蕁麻疹はアルコールで悪化することも!お酒の飲み過ぎには要注意!

蕁麻疹はアルコールで悪化することも!お酒の飲み過ぎには要注意!

ビール


現代の日本において、蕁麻疹をお持ちの方は少なくないかと思います。

2012年の時点で蕁麻疹と診断されている患者は人口10万人あたり2万人以上といわれています。

蕁麻疹患者の方は「お酒を飲みすぎないように」との指導を受けていると思いますが、蕁麻疹とお酒の関係についてはあまり説明されていないのではないでしょうか。

そこでこの記事では、アルコールによって蕁麻疹が悪化してしまうメカニズムについて解説していきたいと思います。

スポンサーリンク


蕁麻疹のメカニズム

蕁麻疹にはアレルギー性と非アレルギー性があるので、順に説明していきましょう。

アレルギー性蕁麻疹はいわゆるアレルギー反応で食べ物や植物など、アレルギーの原因物質(アレルゲン)が身体の中で異物として異常に認識されることにより発症します。

異物だと認識するのは肥満細胞という細胞(決して太っているのとは関係ありません)の働きによるのですが、この細胞はアレルゲンを認識するとヒスタミンという物質を放出します。

ヒスタミンは皮膚の血管を拡張させ、血液中の水分(血漿)を血管外に漏れ出させる役割があり、このことによって皮膚が赤く腫れてしまいます。

また、ヒスタミンは神経も刺激しかゆみも発生させます。


一方で非アレルギー性のものは衣服の摩擦やバッグの持ち手による圧迫、暑さや寒さ、日光などが刺激となって蕁麻疹になってしまうことがあります。


蕁麻疹自体の治療はかゆみを抑えるために、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬などの内服薬を中心として、発症の原因になっている物質を避けたり、症状がひどい場合には抗炎症作用を持ち、かつかゆみを和らげる作用の強いステロイド剤の塗り薬も用いられます。



関連記事:顔に蕁麻疹ができる原因は?跡が残らない対処法を解説!

アルコールの代謝

ビール


お酒の主成分はエタノールというアルコールと水です。

アルコールは主に小腸から吸収され、最終的には肝臓へと運ばれます。

よって、アルコールを分解する場は肝臓だということになります。肝臓ではまずエタノールをアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドという物質に変えます。

アセトアルデヒドはお酒を飲んで顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛を起こす原因となっている物質です。


アセトアルデヒドはさらに、アルデヒド脱水素酵素2型(ALDH2)によって酢酸という物質に変えられます。

酢酸は食酢にも含まれています。

酢酸になったら血液に乗って全身をめぐり、その中で水と炭酸ガスに分解されて体の外へと排出されます。


かつてお酒がなくなってしまったときに「メタノール」を摂取したという時代がありますが、メタノールはホルムアルデヒド、ギ酸と分解されていき、ホルムアルデヒドとギ酸は人体にとっては毒なのです。


失明で済むことが多いですが、最悪死に至ってしまうこともあり、メタノールは別名「メチルアルコール」というところから「目散るアルコール」と呼ばれることもあります。注意しましょう。



関連記事:蕁麻疹が顔にできる原因!日常生活で注意することは?

スポンサーリンク


アルコールと蕁麻疹

以上を踏まえ、アルコールと蕁麻疹の関係について見てみましょう。

アルコール代謝の過程でアセトアルデヒドという物質が登場しましが、この物質は血管を拡張させる作用があります。


ですので、蕁麻疹がでている時にアルコールを摂取してアセトアルデヒドの血中濃度が高まると、ヒスタミンによる血管拡張とアセトアルデヒドの血管拡張のダブルパンチによって、蕁麻疹の悪化につながってしまいます。


また、皆さんご存知のようにアルコールを摂取すると体温が上がります。

そうすると身体が急に温まった時に出る、非アレルギー性の蕁麻疹が出てしまう可能性もあります。


関連記事:背中がかぶれた?かゆいブツブツの原因を徹底解説!

スポンサーリンク


アルコールアレルギー

お酒に強い、弱いという表現からわかるように、アルコールの分解能には個人差があります。

そのうち、お酒に弱い人はアルコールに対してアレルギーを持っていることがあり、お酒を飲む度に蕁麻疹が出てしまうことがあります。


このような人々が一生お酒を飲むことができないかというと、ごく少量の飲酒からはじめ徐々に量を増やしていくことで身体をアルコールに慣らしていくことで、飲むことができるようになる場合もあります。(あくまでも自己責任で行いましょう)


また、ワインにはヒスタミンが多く含まれており、ワインを飲むことによって体内でアレルギーのような反応を起こすことがあります。

実際にアレルゲンを取り込むことをしていないので、この反応を仮性アレルギーといいます。


お酒に弱い人(飲めない人)は飲むと具合が悪くなったり、酷い場合は急性アルコール中毒になったりします。

急性アルコール中毒は命にかかわることもありますので、お酒を無理に飲めるようになる必要は無いということはよく理解しておきましょう。

その上で、お酒と上手に付き合うための練習をする際も、少しずつ少しずつ行うようにしましょう。


肝機能の低下

ビール


肝臓の機能が悪くなってしまうとお酒を分解する能力も落ちてしまうので、アセトアルデヒドの蓄積により、二日酔いになりやすいだけでなく、蕁麻疹を起こしやすくなってしまいます。

原因としては肝炎ウイルスが多いですが、肝機能の検査やウイルス検査は病院で簡単に行うことができるので、気になる場合は一度、病院を受診してみるのもよいでしょう。



関連記事:お腹にかゆみがある湿疹ができた!原因となる病気は?

まとめ

いかがだったでしょうか。

簡潔にまとめると、お酒を飲むと代謝産物が原因となって蕁麻疹を助長ないしは発症するということでした。

お酒を全く飲んではいけないというわけではないので、節度のある飲酒を心がけましょう。



関連記事:手に蕁麻疹ができて痛い!かゆくないが原因や治し方が気になる!

スポンサーリンク



このページの先頭へ