手のふるえは病気の初期症状?いつまでも止まらない原因はコレ!
皆さんは緊張したときなどに手が震えて困ったことはありませんか?
緊張すると、自律神経が乱れて交感神経が優位に働き、心拍数が増加したり、血圧が上昇することもあります。
声や手が震えるのは、筋肉が緊張するためです。
しかし緊張から解放されると、手のふるえは自然と落ち着きます。
では、手の震えが続くのはなぜなのでしょうか?これから手のふるえが現れる病気について説明していきます。
甲状腺機能亢進症について
甲状腺機能亢進症は「バセドウ病」と言われる病気です。のどぼとけの下にある「甲状腺」からホルモンが過剰に分泌されることでおこり、女性に多く見られる病気です。
甲状腺ホルモンは、脳の下垂体から分泌される「甲状腺刺激ホルモン」により分泌が促進されます。
このホルモンは代謝の調節や、たんぱく質の合成などの関係している大切なホルモンです。
このホルモンが過剰に分泌されることで、手のふるえや体重減少など様々な症状が現れます。
甲状腺機能亢進症は「自己免疫疾患」の一つです。
自己免疫疾患とは、何らかの原因により自分自身の体を攻撃する抗体を作ってしまう病気です。
この病気を持っている本人の家族にも、同じ病気を持っている人が多く見られるという特徴があります。
甲状腺機能亢進症には、3つの代表的な症状があります。
甲状腺腫と眼球突出、甲状腺ホルモンの過剰分泌による症状があり、手のふるえはホルモンの過剰分泌に伴う症状の一つです。
甲状腺ホルモンは代謝を活発にするホルモンであるため、本人は元気そうに見えることが多くあります。
しかし、普段の状態でも走っている時と同じくらいエネルギーを消費してしまうため、疲れやすくなったり体重が減少することもあります。
手や指のふるえにより、字が書きにくくなる人もいます。
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パーキンソン病について
パーキンソン病とは、脳幹にある中脳の「黒質」と、大脳にある大脳基底核の「線条体」に異常がおこる病気で、難病に指定されています。主に50歳以上の人に見られる病気ですが、40歳以下で発症する場合もあります。
脳は神経細胞の集合体で、「セロトニン」や「ドパミン」などの神経伝達物質が働き、様々な情報をやり取りしています。
パーキンソン病では、黒質に異常がおこりドパミンの分泌が減少し、黒質から線条体に向かう情報伝達回路がうまく働かなくなってしまう病気です。
ドパミンが減少すると、体が動かしにくくなり、ふるえがおこりやすくなります。
そのため姿勢の維持が難しくなったり、歩行速度が調整できなくなるなど運動機能に異常が生じるのです。
黒質で分泌されるドパミンの量が、通常より20%程度減少すると症状が現れると言われています。
パーキンソン病の主な症状は、静止している時のふるえ、動作が緩慢になる、筋固縮、姿勢保持が困難になるなどがあります。
静止時のふるえは、手におこりやすく、動かすとふるえは小さくなります。
1秒間に4~6回程度のふるえで、緊張するとふるえが強くなることもあります。
ふるえ方にも特徴があり、親指と他の指で物を丸めるような動き方をします。
英語では「ピルローリングトレモール」と言います。
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本態性振戦について
本態性振戦とは、原因となる病気がないにも関わらず、ふるえだけが見られる病気です。緊張するとふるえがひどくなるという特徴があり、ペンをもって字を書こうとするとふるえて書けないなどがあります。
手のふるえの他に、声や頭が震える場合もあります。
本態性振戦は脳などに異常がみられるわけではないため、様子を見てもいい病気です。
しかし、ふるえがひどくて困るという場合には「交感神経遮断薬」の内服が効果的であるため、受診し相談すると良いでしょう。
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アルコール依存症について
アルコール依存症になると、習慣的に飲酒しているうちに、お酒に対し耐性が付き、さらにお酒の量が増えていきます。お酒が切れると、寝汗をかいたり不眠などの離脱症状が現れるようになります。
さらに進行すると、二日酔いの朝に手のふるえが現れるようになり、自分でも飲酒量をコントロールできない状態となります。
体はアルコールが入っている時に正常に活動するようになり、アルコールが切れると異常をおこすようになり「離脱症状」が現れるようになります。
手のふるえや発汗は代表的な離脱症状です。
ブルブルと手や指が震え、物を持った時は特に目立ちます。
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まとめ
手のふるえが出る病気4つを見てきました。このほかにも手のふるえがある病気はいくつかあります。
本態性振戦のように様子を見てもいいふるえもありますが、治療が必要なものがほとんどです。
手の震えが続く場合は、なるべく早めに受診し診察を受けた方がよいでしょう。