首をひねると痛いと感じるのはなぜ?痺れや脱力感に注意!
普段生活をしていて首をひねる(ねじる)ことはあまり無いように感じますが、この動きは無意識のうちによく行われています。
例えば、振り返る際には首をひねるような動きになります。
車の運転をするのであればバックで駐車をするときなどはまさにこの動きになります。
首をひねると痛みを感じるということは、常に首が痛い状態とそれほど変わらないとも言えますので、日常生活に支障が出てきます。
この記事では、首の痛みでもひねる(ねじる)様な動きに出やすい痛みにスポットを当てて原因などを解説していきます。
椎間関節症
普段私たちが「首」、「背骨」と呼んでいる部分は医学的には「脊柱」と呼び、「椎骨」という骨がいくつも連なって構成されています。椎骨は大きく3つに分類され、首のあたりの7つ(人によっては8つ)を頚椎(けいつい)、胸のあたりの12個を胸椎、腰のあたりの5つを「腰椎」といいます。
そして、上下の椎骨がそれぞれの後ろ側で関節を作っている部分を椎間関節といい、この関節は首や背骨の様々な運動に貢献しています(椎骨の前方では椎間板を介して連結しています)。
椎間関節症では、椎間関節を固定するために関節部を包んでいる靭帯(関節包)が首や背骨を動かした時に挟み込まれてしまったり、関節部の軟骨がすり減ってしまったりして炎症を起こした状態です。
今回は首をひねった時の痛みですので、頚椎に話を絞り、頚椎椎間関節症と呼びます。
基本的には、首を動かした時に痛みが出るため、首を固定して安静にしていると痛みはあまり気にならないというケースが多いですが、進行してくると安静時にも痛みが出てくる場合があります。
原因としては、姿勢が悪いことによって歪みが生じていて、そこに急激な負荷がかかった時に発症します。
特に現代では、スマートフォンの普及に伴ってうつむきがちな生活を送る方が増えてきているので注意が必要でしょう。
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頚椎症(変形性頚椎症)
「変形性関節症」という疾患概念の1つです。変形性関節症は骨と骨の間(関節裂隙や椎間腔)が狭くなったり、関節を作っている骨が変形して「骨棘」を形成したりした状態です。
代表的なのが中年以降の女性に多い「変形性膝関節症」や「変形性股関節症」で、これが頚椎に起こると「変形性頚椎症」といいます。
メカニズム的に同じであることから「変形性〇〇症」と呼ばれますが、変形性頚椎症の場合は単に「頚椎症」ということもあります。
頚椎症の場合は、椎間板が潰れてしまっているということになります。
症状としては、初めのうちは肩こりや今回取り上げている首の痛みくらいですが、進行してくると神経を圧迫するようになって腕や指のしびれが現れ、最終的には力が入らなくなったり、ひどい場合は脚や排泄に関する症状も現れてきます。
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寝違え
どの筋肉にも言えることですが、長い間不適切な伸縮にさらされると筋肉は疲れてしまって伸び縮みできる能力が低下してしまいます。つまりは、筋肉が固くなってしまうということです。
このような筋肉を無理に動かすと、筋肉が傷ついて炎症が起こってしまいます。
これが首を動かすための筋肉に発生したものを「寝違え」といいます。
寝違えを起こす筋肉は肩こりを生じる筋肉と共通しているものが多く、肩こりの負担が積み重なっているところに枕を変えたり、変な寝方をしたりすることで寝違えが起こってきます。
通常であれば数日で痛みは引いてきますが、長引くようであったら寝違えから他の疾患に発展してしまったことも考えられるので、早めに整形外科を受診しましょう。
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斜角筋症候群
斜角筋というのは、首の左右それぞれやや前側についている3つの筋肉の総称で、前から順番に前・中・後斜角筋となっています。この筋肉がなぜ大事かというと、前斜角筋と中斜角筋の間の斜角筋隙という隙間を神経(腕神経叢の一部)や血管(右鎖骨下動脈)が通っているためです。
このことにより、変形性頚椎症と同じような経過を辿っていきます。
すなわち肩こりや首の痛みから始まり、斜角筋に炎症が持続することで次第に腕のしびれや脱力感を呈してきます。
血管が圧迫されることで症状が現れるので、痛みのある首のあたりを温めると血流が良くなって痛みが良くなってくる場合があります。
関連痛
関連痛というのは「痛みを感じるところには原因がなく、離れた部位が原因となって引き起こされる痛み」のことです。つまり、首が痛いからといって必ずしも首に原因があるわけではなく、例えば胆嚢や肝臓の異常が引き金となっていることがあります。
整形外科を受診して特に首には異常がないと言われた場合には、少し考えてみても良いでしょう。
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頚椎椎間板ヘルニア
「ヘルニア」という言葉は、多くの方が聞いたことのある言葉ではないでしょうか。初めの方に紹介した椎骨の間には「椎間板」という繊維組織からなる円盤があります。
これの中身がはみ出してしまい、神経を圧迫してしまうことを椎間板ヘルニアと言います。
これも椎骨の分類と同様に「頚椎椎間板ヘルニア」とか「腰椎椎間板ヘルニア」というように部位の名前をつけて呼びます。
発症早期は首の痛みがあり、これを寝違えと間違えてしまうことも多いです。
進行してくると手や指の運動・感覚に異常が出てきますし、さらに脚や排泄にも症状が現れてきます。
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まとめ
いかがだったでしょうか。首の痛みだけでもその原因は様々考えられます。
本文でも紹介したように、単なる寝違えだと思っても別の疾患であることもあるので注意が必要です。
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