寒気と眠気の原因は?だるいと感じは単なる疲れではない!

寒気と眠気の原因は?だるいと感じは単なる疲れではない!

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身体のだるさや眠気というのは、ありふれた症状で疲れが溜まったときや、風邪気味の時にはよくありすが、まれに病的なものが原因となっていることがあります。


そこでこの記事では、寒気や眠気、だるさの原因となる病気について紹介していきたいと思います。

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甲状腺機能低下症

甲状腺というのは喉仏の下辺りにある内分泌器官で、甲状腺ホルモンを分泌しています。


甲状腺ホルモンの分泌は脳下垂体からの「甲状腺刺激ホルモン」によってコントロールされ、甲状腺刺激ホルモンはさらに視床下部からの「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」によって制御されています。

少しややこしいですが、甲状腺ホルモンの分泌は脳によって調節されていると捉えると良いでしょう。

甲状腺ホルモンは全身でのエネルギー利用を促進するホルモンで、代謝を促すことにより体温を上げたり、エネルギーの産生利用増加が起こったりします。


この甲状腺ホルモンの分泌が低下する病態を甲状腺機能低下症と呼び、原因となっている臓器・部位によって原発性、二次性、三次性に分類されます。

それぞれ原発性は甲状腺そのものに原因があるために、甲状腺ホルモンの分泌ができない状態。

二次性は脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモンが低下しているために、甲状腺ホルモンの分泌ができない状態。

三次性は視床下部からの甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが低下しているために、甲状腺刺激ホルモンが低下し、甲状腺ホルモンの分泌ができない状態をいいます。


甲状腺機能低下症の原因として最も多いのが「橋本病」という病気ですので、次の項で橋本病について解説していきます。


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橋本病

甲状腺機能低下症の中で原発性に分類されます。

甲状腺に対する自己抗体(自分の組織に対する抗体)ができてしまうことで、慢性の甲状腺炎が起こる病気で、甲状腺組織が壊れて甲状腺ホルモンの産生・分泌が低下します。


症状としては甲状腺の腫れや全身的なエネルギー利用の低下による、身体のだるさ、無力感、皮膚の乾燥、体温の低下、むくみ、体重増加などが起こってきます。

疫学的には女性に多く45歳から65歳の年代で多く見られます。

性差は男性対女性で1:20~30程度であると言われています。


これらの症状と女性に多いということから、橋本病患者の一部は「更年期障害」と思われて見過ごされていることもあります。

診断には血液検査での甲状腺自己抗体、細胞診(甲状腺に針を刺して組織の一部を採取、顕微鏡で観察すること)、超音波検査が用いられます。


治療については甲状腺の腫れが軽く、甲状腺ホルモンの値もそれほど下がっていない場合には年に1回程度の診察を行うに留める経過観察が行われたり、甲状腺ホルモンの低下が見られる場合には、甲状腺ホルモン剤の補充が行われたりします。


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低血糖

血糖が高すぎる状態は「高血糖」と呼ばれ、一般的に知られている「糖尿病」として生活習慣病の王様のごとく扱われています。

これと逆の状態で血糖が低くなってしまう状態を「低血糖」といいます。

低血糖を起こすパターンとしては主に3つが考えられ

  • 空腹時の運動
  • 糖尿病患者
  • インスリン産生腫瘍

が挙げられます。

血糖は主にご飯やパンなどの炭水化物を摂取することで上昇します(食後高血糖)。

炭水化物の主成分は、ブドウ糖で、ブドウ糖を分解していくとグルコースという物質ができます。

脳はこのグルコースしか栄養源にすることができません(代謝において酸素も使います)。

そのため、空腹時など血糖が低下している時に激しい運動をすると脳の栄養不足となり低血糖症状が現れます。


過剰な「炭水化物抜きダイエット」で頭がぼーっとしてくるのもこのメカニズムによります。

糖尿病について

また、糖尿病患者はインスリンや血糖降下薬を飲んでいる方も多いですが、中には効果が長く続く(時効型)ものもあり、その場合には早朝に運動をすると低血糖を起こすことがあります。

症状としては、軽度の低血糖では発汗、動悸、手足の震えが起こり、悪化するに従って寒気や身体のだるさ、頭痛、疲労感、複視(物が二重に見える)などが起こってきます。

そして、意識障害が起こってくると救急車を呼ばなければいけない状態となります。


低血糖の初期症状が現れた場合には、すぐさまにブドウ糖を摂取する必要がありますが、手持ちにブドウ糖のブロックがない場合にはコーラなどの糖分を多く含む飲料でも代用ができます。


低血糖はそれ自体も命にかかわるものですが、車を運転している時に意識を失うことによって事故に繋がることもあります。

運動時に意識を失って頭を強く打ってしまったりなど、二次的な傷害を生じさせてしまうものなので、食事をバランス良くとったり、糖尿病患者の方ではインスリン製剤に加えて、ブドウ糖も一緒に持ち歩いたりなどの予防が大変重要となります。

また、インスリン産生腫瘍は腫瘍がインスリンを大量に分泌することで低血糖を起こすもので、治療は手術による切除や薬剤の投与が行われます。


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まとめ

いかがだったでしょうか。

今回紹介した症状は多くの場合で疲れやストレスからくるものです。

しかし、一部には病的なものもあるので注意する必要があります。


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