ節が腫れてくるということになります。

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インフルエンザとリンパ節の腫れ

インフルエンザの原因はインフルエンザウイルスというウイルスが原因となっているため、リンパ節が腫れてくることがあります。


リンパ節はその場所によって、いろいろな名前がついています。


後頭部にあるものは後頭リンパ節、下顎にあるものは顎下リンパ節、耳たぶの後ろ側にあるものは耳介後リンパ節、わきの下にあるものは腋窩(えきか)リンパ節などとなっています。


この中でインフルエンザによって腫れてくるのは、耳介後リンパ節顎下リンパ節など、頸部のリンパ節になります。


というのも、風邪もそうですがインフルエンザは基本的に喉から感染が起こります。

喉のリンパが流れていくのがこれらのリンパ節で、インフルエンザウイルスがトラップされるリンパ節となります。


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リンパ節の腫れが意味すること

先ほども紹介したように、リンパ節は体内に侵入した異物をトラップし、免疫反応によってそれらを除去する場です。

この反応には白血球が関わっており、炎症が起こることでリンパ節は腫れてきます。

市中で見られるリンパ節の腫れの多くは感染が原因となっており、ほとんどの場合は風邪やインフルエンザなどの症状が消退していくのと同時にリンパ節の腫れも治まっていきます。

およそ1~2週間といったところでしょうか。

すなわち、これ以上長引いてくるとなると他の病気を合併している可能性を考えなければいけません。

次の項からリンパ節の腫れをきたす疾患を紹介していきましょう。

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猫ひっかき病

その名の通り、猫にひっかかれたり噛まれたりすることによって猫からバルトネラ・ヘンセラという細菌が感染し、リンパ節の腫れが出てくる疾患です。

猫に寄生しているネコノミが感染している猫の血を吸い、これが糞便として排泄されると、猫の毛づくろいによってバルトネラ・ヘンセラが猫の歯や爪に付着し、感染源となります。


厄介なのは猫には症状が現れないという点で、知らないうちに飼い猫が感染していることがあり、保菌率は10%前後と言われています。

症状としてはリンパ節の腫れと共に発熱が長く続き、吐き気、関節痛が出ることもあります。


この症状はインフルエンザにも見られます。

本症は特に治療を行わなくても自然治癒することが多いですが、治るまでに数週間~数カ月かかることがあります。


関連記事:節々が痛いけど熱はない!注意したい3つの病気と対処法を解説!

菊池病(亜急性壊死性リンパ節炎)

原因はよく分かっていませんが、なんらかの感染がきっかけとなって発症すると考えられています。

EBウイルスやヒトヘルペスウイルス8型、パルボウイルスB19などが関連しているとの報告があります。


本症は40歳未満の女性にやや多く見られます。

症状としては発熱、自発痛または圧痛のあるリンパ節の腫れがあり、このリンパ節の腫れは首の後ろの方に多く見られます。

また、関節痛や身体のだるさがある場合もあります。

菊池病も無治療で自然治癒することが多いため、症状を抑えるための痛み止めや解熱剤といった対症療法が主となります。

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伝染性単核球症

別名、「Kissing Disease」とも呼ばれ、多くは思春期・青年期のディープキスによる唾液を介した感染形式を取ります。

原因はEBウイルスで、これは唾液に生息するため、唾液を介さない感染はありません。

乳幼児期にも親から感染することはありますが、多くは不顕性感染といって感染があるものの症状が現れないケースがほとんどです。


そのような方が思春期にパートナーにうつしてしまうと考えられます。


症状は発熱、喉の痛み、リンパ節の腫れが三徴と呼ばれ、身体のだるさや喉の腫れなどが見られることも多いです。

通常は1ヶ月~2ヶ月で自然に良くなっていきますが、数ヶ月異常症状が続いて全身状態が重篤となってしまうケースも報告されています。

これは慢性活動性EBウイルス感染症と呼ばれ、最近では声優の方が亡くなったという報道がなされ、認知度が少しずつ上がってきています。


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まとめ

いかがだったでしょうか。

リンパ節のはたらきとインフルエンザの関係、リンパ節の腫れが長引くときに考えたほうが良い病気について紹介しました。

まれですので記事の中では取り上げませんでしたが、体重減少や大量の寝汗がある場合には悪性リンパ腫も考えられるので、おかしいと思ったら早めに医療機関を受診するようにしましょう。


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