舌が腫れるのはアレルギー反応が原因?正しい対処法は?
舌は食べ物や飲み物が一番初めに接する組織です。
舌のトラブルと聞けば口内炎や火傷などを思い浮かべる事が多いですが、舌が腫れてしまうこともあります。
舌が腫れ上がる原因としては、口に入れるものが原因となっている事が多いですが、中には舌がんなど非常に危険な病気の場合もあります。
そこでこの記事では、舌が腫れてくる原因について解説していきたいと思います。
ヘルペス口内炎
口内炎とは口腔粘膜に発生する炎症の総称で、その原因は様々です。後で紹介するアレルギーもその一つです。
ここではヘルペスウイルスによる口内炎を紹介しましょう。
ヘルペスウイルスは種類が8つあり、口内炎を起こしてくるのは単純ヘルペスウイルスというウイルスです。
このウイルスは健康な人に感染することは少なく、多くは免疫機能が弱く抵抗力が低い子どもに見られます。
感染してから数日ないし1周間程度の潜伏期間を経て口内炎を起こしてきます。
治療としては単純ヘルペスウイルスが原因だとわかれば抗ウイルス薬を内服します。
また、症状を抑えるために痛み止めやビタミン剤が使われることもあります。
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カンジダ性口内炎
カンジダというのはカビ(真菌)の一種で、元々人の身体に常在している菌です。身体に常にいるということは、普通に暮らしている分には症状を起こしてきません。
すなわち先ほどのヘルペス口内炎と同様に免疫力が低下するとカンジダが異常に繁殖し感染が成立してしまいます。
カンジダ性口内炎の特徴は、口の中に白い苔のようなものが広がります。
これを白苔(はくたい)といいます。白苔は舌にも発生します。
白苔が剥がれるとそこの部分の粘膜が欠損し、びらんとなってしまいます。
びらんの状態では痛みが伴うこともあります。
原因がカンジダだと判明すれば抗真菌薬を使用してカンジダを減少させます。
また、体調をくずしたりなどの免疫力低下が引き金となるので、治療を開始したら安静にして栄養補給をしっかりと行うことが重要です。
関連記事:舌のできものは口内炎以外にもある!治らない場合に注意したい病気!
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口腔アレルギー症候群
花粉症の人がフルーツやナッツ類を食べたときに、口の中にしびれや腫れ、呼吸困難を起こす疾患です。この疾患はラテックスというゴムの成分でも同じような症状を呈してくるので、まとめて口腔アレルギー症候群・ラテックスフルーツ症候群とも呼ばれます。
原因物質(アレルゲン)を口に入れてから15分ほどで症状が現れ、ひどい場合には気管支喘息発作やアナフィラキシーショックになってしまうこともあります。
ラテックスは口に入れるということはないので、手などにかぶれができることになります。
アレルゲンとして多いフルーツはリンゴや桃、キウイ、さくらんぼ、メロンがありますし、ナッツ類ではアーモンドやピーナッツ、クルミなどが挙げられます。
すでに花粉症と診断されている方がこれらのアレルゲンを食べて症状が出た場合には臨床症状から口腔アレルギー症候群と診断されます。
これに血液検査や皮膚反応を追加で調べることで原因となる食べ物を特定することができます。
この検査では必ずしもアレルゲンがわかるということではありませんが、その場合は患者さんのエピソードからアレルゲンを絞り込んでいきます。
治療としては抗アレルギー薬なども使われますが、基本はアレルゲンを可能な限り避けることになります。
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猩紅熱(しょうこうねつ)
猩紅熱はA群β溶血性レンサ球菌という細菌に感染することで発症します。数日間の潜伏期の後、発熱や喉の痛み、寒気、吐き気や嘔吐が現れ、舌がイチゴのように真っ赤に腫れてきます。
このような舌をイチゴ状舌と呼びます。
猩紅熱自体は入院してエリスロマイシンやペニシリンといった抗菌薬を投与することですぐに治ってくることがほとんどです。
発熱などが治まれば薬を飲み続けながら外出することもできます。
ただし、腎臓などの炎症が合併しないように10日ほど薬を継続する必要があります。
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舌がん
その名の通り、舌にできるがんのことです。
50歳以降の中高年男性に多く見られるとされていますが、若い人でも発症することがあります。
できる部位として多いのは舌の横っ面や舌の下(口腔底)で、口の中にできるがんとしてはその半数を占めています。
原因ははっきりとわかっているわけではありませんが、喫煙やアルコールに加えて歯並びが悪いことによる舌への慢性的な刺激が発症に関わっていると考えられています。
舌がんでは痛みを感じることがありますが、この痛みは口内炎などに比べると軽いことが多いです。
しかし、舌が動かしづらいといった症状を伴うことがあります。
治療は基本として外科的切除によってがんを取り去ってしまいます。
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まとめ
いかがだったでしょうか。舌が腫れる原因にはアレルギー反応だけではなく細菌やウイルスの感染、悪性腫瘍もあるということが、分かっていただけたのではないでしょうか。
感染症は免疫が低下している場合に多く発症する傾向にあるので、日頃からバランスの取れた食事を心がけ、アレルギー反応が起こった場合には残念ですがアレルゲンとなる食べ物を避けるようにしましょう。
また、喫煙は舌がんだけでなく肺がんのリスクであることが確実ですので早いうちに禁煙することをおすすめします。