黒目にできた白い点はなに?原因や気になる病気を解説!
目は人の感覚器の中でも周囲から得る情報量が最も多いと言われ、その割合は80%を超えます。
そのような目だからこそ、視力が下がればメガネやコンタクトレンズを使いますし、最近ではレーシック手術も普及してきました。
見え方が大きく変わると眼科を受診して、それなりの治療を受ける方がほとんどですが、黒目に小さな白い点ができたくらいでは放置してしまう方も多いのではないでしょうか。
ところが、この白い点はなにかの病気のサインであることもあります。
これを見逃してしまったがために失明してしまうこともあるので、この記事では黒目に白い点ができる原因疾患について解説いたします。
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細菌性角膜感染症
いわゆる黒目と言われる部分の1番外側に角膜という組織があります。この角膜が傷つくことで細菌が感染し、白い点ができることがあります。
角膜の傷自体は深さによって角膜びらん、角膜潰瘍と名前が変わりますが、もちろん傷が深い潰瘍のほうが重症です。
角膜感染症を起こすのは、黄色ブドウ球菌や緑膿菌などです。
黄色ブドウ球菌は皮膚に常在していることもある細菌ですし、緑膿菌も流しなどの緑色のぬめりなどに潜んでいる身近な細菌です。
ですが、普段の生活で感染することは少ないです。
どのような人がこの病気になりやすいかというとコンタクトレンズを装着している人です。
コンタクトレンズを使っていると、必ず病気になるというわけではありません(コンタクトレンズ使用者の約5~15%)が、コンタクトレンズの装着によって角膜に目に見えないほど細かい傷がつくことで細菌が感染します。
軽症の場合には数日コンタクトレンズの使用をやめることで、自然に治っていきますが、放置してしまうとびらん、潰瘍を起こし、抗菌薬入りの目薬をさすことになったり最悪の場合は失明に至ってしまいます。
さらに、黄色ブドウ球菌や緑膿菌の一部は抗菌薬への耐性を獲得しているもの(薬剤耐性菌)もあり、これらに対する抗菌薬もありますが、初めの治療で細菌を除去し切ることができないので長引く恐れがあります。
ですので、気づいた段階で眼科を受診しましょう。
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角膜フリクテン
角膜に小さな白色の水疱ができます(フリクテン自体は白目にも起きます)。黒目と白目の境界あたりにできるものが多く、「ゴロゴロする」という感覚(異物感)や水疱の周りが充血することがあります。
症状が強い場合には痛みが出ることもありますが、目やには出ません。
原因は結核菌やブドウ球菌、真菌、クラミジアといった感染症の後に出てくる、遅延型アレルギーだと考えられていて、学童期から青年期にかけて見られます。
放っておいても1周間程度で自然治癒することもありますが、再発するケースもあります。
治療としては炎症、アレルギーを抑える副腎皮質ステロイド点眼薬や、原因菌に対する抗菌薬を用います。
ステロイドは免疫を抑制することでアレルギー症状を弱めるので、他の感染症にかかってしまう可能性を高めてしまいます。
必ず医師の指導に従うようにしましょう。
関連記事:目の前に黒い点が見える(飛ぶ)原因は?対処方法はあるの?
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アベリーノ角膜変性症
この病気は遺伝性ですので、根治させることができません。そしてやっかいなことに生まれつき発症しているとは限らず、非常にゆっくりと進行してきます。
さらに、アベリーノ角膜変性症の患者がレーシック手術を受けると急速に症状が進行してしまいます。
ですので、症状がはっきりと出ていない患者がレーシックを受けてアベリーノ角膜変性症に気づくというケースもあります。
これはある種仕方のないことで、症状がない限りは遺伝子検査をしないと発見することができないのです。
発症すると何10年という年月をかけて、白い点が増えたり、大きくなったりして視野を狭めていきます。
治療としてはエキシマレーザーというものを用いて、白くなった部分を削るという手術が行われますが、これは根治させたわけではないので、3ヶ月ほどで再発してきてしまいます。
そうなると再び角膜を削ることになりますが、角膜の厚さにも限度がありますので、最終的には角膜移植を選択することになりますが、移植でさえも一時的な治療であり再発してきます。
アベリーノ角膜変性症になる遺伝子を持っている人の割合は、韓国で870人に1人と言われ、人種的に遺伝子が近い日本においては1000人に1人と言われています。
遺伝する確率は片方の親がアベリーノ角膜変性症(異型接合子と言います)であれば約50%、両親がアベリーノ角膜変性症(同型接合子)であれば約75%で遺伝します。
現在ではアベリーノ角膜変性症を含めた、角膜変性症5つの遺伝子が1度に調べられる検査(アベリーノ・ユニバーサルテスト)が提供されています。
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まとめ
いかがだったでしょうか。視力を回復するための、コンタクトレンズやレーシック手術が原因ないしは、症状の進行を早めてしまうことを意外に思った方もいるでしょう。
そこで思い出していただきたいのは、眼科の医師が教えてくれるコンタクトレンズを使う上での注意点です。
「1日12時間以上つけないでください」と必ず言われているはずです。
ですが、多くの方は「少しくらいなら」とその言いつけを破ってしまっています。
大切な目ですので、医者の話をしっかりと聞いて正しく使用しましょう。