ふくらはぎの肉離れが治らない時どうする?対処法は冷やす?
肉離れはスポーツの試合などをTVで見たりしていると、たまに選手が肉離れになって途中で交代したり、その後、全治何週間などと言われているので聞いたことはあると思います。
では、実際自分がこれになった場合どの様な感じになるのでしょか??
ただの筋肉痛とはやはり違うのか、判断できないこともあるかと思います。
そこで今回は特に「ふくらはぎ」の肉離れについて書いていきますので、参考にして下さい。
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目次
ふくらはぎとはどんな筋肉?
ふくらはぎは、腓腹筋とヒラメ筋からなります。骨側についているのがヒラメ筋。
皮膚の表面側にあるのが二つあるのが腓腹筋です。
腓腹筋は膝のところから始まって、ヒラメ筋と合わさってアキレス腱になります。
特にふくらはぎの肉離れでは、「内側頭中間部」(腓腹筋うちの、内側筋肉の中間部)に多く発症する特徴があります。
この筋肉の特徴は。速筋(早く動くときに使われ、疲労しやすい。逆は遅筋といいます)
その為、強い筋力を発揮する動作が繰り返されるような、スポーツ競技を実践している場合に腓腹筋の肉離れを発症しやすくなります。
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肉離れが起こる原因
では、なぜ肉離れが起こるのかについて見ていきましょう。筋肉の瞬間的な収縮が過度に行われる事によって、筋細胞や筋膜(筋肉を覆っている膜)が急激に引き伸ばされて、「部分断裂」をおこすのが主な原因です。
幼少期から子供で肉離れ、というのはあまり聞かないと思いますが、それは、まだ「強力な筋収縮」を行う筋肉そのものを持っていないこと、そして筋肉の柔軟性が高いことが原因と考えられます。
比較的筋肉も骨格も完成段階にある、高校生以上の人に多く発症するのが特徴です。
ふくらはぎの肉離れをよく発症する競技としては考えられるものは
- 陸上競技(特に短距離)
- サッカー
- 野球
- バレーボール
- 競輪選手
- テニス
- バドミントン
- 卓球
などの、瞬発力を必要とするスポーツ、左右へフットワークを頻繁に使うスポーツでふくらはぎの肉離れがよく起こります。
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肉離れの症状は?
肉離れは捻挫や筋肉痛とは全く違った症状(怪我)となります。
肉離れは、大まかに分けて3つの段階に分けることが出来ます。
比較的軽い状態
足を動かすと、何となく違和感があります。筋繊維の断裂はありませんが、スポーツ選手ならパフォーマンスに影響がでる可能性があり、無理をすると悪化しますので注意が必要です。
中度
動かすと痛いのはもちろん、患部を押すと痛みがあります。動かせる場合と動かせない場合、両方ありますが、ほとんどの場合は動かせば痛いはずです。
この状態では、筋繊維の一部が断裂しています。
重度
患部のへこみ、が目視できます。足を動かすことはほぼ不可能で、残念ながら、完全に筋繊維が断裂しています。
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肉離れの応急処置
運動をしている場合は、すぐに運動を中止して身体を安静にして下さい。スポーツ障害時にはRICE処置を行うのが理想的です。
RICE処置は回復力を大幅にアップさせてくれる応急処置です。
RICEとは
- Rest(安静)
- Ice(アイシング)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
の4つです。
冷やす際には、1セットを15分から20分として40分から60分のインターバルを置いて数セット行います。
冷やすことで炎症を抑えて内出血を最小限に留めることが必要です。
腫れは血液と体液が集まるために起こるものですが、そのことで循環が妨げられ細胞に酸素が行かなくなり、ダメージを受けていない周辺の細胞が死んでしまうため、なるべく最小限に留める必要があります。
発生直後にしっかり冷やすことで後々の回復までの期間が短くもなります。
活性酸素の調整もアイシングによってできます。
ケガを修復するために作り出される活性酸素には強い殺菌作用がありますが、出過ぎると炎症をひどくしてしまいます。
またアイシングにより痛みの信号伝達が鈍くなりますので、痛みを和らげることも出来ます。
次にあれば圧迫包帯、なければタオルなどでも構いませんので、患部に巻いてしっかりと固定し、出血の拡がりを抑えます。
出血が多量だと拡がった周りの筋膜にも影響を及ぼしたり、回復途中でリハビリを始める際に筋組織の間に血腫という固まりが出来て運動を阻害したりすることがあります。
ここですぐに湿布やテーピングでふくらはぎに圧力を加えてしまうと、出血や腫れで患部の周りの組織にもダメージを拡げてしまう可能性が高いので、注意してください。
応急処置をした後は病院に行き治療を受けましょう。
症状が落ち着いて、医師の許可が出てからリハビリを始めます。
これは上記の比較的軽い状態~重度のどの段階にあっても同様です。
肉離れを起こした足は、筋肉が補修されるまで動かさない、地面に足を着けないというのが鉄則です。
湿布と安静の指示が出たら根気よく治癒を待つしかありません。
程度によっては2週間から3週間痛みが続く場合もありますし、1週間を過ぎたころからリハビリが始められる場合もあります。
局所の循環回復や損傷した筋線維などの修復を促すため超音波療法などを使います。
痛みが引いてきたら段階的に関節可動域訓練や筋力訓練、そして各競技の特性にあわせたトレーニングへと移行していきます。
肉離れの鍼治療
肉離れの治療に、はりによる治療を行う場合もあります。
まだ炎症が起きている場合は、その境目をごくごく浅い鍼で刺激していきます。
こうするとで、鍼で新しく作られた炎症をめがけて血液が集まり、周囲に散っていくことを目指します。
また、炎症がおさまってきたら、非常に強く収縮している患部周囲の筋肉を正常な柔らかい状態に戻す治療をします。
同時に脳にある鎮痛システムを刺激して鎮痛の働きを促します。
西洋医学的治療にしろ、鍼のような東洋医学にしろ、損傷は自分の治癒能力で回復させるしかありませんので、時間がかかります。
ただ、痛みが強いと睡眠が妨げられ、不安感などでリラックス出来ないこともよくありますので、精神的にも落ち着いて治療するために鍼は有効です。
肉離れに湿布は大丈夫?
筋肉痛なら、湿布を使えばいいですが、ふくらはぎの肉離れでは安易に初めから湿布を使うことは避けた方が賢明です。湿布の選び方としては、消炎剤を多く含むものを選びます。
あまりにも痛みが強く、寝られない程という場合は鎮痛剤を含むものを一時的に使いましょう。
一番痛いところに。筋肉の走行に沿って(腓腹筋は縦方向に走っている筋肉ですので、縦方向に)伸ばして貼るのがコツです。
但し、湿布でふくらはぎの肉離れや筋膜炎が、根本から治るということはありません。
湿布の効果はその場の痛みしのぎです。
貼っている間は痛みも緩和され、炎症も回復の傾向に感じられ、それで治ったと思って運動をして再発を繰り返す場合があります。
炎症が治まったら温めた方が筋肉の柔軟性が出てきて、血流が流れやすくなり回復が促進されます。
しかし、温めたいからといって、温シップを使うのは止めたほうがいいでしょう。
温シップには痛み止めの成分が入っています。この成分は痛みの原因に直接作用するのではなく、痛みをごまかすだけです。
また、トリガーポイント(関連痛)を考えた時、ふくらはぎに痛みがある場合、腰や臀部、股関節周囲に湿布を貼るのもお勧めです。
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肉離れが治るまでの期間は?
肉離れを発症してしまった場合、完全に治療するにはかなりの期間を必要とします。
症状の度合いにもよりますが、治療期間の目安としては
軽いものであれば約2週間、中度のものであれば1~2ヵ月程、重症なら3ヵ月以上が目安となります。
スポーツ選手が肉離れで離脱した場合も、この中のどれかに該当していると思います。
気を付ける食事
まず、たんぱく質を摂ることです。肉離れは筋肉繊維の負傷ですので、体はタンパク質から筋肉を作り直す必要があります。
毎食肉や魚、卵などの動物性たんぱく質を摂るようにしましょう。
ビタミンCも必要です。
肉離れは筋繊維が離れてしまった状態ですが、それをつけるのにビタミンCが必要です。
負傷時に筋肉が極端に収縮してしまっているケースが多いので、弛緩させる働きのあるマグネシウムが有効です。
豆や海藻類を摂りいれた食事をしましょう。
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まとめ、肉離れは癖になる
きちんと治さずに運動すると、痛みをかばう動作が身についてしまいます。それを繰り返すうちに、不自然な動作が身についてしまうことになります。
また、充分にウォーミングアップ出来ていないうちに腓腹筋に負担のかかる動作を繰り返すことも避けましょう。
適切な治療をして、完治してから正しい運動を心がければ、癖になることはありません。
いずれにしても、負荷がかかり過ぎていると感じた場合は思いっ切って、休息を取ることが長い目で見た場合メリットが大きいです。
一度肉離れになれば、最低でも2週間程の安静が必要となってしまいます。
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