片側の首に【しこり】のような異物がある!発熱の症状に注意!
なんとなく首が重い、だるい、そのような症状がある時に首に触れてみたらしこりがあり、触ることができると気になります。
気になるどころではなく、TVなどで紹介されている「乳がん」などの様な「がん」なのではないかと心配になってしまうかもしれません。
その心配は、基本的には病院に行ってしっかりと検査を受けないと解決しないので怖い気持ちは分かりますが、勇気を振り絞って病院に行くようにしましょう。
この記事では、病院に行く前の予備知識として、首にしこりができて触れるという症状がある時に考えられる病気について説明していきます。
リンパ節炎
人の体には、血管と同じようにリンパ腺という管が全身に張り巡らされています。このリンパ腺は、不要になった老廃物を運んだり、細菌やウイルスと戦う役目があります。
このリンパ線の関所のような場所をリンパ節といい、首や脇の下、ソケイ部に多く集まっています。
そのため、風邪をひいた時などに細菌やウイルスと戦っているリンパ節が腫れて炎症を起こすことはよくあることです。これをリンパ節炎と言います。
リンパ節炎は、その原因によって名称が異なり、治療法も異なります。以下に箇条書きにしていきます。
- 細菌が原因で起こるリンパ節炎を、「急性化膿性リンパ節炎」
- ウイルスが原因でおこるリンパ節炎を、「急性ウイルス性リンパ節炎」
- 結核菌の感染によっておこるリンパ節炎を、「結核性リンパ節炎」
- 猫に噛まれたり、引っ掻かれたりしたことで、猫が保菌するバルトネラ菌に感染することによっておこるリンパ節炎を「猫ひっかき病」
- 若い年代に起こり原因不明のリンパの腫れが続く病気を、「亜急性壊死性リンパ節炎」
と言います。
多くは首のリンパ線の腫脹と共に発熱や咳といった風邪とにた症状を伴います。
治療法は、細菌感染が原因の急性化膿性リンパ節炎・猫ひっかき病は抗生物質の内服をしますが、ウイルス性の場合と亜急性壊死性リンパ節炎は対症療法のみで自然治癒していきます。
多くの場合は予後良好で、長くても2~3週間くらいで軽快していきます。
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EBウイルスについて
ウイルス性リンパ節炎の原因ウイルスの中で、EBウイルスというウイルスがあります。近年有名人の方が亡くなられたことでその名が知られるようになったウイルスですが、実はこのウイルスは日本人の約90%は幼少期から思春期に感染していて、体の中にウイルスに対する武器のようなものである、抗体を有しています。
この抗体という免疫で制御されていたEBウイルスが何らかのきっかけで再度活性化し、体内の免疫では抑えられずに慢性的にウイルスが活動している状態になってしまい、重症化するケースを慢性活動性EBウイルス感染症といいます。
発症は非常に稀な疾患になりますが、リンパ節腫脹と共に3週間以上も38℃以上の発熱が続く場合は罹患している可能性もありますので、知識として頭の中に入れておいてもいいかもしれません。
関連記事:首筋の腫れの原因6つ!痛い場合の対処法や注意したいこと!
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脂肪腫
脂肪腫は、脂肪細胞からなる腫瘍で、良性腫瘍です。多くは痛みは伴いませんが、大きくなることはあります。気になるようであれば形成外科や皮膚科で手術し、取り除くことができます。
耳下腺腫瘍
耳下腺、顎下腺は耳の下と顎に下にある唾液腺で消火液である唾液を分泌します。ここに腫瘍ができることがあります。
多くは良性ですが、悪性の場合は早急な治療が必要です。
特に耳下腺には顔面神経が走行しており、悪性の場合放置すると顔が曲がることがあります。
この場合、耳鼻科で治療を行います。
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悪性リンパ腫
悪性リンパ腫とは、白血球の中のリンパ球が癌化したもので、血液の癌です。発病すると首やわきの下のリンパ節が腫れたり、体の一部にしこりができます。
前述で紹介した風邪の一部である急性リンパ節炎のしこりは柔らかく有痛性なのに対して、このしこりは硬く無痛性であることが多いです。
種類はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2種類で、発病者の多くは非ホジキンリンパ腫で、好発年齢は50代~60代の男性です。
リンパ節の腫れ以外の症状は、37℃以上の発熱が長期的に続く、全身の倦怠感、貧血、体重減少などです。
また、リンパ節の腫れを押しても痛くない、徐々に大きくなっているなども注意が必要です。
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まとめ
首にできるしこりから考えられる病気について説明してきました。風邪によるリンパの腫れから、他の恐ろしい病気まで触れましたが、多くは内科や耳鼻科などの医療機関で検査を受ければ判明する病気です。
重篤な病気に関しては、早期発見・早期治療が大切になりますので、症状が長く続いたり、気になる場合は医療機関に相談してみてください。
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