ばち指の具体的な症状は?生まれつきの病気なの?
ばち指とは指先が丸く太くなっている状態です。具体的には爪の付け根が盛り上がり、へこみが無くなった状態を言います。
ばち指と呼ばれる由縁は太くなった指が太鼓を叩くバチのように見えるからこの名前がつきました。
ばち指自体に痛みなどはありませんが、重大な病気の症状の1つとして現れてくることが多いので、この記事では、ばち指をきたす病気について解説いたします。
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感染性心内膜炎
心臓は外側も内側も膜に覆われており、それぞれ心外膜、心内膜と呼びます。感染性心内膜炎はその名の通り、心内膜に感染が起こって炎症を起こしているものです。
原因となる病原体はレンサ球菌やブドウ球菌、真菌(いわゆるカビ)になります。
ばち指以外の症状は感染なので発熱を起こしてきたり、心内膜に感染した細菌や真菌が増殖して、菌の塊を作ることによる心雑音(聴診器にて聴取します)があります。
また、菌の塊が心臓にある逆流防止弁にできると、この弁がぴったりと閉じない弁閉鎖不全を起こしたり、菌の塊が血流に乗って細い血管を閉塞させてしまうことによる種々の障害を引き起こします。
弁閉鎖不全や血管の閉塞は時に命を脅かすこともあるので、注意が必要です。
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特発性肺線維症
この病気は「間質性肺炎」の中で原因の特定ができない「特発性間質性肺炎」のうち、最も頻度が高いものです。ここで、肺における間質というのは中学校の理科で習った肺胞など空気が触れるところ以外を指します。
この間質が線維化したものを肺線維症といいます。
国指定の難病で、症状としては空咳(痰の出ない、コンコンという咳)、労作(階段の昇り降りなど)時の呼吸困難、そしてばち指があります。
進行すると呼吸困難は、着替えや入浴などの軽い動作でも生じるようになります。
関連記事:軽い咳が続く原因は?2つの重篤な病気を徹底解説!
肺ガン
一口に肺癌と言っても喫煙に大きく関係しているものもあれば、あまり関係のないものなど様々な種類がありますが、ここではひとまとめに肺ガンと呼ぶことにします。
肺ガンは、ばち指をきたす病気の中で最も頻度が高いと言われています。
肺ガンでは肺の毛細血管が傷ついており、本来そこに引っかかるはずの血液の成分が肺をすり抜けてしまって指先に到達、詰まってしまい、成長因子というものを分泌して線維からなる血管の組織が増殖してしまうことにより、ばち指を起こすと考えられています。
肺ガンは男女ともに患者数が多く、死亡数も上位3位に入る悪性腫瘍ですので、非常に注意が必要です。
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潰瘍性大腸炎
この病気は国の指定難病の1つで、詳しい原因が分かっていません。大腸が粘膜の下まで欠損してしまい(この状態を潰瘍といいます)、ばち指の他には下痢や血便が見られます。
重症になると下痢がひどいことによる体重減少や発熱、貧血などの全身症状を呈します。
根本的な治療はなく、大腸の炎症を抑える薬剤による内科的治療が基本です。
重症な場合や薬剤が効かない場合には手術となる場合もあります。
また、潰瘍性大腸炎は症状が良くなってもまた悪化する(再燃)こともあり、さらに大腸ガンを合併するケースもあります。
ただ、大腸ガンまで進行することは少なく、ほとんどの患者さんは他の健康な人と変わらない年数を生きることができます。
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クローン病
こちらも国指定の難病になります。
先ほどの潰瘍性大腸炎と異なる点は、口から肛門までの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こり得、特に小腸の末端に好発する点です。
また、炎症などの病変部位が飛び飛びに存在していることも特徴です。
潰瘍性大腸炎と共通しているのは原因がはっきりとしていない点、下痢や血便、体重減少などの症状、比較的若い人がなりやすいということです。
この病気は世界的に見ると先進国に多く、北アメリカやヨーロッパでの発症率が高いです。
そして、動物性脂肪、タンパク質を多く摂取し、良い暮らしをしているほどクローン病になりやすいので、食の欧米化が進んでいる日本においても患者数は増加傾向にあります。
肝硬変
この病名をご存じの方は多いかと思います。肝硬変の主な原因としてはB型やC型の肝炎ウイルス、アルコール、脂肪肝が挙げられますが、近年では食生活の乱れからアルコールや脂肪肝による肝硬変が増加してきています。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、肝臓の病気は症状に乏しいことが特徴です。
肝硬変になる前の病気として慢性肝炎がありますが、気づかない内に肝硬変に進行していることが多いです。
肝硬変の症状としては肝臓が固くなることによって肝臓へ行く血管の流れが悪くなって食道や臍の周りの血管が膨れ上がったり(出血死につながります)、黄疸(身体や白目が黄色くなること)があります。
また、肝臓ガンも併発しやすいので注意が必要です。
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まとめ
ここまでばち指の原因となり得る病気について解説してきました。指の形が変わるという症状1つからこれほどの重要な病気を拾い上げることができます。
これらの病気は命に関わるものが多いので、おかしいと思ったらすぐに医療機関を受診するようにしましょう。
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